東京財団とは
理事長メッセージ
政策研究と人材育成との相乗効果で世の中を動かしたい
「危機」という言葉が私たちのまわりを飛びかっています。思い返せば、今回の経済危機に限らず、私たちは10年来「キキだ」と言い続けています。本当にそうならば、むやみに煽ったり、浮足立ったりするのではなくその正体を見極めて、きちんと対応しなければなりません。私は、次のように考えています。まず、様々な次元の問題を整理しなければなりません。地球環境問題や世界金融危機が問うているのは資本主義のあり方です。経済活動が拡張とスピードアップを続け、豊かさをもたらす一方で、様々な面での限界感、世界の均一化、大きな格差をもたらし、世界経済の仕組みに大きい修正を加えることが求められているのだと思います。
国内については、過去半世紀余り続いた右肩上がりを前提とした社会の仕組みが、右肩下がりの時代において、ミスマッチを生じています。このミスマッチの時代をどうしのぎつつ、その先の社会の仕組みを作りあげるかが大問題です。政治、行政の分野では、政党の自己統治能力、議院内閣制そして公務員制度とワンセットで解決しなければなりません。外交、安全保障の分野では、世界の合意形成の場がG8からG20へ移行していることに象徴されるとおり、世界の力関係がダイナミックに変化しています。その中で日本の国益の優先順位を整理しなおし、それを守っていくための戦略を徹底して議論しなければならないと思います。
様々なレベルの「危機」のなかで、世の中で起こっている「現象」に対症療法を示すのではなく、いかに本質的かつ、有効な活動をしていくか。東京財団が文化・文明の分野についても議論し、政治家や報道機関に働きかけ、また地域の問題についてフィールドワークを重視しているのは、そのための試みです。
東京財団は、政策研究とその実現に取り組むとともに、志と能力を併せもつ人材を育てていくことを二つの柱としています。そしてその二つの柱によって社会変革を目指したいのです。
「政策をつくる・人を育てる・社会を変える」は、いわば東京財団のかけ声です。研究員、スタッフ一同、日々このかけ声の実現に向けて力をあわせて働いています。
2010年4月
公益財団法人 東京財団
理事長 加藤秀樹
公益財団法人 東京財団
理事長 加藤秀樹
加藤秀樹 東京財団理事長 プロフィール
1973年、旧大蔵省入省。証券局、主税局、国際金融局、財政金融研究所などを経て、96年9月退職し、97年4月、政策を「民」の立場から立案・実現するため、非営利独立のシンクタンク構想日本を設立。以来、同代表を務める。2006年4月より東京財団会長。2009年10月より行政刷新会議議員兼事務局長に就任。2010年4月より、公益財団法人への移行に伴い、同理事長に就任。おもな編著書に『道路公団解体プラン』、『ひとりひとりが築く社会システム』、『浮き足立ち症候群−危機の正体21』など。



