« No.527 シラクの本音?イスラエルが暴露 | メイン | No.529 イヤード・アラーウイ元イラク首相復活への動き »

No.528 イスラエルがシリアと和平を結ばない理由

 
  平和な国の日本に住んでいる人間からすれば、なぜ何十年も経過してなお、中東和平が締結されないのか、ということが不思議でならないだろう。
  しかし、中東の当事国の人たちからすれば、それはしごく簡単な理由によるのだ。

  最近、イスラエルの国家安全研究センターのエイランド研究員が、シリアとイスラエルがなぜ和平交渉を真剣に進めようとしないのかを、次の5つの点を挙げて説明している。

1:シリアとの和平は、イランやパレスチナとの関係をなんら改善しない。また67年の国境ラインまでの撤退と領土返還を伴うし、レバノンとの問題も解決しない。したがって何の役にも立たない。

2:シリアとの和平合意は、アメリカになんのメリットも生まない。

3:シリアとの和平は、シリアのアサド大統領体制の安定にはつながらず、ムスリム同胞団が権力を掌握する可能性が高まる。ムスリム同胞団政権になれば、和平合意が遵守される保証はない。

4:和平に伴いゴラン高原をシリアに返還することは、イスラエルの安全上危険である。

5:ゴラン高原はイスラエルの領土だ、とイスラエル国民は考えており、シリアへの返還を拒否する。ゴラン高原は水源であり、農地であることも重要な点だ。

  それにしても、平和の方がいいではないかと思うのは、平和に慣れすぎた日本人の発想であろう。世界では領土の回復は、血の代償によってのみ実現するのだから。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 2007年03月21日 17:29 | パーマリンク

 

 

 
利用条件プライバシーポリシー
東京財団とはトピックス研究員紹介奨学事業研究事業イベント情報公募・お知らせお問い合わせ
copyright(c)2006TheTokyoFoundation, The Tokyo Foundation bears no responsibility for information derived from links to remote sources.