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2010年09月30日

NO・1769「アラブ産油国も中国の外貨準備高に脅威」

 サウジアラビアがスポンサーの、アラビア語日刊紙アルハヤートが、興味深い記事を掲載した。
 それによると、中国はこのまま行けば、2013年には外貨準備高が、現在の2兆5000億ドルから、5兆ドルに達し、あらゆることが可能に、なってしまうと報じた。
 これだけの外貨を持つと、中国が国際市場で、あらゆる金融商品の、価格操作が、自由に出来るようになる、ということだ。
 当然のことながら、それを一番恐れているのはアメリカだ。アメリカの議会では、中国が意図的に、元の価値を抑え込んでいるとし、何らかの制裁を行うべきだ、という意見が持ち上がってきている。
 第1次石油ショックが起こった、1970年代には、アラブ産油諸国のペトロ・ダラーが、世界を制する、と大騒ぎになったのだが、ここにきて、中国が21世紀のペトロ・ダラーならぬ、世界の脅威通貨、元になってきたようだ。
 中国は、ペトロ・ダラー、そしてその後の円と同じように、あくまでも一時的にしか、世界を制することが、出来ないのであろうか。あるいは、中国はこのまま、異常な外貨準備高の増加を、続けていけるのであろうか。
 アメリカのなかでは、すでに中国に対して、元の切り上げを、させるべきだという考え方が定着し、中国に対し、あらゆる形の要求が、突きつけられ始めている。そのアメリカからの強力な攻勢に、中国も当然のことながら、応えざるを得まい。
 中国はそれでも、何とか自国のリスクを、最小限に抑えたい、と考えているのは当然であろう。言ってみれば、中国は危険な綱渡りを、始めたのではないか。もし失敗すれば、中国の経済はたちまちにして、崩壊するかもしれない。
 その影響は、額が巨額なだけに、世界中に大きな影響を、ばら撒くことになろう。無定見に中国進出した日本企業が、どうやってその危機から、脱出できるのか。あるいは、脱出することが出来ないで、大きな渦の中に、巻き込まれてしまうのか。
 いずれにしても、相当の影響が出ることに、違いはあるまい。そのことに気がついたからこそ、サウジアラビアがスポンサーの、アルハヤート紙がこのことを、取り上げたのであろう。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 15:01 | パーマリンク

2010年09月29日

NO・1768「エジプト大富豪委託殺人で死刑から15年に刑に」

 レバノンのセクシーなポップ歌手として著名だった、タミーミさんを失恋の恨みから、委託殺人に踏み切った、エジプトの大富豪が、当初、死刑だったものが、15年の投獄に減刑された。
 エジプトでは金持ちや権力者は、法の上にいると言われてきたが、今回の場合は、まさにその典型的な判決が、言い渡されたということであろうか。委託殺人の犯人タラアト・ムスタファは、ムバーラク大統領の二男で、次期大統領と噂の高いガマール氏とも、ごく親しい関係にあった人物だ。
 タラアト・ムスファは、彼のガードマンであるスッカリに、200万ドルを支払って、殺害を委託したというのだ。犯行の現場は、アラブ首長国連邦のドバイだった。このニュースはたちまちにして、アラブ世界で広がり、大きな話題となったが、多分に減刑されて、死刑になることはあるまい、と誰もが予想していた。
 今回の15年の刑というのは、結果的に刑期の途中で、恩赦を受け、5―7年で終わるのではないか、と思われる。
 そもそも、今回の殺人事件で、死刑から15年の刑に減刑されたのは、被害者タミーミの親が、賠償金を受け取り、減刑を嘆願したことにある。イスラム世界では、殺人でもその親族が許せば、大幅に減刑される仕組みだが、今回の場合その仕組みが、適用されたということであろう。
 いずれにせよ、今回の15年の刑への減刑は、ガマール氏の働き掛けが、推測されようから、彼にとっては、必ずしもいい話ではないかもしれない。庶民の間では、殺人をしても、金さえあれば、地位さえあれば、軽い刑で済む、という考えが、ますます広がろうから、法に対する信頼性は、弱まるかもしれない。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 15:23 | パーマリンク

NO・1767「アラファトはハマースに武力闘争指示していた?」

 ガザを拠点とする、パレスチナの第二政府とも言える、ハマースの幹部マハムード・ザハールが、重要な発言をした。
 彼がガザのイスラム大学の講演で、語ったところによれば、故アラファト議長は、もし、彼のイスラエルとの交渉が失敗した場合には、武力闘争(特攻攻撃)をしろ、と指示していたというのだ。
 この故アラファ議長の攻撃指示は、何時どのように出されたかについては、明かされていない。しかし、それが2000年のキャンプ・デービッド交渉の失敗の後ではないか、と思われている。
 第二次インテファーダの際に、実行された特攻攻撃は、故アラファト議長の指示によるものだった、ということのようだ。しかし、攻撃の指示はあくまでも、アラファト議長の直接支配下にある、ファタハのアクサ旅団に対するものではなかったか、という説もある。
 アラファト議長が最終的に暗殺されたのは、彼が再度和平交渉に乗り出したからだ、という説も、同時に、マハムード・ザハールは口にしている。
 マハムード・ザハール氏は現在、ハマースは以前より武器の密輸が容易になり、相当量を蓄えており、戦闘可能な状態にある、とも語った。そして、武力闘争のみが、イスラエルとの交渉手段だ、とも力説した。
 一体、このマハムード・ザハール氏の発言は、何を意味しているのであろうか。多分に、ファタハとハマースのなかにある、故アラファト議長への支持を取り付けることを、狙ったものであろう。
 その上で、武力闘争を継続すべきだ、とファタハとハマースのメンバーに、伝えたのであろう。イスラエルとは力なしに交渉しても、らちが明かないのだという、現実を知らせるためであろう。
 加えて、故アラファト議長が暗殺されたように、マハムード・アッバース議長が今後も、成果の期待できない、イスラエルとの交渉を続けるのであれば、暗殺されることもありうる、という警告を発したのではないか。
 そして、暗殺はファタハのメンバーによっても、ハマースのメンバーによっても、行われうるということではないのか。ファタハもハマースも、内部で相当に不満が高まってきていることを、考慮した極めて政治的な、発言であろう。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 14:35 | パーマリンク

2010年09月28日

NO・1766「プリンス・バンダルは何処へ消えたのか?」

 ブッシュ大統領とは、家族ぐるみの付き合い、というイメージをアメリカ国内外に流し、サウジアラビアを代表する、対米外交官という名誉を、一身に受けていた、プリンス・バンダル大使が辞任して、ある時間が過ぎると、彼は全く表舞台に、現れなくなって久しい。
 彼がアブドッラー国王に最後に会ったのは、2008年の12月であり、場所はサウジアラビアの港町、ジェッダ市だったと伝えられている。これに先立って、2005年10月にプリンス・バンダルは、国家治安組織の委員にも、指名されていたということだ。
 彼が表舞台に顔を出さなくなって、すでに2年以上の時が、経過しているが、そのために、幾つもの憶測が飛んでいる。何といっても、アメリカの主要マスコミが華々しく、彼の活躍を伝えていただけに、これだけの長期間にわたって、姿を見せないということは、不思議でならないということだ。
 プリンス・バンダルは、実はサウジアラビアの兵器取引に、深く関係していた、という説が出てきた。彼の実父であるスルタン王子が、兵器輸入の最高責任者であることから、それはまんざら、噂のレベルだけではあるまい。
 ところが、その先があるのだ。彼は武器、兵器について詳しいことと、その配布について、ある程度の権限を、有していたのであろうか。プリンス・バンダルはイラクのテロリストに、資金と武器を提供している、あるいはしていたという話が、持ち上がってきているのだ。
 加えて、パキスタンやレバノンのテロ組織にも、資金と武器を手配していたというのだ。
 これ以外にも、プリンス・バンダルがサウジ王家に対する、権力転覆テロを起こそうとして、失敗したのだと語る、サウジアラビア反体制派の人物もいる。しかし、この説は、一概には信用しかねる。たとえどれだけ、アメリカ政府との関係が強かったからと言え、アメリカ政府が彼に、サウジアラビア王家に対して、打倒の計画を許したとは、思えないからだ。
 今の段階では、何が真実かは分からない。いずれにしろ、あの世界のマスコミを騒がせた、プリンス・バンダルが表舞台から、消えて久しいことは事実だ。彼が本当に、地中に潜ったのではないことを、祈るばかりだ。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 15:41 | パーマリンク

2010年09月26日

NO・1765「トルコの国民投票とクルドの対応」

 9月15日に行われた、トルコの改憲をめぐる国民投票の結果は、与党開発公正党(AKP)の改憲支持票が58パーセント、反対票が42パーセントという結果を生み出した。
この結果は、今後、トルコに大きな変化をもたらすであろう、というのが一般的な推測になっている。与党AKPは今後、来年に向けて改憲の準備を進めるであろう。その目的は、エルゲネコンと呼ばれる地下組織(影の政府)を撲滅し、司法の公正化、軍の政治関与を、完全に抑えるシステムを作り出し、クルドとの問題を、解決することにあろう。
エルゲネコンについては、既に撲滅に向けて着手され、エルゲネコンのメンバーが次々と逮捕され、裁判にかけられており、解決は時間の問題であろう。その上では、最終的にエルゲネコン問題を解決するために、司法の公正化も必要であり、エルゲネコンと繋がる裁判官は、追放されることになろう。
軍部に対しても、欧米を味方にしながら、政治への関与(クーデター)を阻止する方針に向けて、動き出そう。既にこのことについても着手されており、エルゲネコンと繋がっている軍幹部や、過去にクーデターを計画した、あるいはクーデターを実行した、軍の幹部とOBが、逮捕されてもいる。
クルド問題に付いても、今後、解決に向けて、活発な動きが見られよう。今回の国民投票で、トルコのクルド人やクルドの政党は、棄権という立場を採り、反対はしなかった。つまり、消極的な改憲賛成の、立場を示したのだ。
クルドがそうした立場を採ったのには、これまでのAKPの努力が、クルド人によって評価されているからであろう。AKPはクルド語のテレビ、ラジオ放送を許可し、クルドの文化を尊重する方針を打ち出し、実際にクルド語による、国営の24時間のテレビ、ラジオ放送が、始まってもいる。
クルド人のなかで、あくまでも抵抗闘争を続け、トルコからのクルド地区の分離独立を主張している、PKK(クルド労働党)内部でも、意見の相違が、見られ始めている。
PKKの最大のスポンサーであった、エルゲネコンや、トルコの軍部が力を失ったことで、PKKの武力闘争は、窮地に追い込まれつつある。イスラエルがスポンサーという情報もあるが、イスラエルもこれまでのように、PKKを支援し続けるのは、困難になって来ているのではないか。
PKK内部ではいま、トルコの刑務所に収監されている、アブドッラー・オジャラン議長派と、徹底抗戦派に二分しているのだ。このことが公然の事実となったのは、先にハッカリ県で起こった、ミニ・バス爆破テロについて、PKKが犯行声明を、しなかったことがきっかけだ。
PKKはいま、トルコ・クルドのムラト・カラユランが率いるグループと、シリア派のフェフマン・フセインの率いる、強硬派グループに分裂しているのだ。今回の路肩爆弾によるテロは、フェフマン・フセイン・グループによるものだとされている。フェフマン・フセインの部下である、ベデイルハン・アボ(コードネームはバホズ・エルダル)のグループが、直接作戦に関わったと、報告されている。
アブドッラー・オジャラン議長は大分前から、既に武力闘争放棄を、メンバーに呼びかけていたが、それがここに来て、より明確な形になったのであろう。クルド人はエルドアン首相の妥協路線(クルド人との関係改善路線)を、間接的に支持しながら、平和的に権利を拡大していく、方針なのであろう。
クルドの政党などが主張する、クルド地区の分離と、完全な自治権の要求は、あくまでも、交渉の最初に示すカードであり、要求が今後も変わらない、とは思えない。それは、クルド地区の開発には、トルコ中央政府との協力が、絶対的に必要だからだ。
トルコは今後、国内政治問題が解決に向かい、欧米との関係も改善していくものと思われる。一般的に言われている、アメリカやイスラエルとの関係に、懸念があるという意見は、トルコの内情が分かっていない人たちの、判断ではないのか。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 11:26 | パーマリンク

NO・1764「イラン国民は他力本願?ハメネイ師の権威は?」

 イランに行けば、当然のことながら、昨年実施された大統領選挙後の、イラン国民の動きが、その後どうなっているのかに、関心が寄せられる。あれだけ反政府運動が、首都テヘランで盛り上がったのだから、何か今でも、くすぶっているのではないか、と誰もが期待するだろう。
イラン人の友人は、まじめにアメリカ軍の攻撃が、起こることを期待している、と語っていた。しかも、彼はアメリカ軍の攻撃は、あくまでも核施設だけであり、他の一般住民が居住しているところには、絶対攻撃しない、と断言していた。
アメリカ軍が攻撃を実施し、イランの核施設が全部破壊されれば、現体制の国民からの信頼は地に落ち、体制は打倒され、民主的な欧米型の政府が、誕生するだろう、というのだ。
彼は真顔でそう言っていたが、他のイラン人と話しても、似通った内容の答えが返ってきた。私が外国人だから、本音を話しやすい、ということもあるだろう。もちろん、イラン人特有のサービス精神で、外国人の好みの返事を、考えて話しているとも言えよう。
つまり、外国人はイランの現体制が、打倒されることを期待しているであろう、という前提でサービス精神を遺憾なく発揮して話してくれているのだ、とも考えられるのだ。
この話をある友人に話したところ、彼の返事は次のようなものだった。「つまり、イラン人は他力本願なんですよ。外国が深く関与してこない限り、自分たちでは、現状を変えようとは、必死で考えることは、無いんです。昨年の大統領選挙の結果に怒った国民が、あれだけ大規模な反政府の、抗議デモを展開したのに、今は誰もそんなこと考えていませんよ。大統領候補者だったムサヴィ氏もカロウビ師も、今では忘れ去られた人に、なっていますよ。」というのだ。
確かにそうかもしれない。しかし、以前にここで書いたように、昨年の大統領選挙以後に、幾つかの変化が、イランの政治社会内部に、起こっていることも確かなようだ。
私は昨年の選挙を機に、神権体制内部に分裂が起こった、そして、アハマド・ネジャド大統領とハメネイ師の間にも、齟齬が発生し始めていると書いた。イランの友人も、同じことを言っていた。彼はアハマド・ネジャド大統領が就任式で、ハメネイ師の手の甲にキスをしなかったのは、明らかなハメネイ師に対する、拒否反応だったというのだ。
では何故、アハマド・ネジャド大統領は、イランの最高権威者である、ハメネイ師に対して、そうも強気になれるのか?言うまでも無い、彼の後ろには、革命防衛隊が付いているからであろう。
問題は革命防衛隊が軍隊であり、軍隊は最新の兵器を入手したい、と常に考えるということだ。ハメネイ師は核兵器の開発を、全面否定しているが、彼がイスラム法学者である以上、当然の判断であろう。しかし、ハメネイ師が権威を無くした場合、イランが核兵器開発に、向かう危険は否定できまい。今後はハメネイ師のイラン国内での、権威の動向を見守る必要がありそうだ。
ハメネイ師の権威について、アメリカやイスラエルの情報機関も、私同様に注目しているかもしれない。イランの友人が望んでいるように、アメリカやイスラエルは、イランを軍事攻撃するかもしれない。それはハメネイ師の失脚が、明らかになったと同時に、起こるのではないか。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 00:35 | パーマリンク

2010年09月25日

NO・1763「エジプト国民はエルバラダイ騒ぎで疲労気味」

 エジプトで何人かのエジプト人の友人たちと話した。その彼らの話す内容が、実に興味深かったのでご紹介しておこう。

述べるまでも無く、エジプトに今の時期に行けば、最大の関心事は次期大統領選挙に関する、テーマということになろう。これまで何度か書いたが、大筋ではあまり、外れていなかったようだ。

エルバラダイ元IAEA事務局長が、欧米式民主主義を信じ、それをエジプトに当てはめようと考えた。現状では法律的に、彼が立候補できないために、彼に対する支持の署名運動を展開して、その結果を政府に突きつけ「これだけの国民が私を支持しているのだから、政府は憲法を改正して、私に立候補する権利を与えろ。」ということであったろう。

エルバラダイ氏は完全に、外国ボケしていたのであろう。そんな署名運動で、エジプト政府が憲法を改正し、野党やそれ以外の人士の、大統領選挙への立候補を認めるようであったのなら、既にムバーラク体制は終わっていたはずだ。署名運動が何の効果も無いという現実を、彼は知らなかったのだろうか。

何時もエジプト事情を話してくれる、友人が言う事情説明はこうだった。「エルバラダイ氏がエジプトに、民主化を持ち込もうとした。彼は世界的にも著名な、元IAEAの事務局長だ。だからエジプトの改革派は、一抹の期待を彼に寄せた。若者は血気盛んであり、署名運動という新手の政治活動に、歓喜して参加した。これなら警察に棍棒で殴られることも、逮捕されて投獄されることも、無いからね。」

全くその通りであろう。しかし、このエルバラダイ式民主主義の実現運動の中で、アレキサンドリアの青年が犠牲になっているし、多くのムスリム同胞団のメンバーが、逮捕されてもいる。それ以外の野党のメンバーにも、逮捕者、投獄者が多数出ている。

つまり、エルバラダイ氏の大統領選挙立候補への事前運動は、それなりの犠牲を、既に生み出していたということだ。そのことを、エルバラダイ氏はどの程度重く、受け止めているのであろうか。もちろん、エジプト国民が彼を利用して担ぎ上げ、政府にひと泡吹かせてやろう、と考えた部分もあろうから、犠牲者が出た責任は、エルバラダイ氏だけにあるわけでもあるまいが。

続けて友人が言うには「エルバラダイ氏の大統領立候補に向けた活動で、エジプト国民はスッカリ振りまわされ、下馬評で沢山の立候補予定者の名が挙げられた結果、もう大統領に誰がなろうが、どうでもよくなったんだよ。つまり、散々かき回されて、エジプト人の頭の中が、空っぽになったってことかなあ。あるいはガス抜きが出来た、と言うべきかなあ。結局はガマール(ムバーラク大統領の次男)に絞られたんじゃないか。」ということだった。案外そうかも知れない。ガマール氏とムバーラク大統領に、今後、何か特別の事態が発生すれば、この限りでは無かろうが、現状では友人の言う通りかもしれない。


投稿者: 佐々木良昭 日時: 23:33 | パーマリンク

帰国のお知らせ


 無事全ての予定を終え9月24日に帰国しました。
現地はそれぞれに大きな局面にあり、興味深い話を聞くことが出来ました。
順を追ってご報告申し上げます。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 23:01 | パーマリンク

2010年09月14日

海外出張のお知らせ

         海外出張のお知らせ
9月15日から24日まで、エジプト、イラン、トルコに出張して来ます。
エジプトでは大統領の後継問題と物価高、イランではイスラエル・アメリカとの緊張、トルコでは憲法改正の是非をめぐる国民投票後の様子と、いずれの国も極めて興味深い状況にあります。
それ以外に、イランでは外務省付属の研究所ISIAとの、共同研究会を開催してきます。
したがって、出張中は中東TODAYを休ませていただきます。その代わり、帰国後に興味深い報告が、出来るよう頑張ってきます。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 22:30 | パーマリンク

NO・1762  「アラブ援助はアメリカの圧力で引き出せ」

 パレスチナ自治政府は、アラブ諸国の援助の少なさに、怒り出している。パレスチナ自治政府に言わせれば、アラブ諸国を始めとする、諸外国からの援助は、パレスチナ自治政府の公務員15万人の、給与に充てられるということだ。ご丁寧にも、パレスチナ自治政府はその半数が、ガザの住んでいる人たちだ、という説明だ。
 つまり、ヨルダン川西岸のパレスチナ人を、前面に出しても寄付は集まりにくい、ということだろうか。ガザの場合、イスラエルによる攻撃で、大きな被害を受けたことや、トルコのフロテッラ号事件などで、世界の耳目を集めているからであろう。
 パレスチナ自治政府に対する援助は、今年3月にリビアで開かれた、アラブ首脳会議でも、援助が各国によって約束されたが、ほとんど実行されていないようだ。例外的なのは、サウジアラビアとアラブ首長国連邦だが、それ以外には、援助国の名前が挙げられていない。
 こうした状況について、援助する側のアラブ諸国は、パレスチナ自治政府のやり方が、気に入らないのだと言っている。つまり、パレスチナ自治政府はアメリカ政府に頼み込んで、アラブ諸国に援助をするよう、圧力をかけてもらっているというのだ。
 アラブ諸国にしてみれば、パレスチナ自治政府が頭を下げて、援助を要請してくるのであれば、援助も考えるが、アメリカを通じての圧力をかける方式には、相当腹が立っているのであろう。
例外的に、援助を実行したサウジアラビアとアラブ首長国連邦も、うるさいから金を出してやる程度の、受け止め方をしているのではないか。少なくとも、パレスチナ問題や、パレスチナ人に対する、連帯意識からの援助ではあるまい。 
 パレスチナ自治政府の発表によれば、5・3億ドルの援助のうち、22パーセントがアラブ諸国からのものであり、残りの78パーセントは、アメリカを始めとする、非アラブ諸国からの、援助だということだ。
 それにしても、パレスチナ自治政府のたかり精神には、驚くばかりだ。パレスチナ闘争が始まって、何十年も過ぎたが、いまだに外国からの援助を、主たる財源にしているのだ。そのために、全く具体的な和平の話は進んでいない。アメリカの圧力にすがっている限り、パレスチナの大義は全く重要性を持たず、結果的に、ヨルダン川西岸地区は、イスラエルに接収され続けている。
 エルサレムがイスラム教の第3の聖地だから、イスラム教徒全員がパレスチナ問題を支持し、支援すべきだという論理は、パレスチナ自治政府の幹部の、超贅沢な生活を見ている限り、アラブ・非アラブ・イスラム教徒の間にで、本音では起こってこないのではないか。パレスチナ自治政府は、たかり・ゆすりの組織に、なり下がって久しい。 

投稿者: 佐々木良昭 日時: 15:23 | パーマリンク

2010年09月13日

NO・1761「エジプト軍内部の大統領選挙に関する動き」

 エジプトの大統領選挙が、来年に迫っているなかで、誰が大統領に立候補するのかが、大きな話題になっている。
 いまでのところ、元IAEAの事務局長だったムハンマド・エルバラダイ氏が、最も際立った動きを示しているが、だからと言って、彼が一馬身リードしている、ということにはならないようだ。
 それは、彼が大統領に立候補する基盤が、いまだに出来上がっていないからだ。一定の地方と国会の議員の推薦(250人)を受けるか、あるいは既存の政党から立候補するしかないのだ。しかし、ムハンマド・エルバラダイ氏に、最も近いように見えるムスリム同胞団も、土壇場になった時に、彼を推薦候補としてくれるかどうか、疑問が残っている。
 それは、ムハンマド・エルバラダイ氏が、世俗派であることに、起因していようし、彼を推して、ムスリム同胞団のメンバー以外に、大統領を当選させるとは思えないからだ。
 たとえ、ムハンマド・エルバラダイ氏を推す、大衆組織が百万人の署名を集めたとしても、それは政治的ファッションの動きでしかない、というのが政府与党の、受け止め方であろう。
 他方、ムバーラク大統領の次男、ガマール氏については、実質的に最も大きな力を持っている軍内部で、二つの意見があるようだ。若手将校たちはガマール氏を推すことによって、将来的な自分たちの既得権益を、守ろうと思っているようだが、年配者たちはそうでもなさそうだ。
 軍の年配たちにしてみれば、本当の実権は自分たちにあるのだから、軍が推薦する人物、つまり軍人が新しい大統領に、就任すべきだということであろう。ガマール氏には軍歴はなく、どう考えても軍部の推薦を受けることは、難しいのではないか。
 そうなると、大統領候補として考えられるのは、ムハンマド・フセイン・タンターウイ国防大臣か、オマル・スレイマーン情報長官ということになろう。しかし、オマル・スレイマーン情報長官の、国民からの支持は全くない。
 また、ムハンマド・フセイン・タンターウイ国防大臣は、自身が高齢者であることから、大統領に立候補する意思はない、と既に公に語っている。そうなると、ムハンマド・フセイン・タンターウイ国防大臣が推薦する、軍幹部の誰か、ということになろう。
 そうなると、以前に書いたサーミー・アナ―ン統合参謀長が、最も有力な候補になるかもしれない。すでに述べたように、彼とガマール氏の関係は、極めていいことも、可能性を感じさせる。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 16:27 | パーマリンク

NO・1760「トルコの改憲国民投票」

 9月12日、トルコでは全土で憲法改正の、国民投票が実施された。12日の深夜の、アルジャズイーラ・テレビのニュースでは、改憲に77パーセントが賛成、23パーセントが反対ということのようだ。
問題はトルコ南東部の、クルド地域の投票がどうなるかだったが、事前に予想されていたように、投票率は低かったようだ。しかし、投票の中身は、ほとんどが賛成ということのようだ。それは当然であろう。投票所に向かったのは、ほとんどが改憲賛成派の、トルコ人だったからだ。
クルド人は投票を棄権した人が多かったようだが、その理由として、「憲法が改正されても、クルド人に関わる問題では、何事も変わらないだろう。」ということのようだ。
しかし、クルド人が反対票を投じたのではなく、棄権したということは、実質的には賛成はしないが、反対もしないということだ。したがって、クルド人が投票を棄権したということは、与党AKPの改憲案に反対しない、という意思表示だったのだ。
与党AKPの実施した改憲をめぐるの国民投票は、どうやら与党の思惑通りになりそうだ。そうなると、トルコ社会に大きな変化が、起こることが予想される。トルコ軍の影響力は、大幅に後退しようし、旧体制側の警察幹部も、厳しい立場に追い込まれそうだ。
加えて、司法関係者にも、影響が出てこよう。そして、エルゲネコンのメンバーに対する追求が、強まるであろうから、これまでアンタッチャブルの状態にあった、エルゲネコン・メンバーによる、犯罪が明らかになっていこう。
これまでテロ攻撃を継続してきていた、PKK(クルド労働党)はエルゲネコンや軍部との、秘密の協力関係が終わり、 軍事行動から平和的な交渉に、路線を変えていくものと思われる。(与党はPKKと軍幹部エルゲネコンとの間には、秘密の協力関係があったと考えている)
こうした大きな変化が起こることが、予想されるにもかかわらず、トルコ軍がクーデターを起こすことは、難しいのではないか。それは、クーデターにアメリカもヨーロッパも、賛成しないことが明らかだからだ。
最終的な開票の結果と、その後の数ヶ月の、国内動向を見なければ、断言できないが、トルコは今回の改憲に関する、国民投票の結果、民主化が進むのではないかと思われる。
*9月13日のトルコのTODAYZAMANのネットは投票の最終結果賛成58反対42と伝えている。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 00:35 | パーマリンク

2010年09月12日

NO・1759「二人の知人からの抗議メール」

 9月9日に「コーランを焼くというキリスト教団の愚挙」、という原稿をブログに掲載したところ、二人の知人から抗議のメールが届いた。
一人は敬虔なクリスチャンで、彼は「キリスト教徒の中にもいろんな考えを持っている人がいる、コーランを焼くことに反対の人が多数なのだからキリスト教徒全員の意向ではないのだ。」という内容のものだった。
確かのそうであろう、アルカーイダはイスラム教徒といわれているが、アルカーイダの行っているテロ行為を、支持しているイスラム教とは、少数派であろう。それと同じことが、キリスト教徒の場合にも、言えるということだ。
もちろん、私もキリスト教徒の多数が、コーランを焼くことを、よしとしていないことは分かるが、この行為が愚かなことだということを、第三者の立場から言うことは、イスラム教徒に対して、ある種の安堵感を与えるのではないか、と考えたからだ。
もう一人の抗議は「イスラム教徒の肩を持ちすぎている、既にイスラム教徒はアメリカ国旗を燃やしているではないか、貴方が考えるほど、イスラム教徒は寛容ではない。」といった内容のものだった。
この抗議を寄せた人は、アラブ関係の仕事をしている人なのだが、どうも仕事を通じて、アラブ人に対する不満を、抱いているのではないかと感じた。その不満が、イスラム教徒に対する厳しい見方を、させているのではないか、と思えたのだ。
ブログのなかで聖書を燃やすことは、無いだろうと書いたのには、色んな思惑があってだった。イスラム教徒にしてみれば、イエス・キリストも預言者の一人であり、キリスト教もイスラム教も、アブラハムに始まるとしている。そうであれば、イスラム教徒が聖書を焼くようなことが、あってはならないのだ。またそうすべきではない、ということを伝えたかったからだ。
友人の言う「イスラム教徒は既にアメリカ国旗を、燃やしているではないか」いるということとは、根本的に異なるのだ。国旗と聖書では、その持つ意味が、全く異なるということだ。
国旗を燃やして、相手国に抗議するということは、これまで各国で行われてきたことであり、比較的見慣れた、抗議のスタイルであろう。しかし、信仰の根幹である、聖典を燃やすということは、相手の全てを否定する、ということなのだ。
私のブログを見て、イスラム教徒がキリスト教の聖書を燃やすような、愚かな抗議の形をとって欲しくない、という思いから書いたのであって、イスラム教徒のほうが、キリスト教徒よりも高いモラルを持っている、ということを強調することに、力点は置いていたのではないのだ。
 もし、私の表現が稚拙であったために誤解が生じたのであれば、一言お詫びしたい。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 10:10 | パーマリンク

2010年09月10日

nO・1758 「イラク刑務所から重罪犯が逃亡」

 今週の水曜日、イラクのバグダッドにある刑務所から、死刑囚4人が逃亡することに成功した。この4人は、アルカーイダや旧サダム・フセイン・グループに関わりのある、極刑に値する受刑者だったようだ。
 彼らが入っていた刑務所は、アメリカ軍の施設にあったもので、その後、イラク側に引き渡された、カルフ刑務所だった。当然のことながら、警備は厳重であり、常識で考える限り、とても逃亡がかなうような場所ではないはずなのだが、実際には逃亡に成功したわけだ。
 以前にも、イラクでは刑務所から受刑者が、逃亡するというケースがあった。それは、2005年4月のことで、受刑者たちが刑務所内から、180メートルもの長いトンネルを掘って、逃亡したというのだ。
 考えようによっては、地面が砂地であろうから(その限りではないが)、180メートルのトンネルを掘ることは、意外に容易だったのかもしれない。
 しかし、今回の場合は、逃亡用のトンネルが発見されなかった。イラク警察が逃亡後に、調査をするのだが、逃亡方法がどんなものであったのか、全く見当がつかないということだ。
 その場合、考えられることは、内部に協力者がいて、彼らの手引きで、逃げ出したということであろう。イラク警察は十分な訓練を受けているわけではないだろうし、綿密な身元調査が行われているとも思えない。
 したがって、旧サダム・フセイン体制の側の人物や、アルカーイダにつながる人物が、警察のなかにもぐりこんでいても、区別がつかないのではないか。アメリカ軍が全面撤退をした後だけに、その可能性は十分に考えられる。アラブ世界のワーシタ(仲介)が、ここでも役割を果たしたのかもしれない。
 もう一つ考えられるのは、イラク側によるものではない、別の内部犯行だ。その場合は、アメリカ軍の一部の、反戦的な考えを持った人物によるものだ。すでに、アメリカ軍のなかには、相当厭戦気分が広がっているとも聞いている。
 加えて考えられるのは、民間の警備会社の絡んだ、犯行ということだ。契約期間の延長には、イラク社会の危険が高まるほど、彼らの契約が延長されたり、規模が拡大されることがありうるからだ。
 想像はこの程度にしておこう。今の段階で言えることは、厳重なはずのイラクの刑務所から、いとも簡単に受刑者が逃げ出せる状況が、生まれてきているという現実だ。
 そのことは、今後のイラク国内の治安が、まだまだ不確かなものだ、ということだ。それでもアメリカ軍はイラクから、去っていくのだろうか。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 15:53 | パーマリンク

2010年09月09日

NO・1757「コーランを焼くというキリスト教団の愚挙」

 大方のアメリカ人にとって、2001年9月11日に起こった、世界貿易センタービルに対するテロは、いまだに忘れられない事件であろう。およそ3000人の人たちが、このビルの中で炎に包まれて、死亡したのだから、無理もないことであろう。
 しかし、それだからと言って、キリスト教徒側に、イスラム教徒の聖典コーランを焼くということが、正当化されるのであろうか。いわゆる9・11事件は、ほとんどのイスラム教徒にとっても、キリスト教と同様に、大きなショックであったと思われる。
 世界貿易センタービルに突っ込んだテロ行為が、イスラム教徒によって賞賛されるというのは、イスラム教徒のなかの、ごく一部だけであって、実際には、ほとんどのイスラム教徒は、悲惨な事件として、捉えている。
 今年の9月11日、アメリカのキリスト教団体が、この9・11テロに抗議して、イスラム教の聖典であるコーランを焼く行事を、断行することを公表した。その行為が、どのようなリアクションを、イスラム教徒の間に生み出すのかを、このキリスト教団体は、熟慮した上で決定したのであろうか。
 イスラム教徒は聖典コーランを手にする場合、清めのウドウを行う習わしだ。もちろん、聖典コーランは清潔な場所に、保管されなければならない、とも考えられているのだ。
 そのコーランを燃やすということは、誰が考えてもイスラム教に対する、冒涜行為であって、蛮行としか言いようがあるまい。この行為で9・11に対する抗議をするというのは、まるで見当違いであり、彼らの常識の無さを、示すものであろう。
 イスラム教徒側は、もしこの聖典コーランの、焼却行事が敢行されれば、同じようにキリスト教のバイブルを、燃やすかもしれない。しかし、意外にそれは起こらないのではないか。それは、イスラム教徒の側にこのキリスト教団体以上の、モラルがあるからだ。
 もし、私が予測するように、イスラム教徒側のしかるべき団体が、そうした行為に出なかった場合、キリスト教徒たちはそれを恥じ入るのであろうか。もし、恥じ入らないのであれば、人間としての自身のプライドを、捨て去っているということではないのか。
 聖典コーランが焼かれれば、それはイスラム教に対する挑戦として、一部のイスラム学者たちは、聖戦のファトワ(宗教裁定)を、発出するかもしれない。そうなれば、キリスト教徒は世界中で、殺害の対象になるということだ。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 13:36 | パーマリンク

2010年09月08日

NO・1756「エルバラダイさんそこまで言っちゃあお終いよ」

 エジプトで来年に実施される予定の、大統領選挙に向けて活動を続けている、元IAEA事務局長のムハンマド・エルバラダイ氏が、言ってはならないことを、言ってしまったようだ。
 風テンの寅さん風に表現すれば「それを言っちゃあお終いよ。」というところであろうか。ムハンマド・エルバラダイ氏は「ムバーラク体制は数カ月以内に倒れる。」と言ったのだ。
 ムハンマド・エルバラダイ氏はどこか、勘違いしているのではないだろうか。彼が提唱したと思われる、国民に呼びかけた署名運動は、すでに100万人レベルに達しており、推進メンバーたちは今年中に、2−300万人の署名が集まると豪語している。
 しかし、それはあくまでも、お祭り騒ぎの好きな、エジプト国民の国民性に、よるものではないのか。エジプトに限らず、アラブ世界では体制に、不満を抱いている大衆がほとんどだ。不満の原因は多分に、大衆側にもあるのだが。
 彼らは自分が安全圏にあって、行動を起こすことは、何ら抵抗を感じない。政府が認めたデモでは、思いっきり騒ぎまくるのだ。今回の署名運動も、実のところ署名する側に、さしたる危険も及ばないだろう。
 しかし、その署名がたとえ1000万人分に達しても、体制には何の影響も与えないのだ。したがって、ムハンマド・エルバラダイ氏が欧米社会のように、多数の署名が集まったからと言って、大勢に影響を与えうる、と考えているとすれば、大間違いであろう。
 そもそも、ムハンマド・エルバラダイ氏が、大統領に立候補しようと思えば、憲法を変えなければならないが、そう簡単には行くまい。加えて、既存のムスリム同胞団のような組織に乗って、立候補しようとすれば、明確に彼は本心ではないとしても、(イスラム原理主義支持)の立場を示すことになる。その場合は世俗派の反発を受けよう。
 ムハンマド・エルバラダイ氏を支えるはずの、野党各派の間には、既に明確に分裂傾向が見えている、と評する専門家もいる。ある著名な芸能人は、ムハンマド・エルバラダイ氏が、ムスリム同胞団の支持を受け入れたことに対し、嫌悪感を顕わにし、抗議している。
 多数集まった署名を踏み台にして、彼は自信を得たのであろうか。ムハンマド・エルバラダイ氏は、11月に予定されている、国会と地方議員選挙を、ボイコットすべきだ、と呼び掛けているが。
 しかし、政府は選挙を実施するであろうから、結果的には国会議員の相当数が、与党によって占められ、ムハンマド。・エルバラダイ氏を支える、野党の議員数は減るだけであろう。
 ムハンマド・エルバラダイ氏は「ムバーラク体制の早期終焉」を口にしたが結果は逆になるのではないか。エジプトの庶民は決して、それほど単純ではない。エジプトの庶民が表情に見せる微笑みが、場合によっては全く逆の感情を、ごまかすためのものである場合もあるのだ。ムハンマド・エルバラダイ氏はやはり、あまりにも長い間、国外で生活しすぎ、エジプト国民の本音を、理解出来なくなっているのであろうか。
 

投稿者: 佐々木良昭 日時: 13:24 | パーマリンク

2010年09月07日

NO・1755「イランの核兵器製造が不安なIAEA」

 ここにきて、IAEAはイランが核兵器を製造する、懸念を明らかにした。それによると、イランは今年5月の段階で2・4トンであった3・8パーセントの濃度の低濃縮ウランの量が、最近では2・8トンにまで、増えたということだ。
 この低濃縮ウランの他に、イランには既に、20パーセントにまで濃縮したウランが、22キロあるということだ。
 イランがこのスピードで、濃縮作業を継続していけば、90パーセントの濃度の、核兵器製造に使える濃度に至るのは、時間の問題だということだ。結果的に、イランは2014年には核兵器の製造が可能だ、とアメリカとイスラエルの情報機関は分析している。
 イランはこうした懸念のなかで、IAEAに査察を自由に行わせていない、と国連は不満を明らかにすると同時に、イランの核兵器製造への疑惑を、拡大している。IAEAの報告によれば、イランは核施設への立ち入りを拒んでおり、確実な査察が出来ない、状態にあるということだ。
 述べるまでもなく、国連やIAEAがイランの核開発に対して、その目的に疑問を抱いているが、イラン側はあくまでも平和利用であり、医療用やエネルギー需要を満たすことが目的だ、と主張し続けている。
 こうなると、アメリカやイスラエルによる、イランの核施設への攻撃ということが、空絵事ではなくなってくるであろう。湾岸諸国は押し並べてイランへの融和政策と同時に、アメリカやエジプトに対する依存心を強めてもいる。
 それを見抜いてか、エジプトのムバーラク大統領は、イランの核開発で湾岸諸国が、危険にさらされている、と強調している。それは述べるまでもなく、イランの核開発に加え、イランによる湾岸諸国のシーア派に対する、支援を意味しているのであろう。
 サウジアラビアもバハレーンもクウエイトも、押し並べてイランの支援を受けていると思われる、シーア派自国民の活動が活発化してきているからだ。たとえイランがこれら湾岸諸国のシーア派を、直接的には支援していないとしても、イランが強国になっていくことそのこと自体が、湾岸各国のシーア派国民を、十分に勇気づけているものと思われる。
 イラクがその好例であろう。人口比の問題もあるが(シーア派が60パーセントを超えている)、イラクではシーア派国民が、あくまでも政治の中心であり、それぞれのシーア派に対し、イランは強い影響力を有している。
 イランの湾岸諸国への影響力は、今後、イラク同様に強まっていくかもしれない。イランの核兵器開発に、湾岸諸国やアラブ諸国、そしてアメリカ・イスラエルが、異常なまでに敏感なのは、政治に与える影響も大きいからであろう。
 

投稿者: 佐々木良昭 日時: 14:48 | パーマリンク

2010年09月06日

NO・1754「イランの援助も関与も拒否のパレスチナ自治政府」

 何の結論も進展も期待できない、イスラエル・パレスチナ直接交渉が、アメリカのごり押しの下に、開催された。誰もが予想したように、結論は次の会議が、エジプトのシャルム・エルシェイクで開催される、ということだけだった。
 この会議の無意味さについては、イスラエルのリーベルマン外相ですら、口にしている。ましてや、イラン政府は、会議は全く意味のないものであるどころか、パレスチナ人とムスリムに対する、裏切り行為だとみなした。 
 イランのアハマド・ネジャド大統領は「何を交渉する気か?」「誰を代表しているのか?」「何について話し合うのか?」と厳しい批判の言葉を、パレスチナ自治政府議長の、マハムード・アッバース議長に向けている。
 これに対して、パレスチナ自治政府側は「イランの関与は拒否する。」「イランの援助などいらない。」という立場を示した。しかし、それは正解なのだろうか。パレスチナ問題はイスラム教の第三の聖地、エルサレム問題を含むものであり、パレスチナ人だけの問題、とすることは出来ない。
イスラム教徒全員の問題なのだ。したがって、イランがパレスチナ問題に関与することは、当然の権利であろう。また、パレスチナ側にしてみいれば、エルサレム問題を抱えていることから、世界中のイスラム諸国に対して、支援と援助を強要する権利が、あるということにもなろう。
イランばかりではなく、多くのイスラム諸国のインテリたちは、アメリカ主導による直接交渉は、何の成果も生まないことを、十分予測していたし、結果はそうなった。
 今後、パレスチナ自治政府は、自身の意思とは別に、強硬な立場を示さなければならない状況が、発生してくるのではないのか。その時に、イラン側は現在のような、拒否の立場を示している、パレスチナ自治政府の擁護に、回るだろうか。
 早晩、イスラエルとレバノン、イスラエルとハマース、イスラエルとシリアの緊張した状況が発生してくるであろう。その時、パレスチナ自治政府は蚊帳の外に、いられるというのだろうか。もし、蚊帳の外にいようと思えば、完全にパレスチナの大衆から、見放されるであろうし、アラブ諸国からは、軽視されることになろう。パレスチナ自治政府にとって重要なのは、いま飴玉をくれるアメリカやイスラエルよりも、将来のパレスチナを支えてくれる、アラブ諸国と、イランを始めとするイスラム諸国ではないのか。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 15:22 | パーマリンク

NO・1753「エジプトのネガテイブ・キャンペーン」 

 エジプトの次期大統領候補とされている、ムハンマド・エルバラダイ氏に対する、政府側(?)の締め付けが、厳しくなってきているようだ。ムハンマド・エルバラダイ氏は、現在のエジプトを非民主的な国家だとして批判し、大統領選挙に立候補する方向に、向けて動いている、
 ムハンマド。エルバラダイ氏を推す側の陣営(反政府陣営)は、憲法改正なしには、ムハンマド・エルバラダイ氏の立候補が、不可能であることから、国民の署名を集める、署名運動を展開している。
そのことにより、改憲を求める国民が、いかに多いかを、エジプト国内外にアピールして、ムハンマド・エルバラダイ氏を始め、野党勢力の人士の、大統領立候補を阻む、大きな厚い壁を壊そうとしている。それは、今までのところ、成功しているようだ。およそ100万人の改憲支持者の、署名を集めることが出来たからだ。
 こうした動き以外にも、ポスターを張り出して、ムハンマド・エルバラダイ氏をエジプト国民に、広く認知させようという動きも、活発に展開された。現在のところ、こうしたムハンマド・エルバラダイ氏側の攻勢に対し、ムバーラク大統領の二男である、ガマール氏側の動きは、遅れがちのようだ。その最大の原因は、ムバーラク大統領が終生大統領を、希望しているのではないか、ということに対する、遠慮かからであろうか。
 守勢に回るガマール陣営、あるいはムバーラク陣営はここにきて、ムハンマド・エルバラダイ氏の娘を引き合いに出し、非難キャンペーンを展開し始めた。それは、彼女の水着姿の写真を、公表することだった。
 現物を見ていないので、何とも確かなことは言えないのだが、多分、セパレート型のものであろう(ビキニ?)。それを身に着けて、人前に出るということは、イスラム教の世界では、恥ずべき行為ということになるのだ。
 加えて、彼女が開いた(参加した?)パーテイでは、アルコールが供された、ということも暴露された。(彼女はほとんどの人生を、外国で過ごしてきていることから、水着姿もアルコールにも、何の抵抗もなかったものと思われる。しかし、ムハンマド・エルバラダイ氏はムスリムであることから、自分の子供にイスラム教育をしていなかった、と責められることになるのだ。)
 この情報はムハンマド・エルバラダイ氏にとって、極めて不利なものになるのではないか。そして、彼を支持する側にとっても、不利な材料として働こう。ムハンマド・エルバラダイ氏を、強く推している組織は、ムスリム同胞団であり、彼の娘の水着姿やアルコールの出るパーテイへの参加は、ムスリム同胞団にとって、決して認められるものではなかろう。
 あるいは、今回のこのスキャンダル情報は、そのあたりを狙って、反政府側を分断する、考えに基づいたものかもしれない。もしそうであるとすれば、なかなか巧妙な作戦ではないか。


投稿者: 佐々木良昭 日時: 14:25 | パーマリンク

2010年09月03日

NO・1752「サウジアラビアのモスクに銃撃」

9月1日、サウジアラビアの首都リヤドで、起こってはならないことが起こった。それは、モスクで礼拝中のイマーム(礼拝の主導をする人)と、ムアッジン(礼拝の呼びかけのアザーンをする人)、そして偶然であろうが、その礼拝に参加していた人に向けて、銃撃を加えるテロリストが現れたのだ。
 銃撃を加えたテロリストの数は3人で、犯行後現場からトヨタのカムリで逃走したということだ。そのことは事前に犯行が、十分に準備されたものだということであろう。
 サウジアラビアの警察の調べでは、あくまでも個人的ないさかいが原因だとし、大きな問題ではないと説明しているがそうであろうか。
 サウジアラビアは自他共に認める、イスラム教の総本山の国、国民は信仰深く、穏やかな性格の人たちが多い。
 今回の襲撃は銃を持って行い、しかもモスクに対して、そのイマームとムアッジンと、礼拝者に対して発砲されている。モスクの名はアミール・スルタン・モスクだったことも、何らかの意味を有しているのであろうか。スルタンはサウジアラビアの王族、国防相の名前だからだ。
 起こるはずのない、しかもモスクでの銃撃テロは、やはり単なる個人的な問題では、ないのではないか。その事件の裏には、もっと大きな理由があるように、思えてならない。
そこで、あくまでも推測だが、この事件に裏があるとすれば、どのようなことが考えられるだろうか。
第一に考えられるのは、イランとサウジアラビアとの関係であり、サウジアラビアがアメリカイスラエルが考えている、イラン攻撃について、積極的にこれに協力する姿勢を、採っていることに対する、警告ではないか。
第二に考えられるのは、イランとは関係なしに、サウジアラビアのシーア派国民が行ったのではないか。サウジアラビアでは、シーア派国民は二級市民として、差別されているからだ。
第三に考えられるのは、イエメンだ。このところ、サウジアラビアとイエメンとの関係は、悪化の一途をたどってきている。イエメン政府の判断によれば、サウジアラビア政府はイエメン南部の分離派に対して、武器、資金、訓練を、与えているということだ。加えて、サウジアラビアと隣接する、イエメン北部のアルホウシ部族が、イエメン政府と武力衝突した時も、サウジアラビアはこのアルホウシ部族を支援していた。
 リヤドのモスクで起こった事件が、サウジアラビア警察が説明したように、個人的なトラブルの結果であることを祈ろう。イエメンとサウジアラビア、あるいはイランとサウジアラビアの衝突では、ことは簡単には収まらないからだ。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 15:18 | パーマリンク

2010年09月02日

NO・1751「ブレア元首相の著書がイラク戦争の秘密を明かす」

 イギリスのブレア元首相が、自著の本を出版した。タイトルはジャーニー(旅路)とでも訳すのだろうか、彼のこれまでの行動を、記録に留めた本のようだ。この本は736ページからなる、まさに大著だということだ。
そのなかで、ブレア元首相は13章から22章まで、合計約110ページを、アメリカのタカ派について、書いているということだ。述べるまでも無く、アメリカのタカ派とは、デイック・チェイニー氏と、ネオコンのことであろう。
ブレア元首相の本によれば、デイック・チェイニー氏は、サダム体制の打倒を、早い段階から考えていたようだ。それは、1998年ごろ、つまりクリントン氏が大統領の時代から、始まっていたようだ。
そして、デイック・チェインー氏は、単にサダム体制を倒すばかりではなく、世界そのものを変えようと、思っていたということだ。彼の計画では、イラクのサダム体制ばかりではなく、シリアのアサド体制、イランのイスラム体制に加え、レバノンのヘズブラやパレスチナのハマースも、打倒すべき敵と、捉えていたということだ。
この本の話は、アラビア語のアル・ハヤート紙で紹介されたものだが、どうやら、アメリカはそれほど早急に、サダム体制を打倒する気では、なかったようだが、ブレア氏の働きかけで、サダム体制打倒が早まった、ということのようだ。
ブッシュ・シニアが湾岸戦争の開始を、躊躇しているときに、尻を叩いてけしかけたのは、サッチャー元首相だといわれていたが、ブレア氏もサッチャー人気に、あやかりたいのであろうか。
この本の内容について知りたい人は、英語版か、多分近日中に、日本語版が出ることであろうから、それを読むべきであろう。ただし、イギリス人は常にある種の計算をして、行動するということを、念頭に入れて読まないと、大きな勘違いを、してしまう可能性があろう。
外国、なかでもイギリスは国ごと戦略的であり、その国の首相を務める人物は、当然戦略家である。そうであるとすれば、彼らの発言や著書は、しかるべき効果を狙って、発表されるということだ。
残念ながら、いまの日本人には本を疑って読む、という習慣と能力は、皆無に等しいのではないだろうか。活字は信頼に値する、と幼児から刷り込まれているために、起こっている現象であろう。
そう考えると、本を読むことを、安易に進められない、ということであろうか。いずれにしろ、736ページということは、日本語版が正確に訳さていれば、800ページを優に超えるのではないか。それをじっくり、考えながら読みきるのは、容易ではあるまい。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 23:20 | パーマリンク

NO・1750「ブレア元首相のイラン攻撃擁護論」

 イギリスのブレア元首相が、イランに対する軍事攻撃を、容認する発言を行った。容認発言というよりは、直截的に言うならば「攻撃すべし」という、内容になっている。
 ブレア元首相はイランが核兵器開発を進めており、このままで推移していけば、イランは核兵器を持つことになるから、極めて危険だというのだ。そしてその危険は、アメリカやイギリスというよりも、まず周辺のアラブ諸国にとって、第一番目に危険なものとなることを、警告している。
 この発言がなされたのは、あるいはクウエイトのシェイク・ジャーベル、ムバーラク国防相の発言に、怒りを感じてなされたものかもしれない。シェイク・ジャーベル、ムバーラク国防相はイラン攻撃で、クウエイトはイラン攻撃の、ランチ・パッドにはならない、と発言しているのだ。
 ブレア元首相にしてみれば、アメリカやイギリスがこれまで、膨大な費用とちの犠牲を払って、イラクやアフガニスタンを攻撃し、今、イランとの緊張関係にあるのは、自国の防衛よりも、湾岸諸国の防衛のためなのだ、ということになるようだ。
 ブレア元首相は、イランが核兵器を所有することになれば、それはイスラム・テロを力づけ、周辺の王制諸国は軒並みに、体制を崩壊されてしまう、ということであろう。
 しかし、イランと隣接するクウエイトにしてみれば、自国内にアメリカ軍の基地を抱えており、もし、イランとの戦争が始まり、クウエイト内の基地を使用されれば、第一番に攻撃される、危険にさらされているのは、自国だという恐怖感があるのだろう。
そうしたクウエイトの不安に、まさに喝を入れたが、ブレア元首相の今回の発言であろう。確かに、イランが核兵器を開発しても、それをアメリカやイギリスまで飛ばすには、まだまだ時間がかかるだろう。
 しかし、核兵器を所有したということで、イランが元気を増せば、イランの支援するレバノンのヘズブラや、パレスチナのハマース、そして、湾岸諸国の二等市民扱いを受け続けてきたシーア派国民が、立ち上がる危険性は、多分にあろう。
 ブレア元首相はそのことを、クウエイトのシェイク・ジャーベル、ムバーラク国防相の発言が出たところで強調し、湾岸諸国全部に対し、アメリアとイギリスの対イラン政策に、黙って従え、と言いたいのであろう。
 湾岸諸国ではいま、イランの勢力が増し、シーア派の動きが、活発化していることは確かだし、アルカーイダ(?)の危険性も、すぐそこまで迫っている。湾岸諸国は、ブレア元首相の言うように、アメリカ・イギリスの対イラン政策に追従するのが得策か、あるいは独自の外交を展開すべきなのか、選択は正念場を迎えているということであろう。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 15:13 | パーマリンク

2010年09月01日

NO・1749 「イスラエルのインテリ集団入植地での活動拒否」

 イスラエルの150人の学者が、西岸地区の非合法入植地での講演など、アカデミックな活動を、拒否することを宣言した。これは、昨今のイスラエルの国際的孤立のなかでは、起こるべくして起こってきた動きであろう。
 これに先立ち、芸術家タレントなどの、53人からなる集団も、入植地での活動を、拒否することを宣言している。この場合は、アリエル市での催し物を、拒否したことに端を発している。
 こうした動きは、あるいはネタニヤフ首相とマハムード・アッバース議長とが、アメリカのオバマ大統領によって、強引な和平のための、直接交渉を飲まされたことと、関連しているのではないか。
 なぜならば、マハムード・アッバース議長はこの直接交渉の成否は、イスラエル側が、入植地建設を凍結するか否かにかかっている、と言っているからだ。確かに、和平の交渉をしていると同時期に、非合法の入植活動がイスラエル人によって、西岸地区で進められたのでは、マハムード・アッバース議長はパレスチナ人に対して、会議参加の正当性を説明できなくなろう。
すでに会議の始まる以前から、パレスチナの著名人の多数が、直接交渉に参加することに反対していたし、パレスチナ各組織も反対していた。この直接会議なるものが、何の成果も生まないだろうというのがその理由だが、アラブ連盟のアムル・ムーサ事務総長は、会議開催前の段階で、会議開催の意味がない、成果はない、と言い切っている。
 イスラエルのインテリや芸術家たちが、今回入植地での活動を拒否したことは、一見、イスラエル人の譲歩、妥協のように見えるが、そればかりではあるまい。イスラエルが妥協しそうだという雰囲気を世界に伝え、交渉を結果的には支えることになる、可能性があるからだ。
 もう一つ考えられることは、イランや強硬派アラブが主張するように、イスラエルの頑迷な、パレスチナ問題への対応は、結果的にイスラエルの破滅につながる、という不安によるのではないか。世界、なかでもヨーロッパ諸国では、露骨なまでのイスラエル批判が、最近になって広がってきているからだ。
 今回、入植地での活動を拒否したインテリのなかには、イスラエルは1967年のラインにまで撤退すべきだ、という意見もあるが、既に入植者の数は50万人を超え、100以上の入植地がある状態では、なかなかそうもいくまい。
 いずれが真意かは別に、イスラエル国民の間から、行き過ぎたイスラエル国民と、政府のパレスチナに対する浸食に、抗議の声と行動が起こったことは、評価すべきであろう。「奢れる者は久しからず」という言葉は、洋の東西を問うまい。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 15:33 | パーマリンク

 
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