« NO・2231「オリバー・ストーン監督の子息イスラム教に入信」 | メイン | NO・2233「ムスリム同胞団は大統領にA・ムーサ氏を推す」 »

NO・2232「カダフィの深謀遠慮と言っては褒めすぎか」

 カダフィ大佐は『国民は誰もが家を持つ権利があり、車を持つ権利があり、銃器を持つ権利がある』と語っていた。そのため、大量の軽火器が輸入され、リビア国民はその使い方を訓練され、誰もが機関銃や拳銃を、入手できる状況にあった。
 リビア各地には武器庫が建設され、そこには大量かつ多種類の武器が格納されてあった。それらの武器が今回の革命騒ぎの中で大活躍し、ついにはカダフィ大佐の命を、奪うに至ったのだ。
 しかし、話はこれで終わりではない。この革命を機会に武器を手にした男たちは、銃口から飛び出す弾丸の音と、硝煙に中毒になったのであろうか。革命が達成された今も、だれも銃器を手放そうとは考えない。
 誰もが明日への不安から、自分と家族を守るために、重火器を持ち続けているのだ。街中にはこの重火器を車に積んだ若者たちが、我が物顔で走り回っている。まさに傍若無人の様相だ。
 カダフィ大佐の息子の一人サアーデイ・カダフィ氏は、はこうしたリビアの混乱を見てか、最近、反革命の動きを起こすと宣言し、リビア国内には多くのカダフィ支持者がいると語り、臨時政府(NTC)内部にも、仲間がいると語っている。
 以前に、カダフィの隠し財宝の話を書いたが、それは二男のサイフルイスラーム氏が知っているとされ、カダフィ大佐の住居バーブ・アジージーヤ内を、探し回ったという情報が流れた。
 そこばかりではあるまい。NATOと反カダフィ革命に対し、長期戦を考えていたカダフィ大佐は、リビア各地に資金と武器を隠匿しているのであろう。それが今後、次第に独自の意思を持ち始め、リビアの内政を動かしていくかもしれない。いまサイフィルイスラーム氏を捉えている、ジンタンの部族は、場合によっては、サアーデイ・カダフィ氏の反政府蜂起に、加わるかもしれない。
 臨時政府は国内の安定化、選挙の実施と、西側先進国が描く計画に沿って、リビアを改善していきたいと考えているようだが、実際にはそうスムーズには行くまい。
 それどころか、リビアはこれから、2転3転するのではないかと思われる。リビア国民の生活は、日に日に苦しくなっているようでもあり、社会は不安定の度を増しているようだ。
リビアよりは民度の数段高いエジプトでも、最近になって『ムシュファーヘムハーガハーリス』つまり『何がどうなっているのかさっぱり分からない』という言葉がはやっているそうだ。『革命は一体何だったのか?』と誰もが思う昨今であろう。

投稿者: 佐々木良昭 日時: 2012年02月17日 14:01 | パーマリンク

 

プロフィール

プロフィール写真

佐々木良昭

東京財団 主任研究員

プロフィール詳細

最近のエントリー

検索


カテゴリー

アーカイブ

 

 
利用条件プライバシーポリシー
東京財団とはトピックス研究員紹介奨学事業研究事業イベント情報公募・お知らせお問い合わせ
copyright(c)2006TheTokyoFoundation, The Tokyo Foundation bears no responsibility for information derived from links to remote sources.