自分を見つめ成長させるチャンス ~東京財団アキュメンファンド・グローバルフェローズプログラム(AFGFP)参加者募集!~

 東京財団は、米国の非営利団体アキュメンファンドと協力し、社会起業家を育てる12カ月の研修(アキュメンファンド・グローバルフェローズプログラム)に日本から研修者を派遣しています。米国における2カ月のリーダーシップ研修の後、開発途上国のソーシャルベンチャーに派遣され、現地の人々の声に耳を傾けながら共にビジネスをつくりあげていきます。これほど長期にわたり現場で鍛えられる研修は他に類を見ないものです。日本からは、2009年度から毎年1名ずつ、これまでに3名を送り出しました。修了者はこの研修を生かし、それぞれ社会起業家として活躍します。

現在、2012年9月から始まる研修の参加者を募集中です。 このプログラムは、応募を思い立った時点から研修プロセスが始まります。自分を見つめ成長させるチャンスです。あなたもこの機会を生かしてみませんか。参考にしていただくため、昨年の選考プロセスをご紹介します。

*参加者公募の詳細はこちら 
東京財団アキュメンファンド・グローバルフェローズプログラム(AFGFP)とは

藤田さんを迎えた報告会・説明会の様子(動画)はこちら

自分を見つめ成長させるチャンス


4月末の夜遅く、井上さんからメールが届いた。
「たった今、フェローに選ばれたって連絡がありました。ずっと夢見てた瞬間がついにやってきたという感じ。とっても嬉しい!」文面から、彼女の喜びと興奮が伝わってくる。

このプログラムを担当している私も、万感の思いがこみ上げてきた。ここまでの道のりは決して簡単ではなく、夢に向かって挑戦し成長してきた彼女を見てきたから。

顔の見えない「面接」


昨年10月。東京財団でプログラム説明会を開催。その模様をウェブで見て応募してきたのが井上さんだった。当時はコスタリカの大学院で勉強中。第一次審査に合格し、面接はカメラつきSkypeで実施。時差の関係で、彼女は朝4時からのスタンバイしていた。しかも通信回線が遅く、カメラは途中で断念。エコーのかかる声だけが頼りのインタビューだった。それでも、「貧しい国や家庭に生まれた子どもも夢が実現できる世の中にしたい」「途上国の人々の声に耳を傾けたい」という一途な思いは痛いほど伝わってきた。

面接の結果、井上さん含め2名をアキュメンへ推薦することになった。しかしフェローへの道には、乗り越えなければならない壁がまだまだたくさんある。毎年世界中から600名もの若者が応募する超難関のプログラム。それを数十名に絞り、最終審査が行われる。井上さんはその審査に合格しなければならない。私たちから励ましやアドバイスは送れるが、最後は井上さんの頑張りにかかっている。

緊張のアキュメン最終審査



2月。真冬のNY。最終審査には、ビジネスを通じた社会貢献めざして、欧米の有名ビジネススクール卒業生や、多国籍企業勤務経験者が多く集まる。午前はビジネススキルに的を絞ったグループ面接。午後は個別面接だ。

「あなたの今までの人生で、一番大きな失敗について話してください」「あなたの成功を妨げているものがあるとしたら、それは何でしょう?」そんな質問に、応募者は自分自身の過去や現在と向き合わざるを得なくなる。たまらず泣き出してしまう人が続出した。

井上さんは、流暢さはないが落ち着いたしっかりした言葉で受け答えしていた。彼女の真摯さと情熱は十分伝わったはずだ。しかしことはそう簡単には運ばなかった。ほとんどの応募者は英語でマシンガンのようにトークを繰り広げる。それに比べたら、井上さんの話はやや幼稚に聞こえた。
「あんな英語でちゃんとビジネスがやっていけるかしら。心配だわ。」
そんな声が審査員の一部からあがった。

英語力と体力を鍛えよ!


井上さんは最終審査で、同じような志を持つ多くの若者と出会った。「それだけでもすばらしい経験だった」と彼女は言うが、これによってプログラム参加への思いがますます強くなったことも確かである。また、自分自身を深く見つめなおすことにもなった。

その後アキュメンから私に、井上さんの英語力アップの要請があった。それに応えるため、彼女は涙ぐましい努力をした。当時大学院のプログラムの一環で、フィリピンでインターンをしていた彼女は、英語のレッスンを受けるのに加え、日本人の友人にも英語で話しかけてもらうよう頼み込んだ。インターン先も英語オンリーのところを選んだ。枕元にビジネス英語の教科書を置き、その日話した英語を正しい表現に訂正して頭に叩き込んでから眠りについた。私とのメールのやりとりも、すべて英語にした。

私はそれに加え、「途上国で働きたいと思ったら体を鍛えよ」と厳命した。アキュメンに推薦したもう一人の日本人が、体調不良のため直前に最終審査を断念したからだ。井上さんは忙しいスケジュールの合間を縫って、昔やっていたジョギングを再開した。

そんな努力が実を結び始めた4月末、アキュメンから合格の知らせが届いた。冒頭のメールも、もちろん原文は英語である。

新たなステップ

 

9月末、井上さんはプログラム開始に合わせてNYに旅立った。はじめて会ったときふっくらしていたのに、ジョギングで引き締まった体に変身していた。出発直前にくれた英語のメールは、かっちりした文体と知性を感じさせる言葉遣いに変わっていた。10カ月の実地研修はケニアのナイロビ。東京財団からのフェロー3人目として、思う存分力を発揮してくれることだろう。

そしてこの3人に続くフェローの公募がはじまる。この機会を、自分を成長させるチャンスととらえてほしい。最後まで到達するのはたった1人。でもそこに至る過程で、たくさんの人たちと出会い、大切なものをつかんでもらえると信じている。

だからまず、東京財団の説明会に足を運んでほしい。その一歩が、あなたの人生を変えるかもしれないから。        

〔人材育成 プログラムオフィサー 鈴木真理〕

写真:2011-2012アキュメンファンド・グローバルフェローたち。右から2人目が井上さん。




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