タイプ
その他
日付
2008/5/20

『問題の樹形図』を作成するワークショップを受講して(福岡市 今村寛)

福岡県福岡市 総務局 今村寛

5月10日に5期生を対象としたワークショップが行われました。4月第1週のスタートアッププログラムで私たちは、今回の研修で各自が取り組むプロジェクトテーマにおいて自らの自治体が直面している課題(Core Problem)を見つけ出すために、問題の樹形図(Problem Tree)を作成しました。その後の1か月間で、早稲田大学大学院公共経営研究科での講義やコンパクトセミナーなどを通じて得られた知識や視点等を生かしながら各自でプロジェクトに検討を加え、現時点での問題の樹形図について改めて発表し、プロジェクト検討の進捗状況や今後の改善点を確認する、というのが今回のワークショップ開催の目的です。

私は4月の段階では「職員が自発的に行財政改革に取り組める仕組みづくり」というプロジェクトテーマを掲げていましたが、「何をしようとしているのかイメージがつかめない」という意見を頂いていたので、テーマ設定の狙いやプロジェクトの具体的な内容を理解してもらうため、福岡市で導入している枠配分予算制度の目的、効果、課題を説明したうえで、その制度改善が必要というプレゼンテーションを行いました。

ワークショップ配布資料(福岡市 今村寛)

枠予算配分制度は、事業部門が自発的に事業の選択と集中に取り組むことを期待して導入されましたが、ここ数年の間は、全ての事業を薄く広く縮減するにとどまり、抜本的な事業の廃止・縮減等の見直しにはなかなか手がつけられていない状況です。また、ここ数年の厳しい財政状況の中で事業部門の創意工夫が可能な規模の財源配分が困難な状況が続いており、そういった環境下では、改革を「やらされている」という感覚が職員に芽生えてしまうのではないか、ということが危惧されます。改革が実効性あるものとして継続されるには職員一人ひとりの自発的な改革意欲を促す必要があり、そのためには現行の制度を補完する新たな仕組みが必要だ、というのが私のプレゼンテーションの内容です。

発表後に会場からは、4月のスタートアッププログラム時にも指摘された「市民との関わりが見えない」という点が改善されていない、という意見をいただきました。

枠配分予算制度そのものは直接、市民生活にインパクトを与えるものではありませんが、制度の適切な運用が局区の自律経営を促進し、ひいては市民福祉の向上につながる、ということがうまく伝えられませんでした。市役所内部の仕事のやり方を変えることが市民の生活にどう影響を与えるのか、もっと市民からの目線で捉え、わかりやすく説明しなければいけない、と感じました。


また、問題について深く知りすぎていて逆に客観視できなくなっている、との指摘もいただきました。かつて在籍した職場での仕事のやり方の改善提案であるため、細かいことがわかる半面、その外側にいる市民が見えなくなっている、ということでしょう。今の立ち位置からもっと離れた視点で俯瞰的に物事を眺めるよう心がけ、問題のありかをもう一度再確認したいと思いました。

ワークショップ全体を通しての感想ですが、発表や質疑の内容から、1か月前に比べそれぞれの研修生がいろんな刺激を受け成長していることがうかがえました。また、研修生同士の意見もさることながら、このワークショップには、土曜日の午後というオフタイムにもかかわらず、過去にこの研修を受講した自治体職員の先輩(今回は7名)にもお越しいただき、価値あるご意見をたくさんいただきました。志の高い自治体職員同士が切磋琢磨し、お互いに高めあっていく場というのはなかなか得られるものではない貴重な環境であり、この研修に参加したことでそういった場が与えられて成長できることを非常にうれしく感じています。これからの研修を通じ、自分自身がさらに成長できるよう、また、プロジェクトについてもより精度を高めていけるよう、日々研鑽に努めたいと思います。