タイプ
その他
日付
2016/7/29

クイーンズランド大学モリス・ロウ准教授が来訪

東京財団が運営する、日本語教育基金(Nippon Foundation Fund for Japanese Language Education Program: NF-JLEP)では、海外の日本語教育の推進を目的として、6か国の8大学に基金が寄贈されています。オーストラリアでは、ブリスベンにあるクイーンズランド大学を含む3大学に基金が設置されています。その基金を活用して、クイーンズランド大学ではグリフィス大学と共同で、小中高校の日本語教師のワークショップやセミナー参加の支援を中心に、その他、日本研究を行う大学院生対象の奨学金や、大学研究者向けの来日研究や学会発表のための奨励金を提供する事業を実施しています。

 

この度、NF-JLEPから支援を受け、クイーンズランド大学で日本史の准教授を務めるモリス・ロウ先生(Morris Low)が、研究のための資料収集を目的とし、来日しました。限られた滞在期間にもかかわらず、7月11日に東京財団を来訪し、自身の研究について話してくださいました。 

ロウ先生は、現在、「1956年のメルボルンオリンピックにおける日本(Japan at the 1956 Melbourne Olympics)」をテーマに、日豪関係の研究を行っています。1956年に開催された夏季オリンピックメルボルン大会で、体操競技日本代表の小野喬選手は、個人総合で優勝するなど、5つのメダルを獲得しました。当時は大戦後の日本占領が解かれて間もなく、オーストラリアを含め、世界各国の日本に対するイメージは否定的なものでした。しかし、小野選手をはじめとする日本人選手の活躍は、日本の美しさや強さ、そして平和を象徴するものとして捉えられました。また、高度経済成長期の日本の戦後復興への自信を映すものとも考えられました。

このメルボルン大会が、日豪関係のひとつの転換期であるとし、日本人選手のメルボルンオリンピックへの参加がその後の日豪関係にどのような影響を与えたのか、ロウ先生は、日本とオーストラリアの両者の視点から分析を行っています。日本滞在中は、主に国会図書館で研究に関する資料収集を行いました。

 

この研究内容は、クイーンズランド大学の日本語プログラム50周年を祝って11月に開催される、「オーストラリアにおける日本(Japan in Australia)」という会議で発表されます。当財団ホームページでも要旨を掲載する予定です。4年後に東京オリンピックをひかえ、オリンピックを題材とした文化研究には、より一層の関心が寄せられるでしょう。NF-JLEPでは、ロウ先生が今後も日本とオーストラリアの良好な関係を担う架け橋として、さらにご活躍されることを期待しています。