タイプ
レポート
日付
2007/12/6

奨学事業レポート「SYLFFフェロー協議会:社会貢献活動の促進を目指したイニシアチブ」

奨学事業部が運営するSYLFFプログラムでは、世界中のSYLFFフェローの代表9名から構成される「SYLFFフェロー協議会」(SYLFF Fellows Council)の活動をサポートしています。今年度世界三地域で開催された「奨学生国際フォーラム」(SYLFF Regional Forums)には、テーマ設定やプログラム立案等に初期段階から携わり、SYLFFフェローの社会貢献活動の促進を目指したワークショップを実施しました。今週の奨学事業レポートでは、協議会の活躍の模様をお伝えいたします。



世界各地から集結した9名のSYLFFフェローから構成される「SYLFFフェロー協議会(SYLFF Fellows Council)」は、大学院生もしくは若手研究者であるSYLFFフェローの意見を代弁し、SYLFFフェローと東京財団とをつなぐパイプの役割を果たしています。その主な目的は、SYLFF奨学生間のネットワーク形成・強化で、これまでに、各出身地域のSYLFFフェローやSYLFF校毎の同窓会組織と連絡を取り合ったり、奨学事業部と連携して奨学生対象のデータベースの開発に携わったりしてきました。

同協議会は2003年に設立され、2005~2007年の第二期協議会では、多様な専攻分野を持つSYLFFフェローたちのネットワークの柱を社会貢献活動に据え、『Network And Program for Social Action: NAPSA』というツールキットを開発しました。このNAPSAツールキットは、将来を担うリーダーとしての資質を見込まれてSYLFF奨学金を授与されたSYLFFフェローが、大学院で培った知識やスキルを還元すべく社会に目を向け、実際に社会貢献活動に従事し、そのネットワークを広げていくことを奨励するためのものです。

今年度世界三地域で開催された「奨学生国際フォーラム(SYLFF Regional Forums)」では、このツールキットを用いて協議会がトレーニング・ワークショップを主催しました。ワークショップでは、まず、なぜ社会貢献活動が必要なのか、なぜ自分が関わる必要があるのか、実際の活動ではどのような障害や留意点があるのかといったことを考察しました。この際取り入れられたのが、Structured Learning Experience: SLEという手法です。これは、教育現場においても体験・経験に基づく学習が最も効果的であるという心理学的見地に基づき、ケース・スタディやグループ・ワーク、ロール・プレイングなどを体系的に学習過程に盛り込む手法です。例えば、SYLFFフェローとしての共通認識やコミュニティーへの所属意識について考察するため、川と土地を模した用紙に自由に絵を描き、各々の川と土地をどのように開発・利用しようとしているのか、また他人の所有する土地との関連性はどのような意味を持っているのかということを議論する、というような活動です。

このような活動を行った後にフォーラム参加者が携わったのが、ホスト校の所属する地域社会におけるボランティア活動です。南北アメリカ国際フォーラム(ホスト校:タフツ大学フレッチャー法律・外交大学院/米国)の参加者は、Cradles to Crayons:C2C(ゆりかごからクレヨンまで)というボストン郊外を活動拠点とする草の根NGOにてボランティア活動に従事しました。このNGOは、嬰児~小学生低学年の年齢層の恵まれない子供達を対象に、この時期の子供達に必要な物資を提供しており、参加者は、寄付された物資の仕分けやおもちゃの点検、子供達に送る物資のパッキング等を行ないました。休憩時間には、同組織の創設者が現れ、C2Cにはどのような物資や設備が不足しているか、C2Cの活動はどのようなインパクトや他地域・他分野への応用性があるか、といった点を直接議論する時間を持つことが出来ました。参加者の多くからは、会議室での議論だけではなく、社会貢献活動を行なう現場に実際に赴き、体を動かして活動に参加することによって、自身の属する地域社会にむけた貢献活動へのヒントやモチベーションを得ることが出来たという感想が挙げられました。これは、SYLFFフェロー協議会が、トレーニング・ワークショップとボランティア活動を組み合わせて行うことによって期待していた効果でもありました。

ジャダプール大学(インド)で開催されたアジア・太平洋国際フォーラムでは、3ヶ所のサイトにおいてボランティア活動が行われました。次週の奨学事業レポートでは、この模様をお伝えいたします。

(文責:石川絵里子)