タイプ
レポート
日付
2008/1/24

奨学事業レポート「持続可能なごみ処理の制度化:ジャカルタとジャワ西部で環境認識の向上を目指す」

奨学事業部が運営するSYLFFプログラムでは、「協働プロジェクト支援制度 (SYLFF Joint Initiatives Program: JIP) により、SYLFFフェローの社会貢献活動を支援しています。今週の奨学レポートでは、インドネシアのSYLFFフェローによるプロジェクト「持続可能なごみ処理の制度化:ジャカルタ、ジャワ西部における環境意識の向上を目指して」 をご紹介します。



「持続可能なごみ処理の制度化:ジャカルタ、ジャワ西部における環境意識の向上を目指して」

プロジェクト・リーダー: サロジーニ・イムラン、チトラ・ワードハニ (インドネシア大学)

このプロジェクトは2006年に立ち上げられ、 1年目はジャカルタのマンガライ(Manggarai 人口約3,200人)地区で活動が始まった。マンガライ地区では行政がごみ処理を行わないため、住民の多くがごみを川に廃棄していたが、このプロジェクトでは、コミュニティーの住民がごみ処理の問題を認識・改善し、住民を取り巻く環境が改善されることを目指した。持続可能なごみ処理方法の制度化へ向けて、現地の関係者にも働きかけた。2年目は、ジャカルタ市とデポック市でのワークショップや、ラジオ、ウェブサイトなどのメディアを通じて活動の幅を広げ、よい多くの人々の参加がごみ処理活動に参加するように呼びかけている。また、ごみの堆肥化や廃棄物の再利用によりごみを減らすことを目指し、持続可能なごみ処理活動に取り組んでいる。

コミュニティー一体となっての活動


プロジェクト2年目は、より多くの関係者にごみ処理活動の協力を求め、活動の幅を広げている。コミュニティーの住民が自主的に活動することを目指し、プロジェクトメンバーが活動地域の住民を定期的に訪問し支援している。4R (Reduce, Reuse, Recycle, Replant) の原則を紹介し、ごみの削減、再利用、リサイクルに対する人々の意識向上にも取り組んでいる。植物の植え替え(Replant)プログラムでは、缶やボトルを植木鉢として再利用し、有機性廃棄物(発酵性のごみ)を堆肥として利用する方法をマンガライの住民に指導している。このようにごみ処理による衛生面の向上にとどまらず、人々の生活区域に緑を増やすなど環境面の向上にも取り組んでいる。

マンガライのコミュニティーでは、資源を再利用して新聞や紙でランプや置物等の工芸品を作ることにより、現金収入も得られるようになった。これらの活動を広げるため、マンガライのコミュニティーメンバーが他のコミュニティーを訪問し、新聞等の再利用による手工品の作り方を教えている。

政府や現地関係者への呼びかけ


ジャカルタとデポックで行ったワークショップでは、政府関係者、現地住民、大学教授、研究者、NGO関係者等様々なバックグランドの人々が参加した。プロジェクトのメンバーは、政府関係者に対して、環境・ごみ問題の認識を深め、制度を見直すなどの協力を呼びかけた。参加者はいくつかのグループに分かれ、ごみ処理の条例制定、社会活動と市民参加、予算管理、教育活動等について議論した。最後に全体のセッションでそれぞれのグループが議論の内容を報告することにより、参加者全員が様々な問題への理解を深めた後、今後の活動計画を立てた。また、参加者は、日常生活から出るごみの分別方法についても学んだ。



※本文は、執筆者の了解のもと、プロジェクト・チームから提出されたレポートから抜粋して活動を報告したものです。

(文責:椎名麻紀)