東京財団メールマガジン

Vol.427【介護報酬の複雑化から見える問題点】

_____________________________2013/04/25

―――――――― 【東京財団メールマガジン Vol.427】 ――――――――
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[1] トピックス
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■┓ 論考「出来高払いの弊害を考える
┃┃    ~介護報酬の複雑化から見える問題点~」
┃┃  三原岳 東京財団研究員兼政策プロデューサー
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医療・介護の報酬制度は病院や診療所、介護事業所に対し、治療・ケア行為
ごとに報酬を支払う出来高払い制度を採用しています。

これに対し、東京財団は昨年10月に公表した政策提言「医療・介護制度改革
の基本的な考え方」では、責任を持って患者のケアを請け負うため、管理料
スタイルの包括払いへの転換を提唱しました。

では、出来高払い制度は何をもたらしているのでしょうか。創設から14年目
を迎えた介護保険制度の報酬が複雑化した歩みと弊害を見ることで、診療・
介護報酬体系の見直しを訴える論考を三原研究員が執筆しました。

               ◇-◇-◇

メニュー表を開くと、約400ページ。焼鳥の産地だけでなく、味付けやタレ
の種類・量、串に刺さっている鳥肉の数、従業員の人数・保有資格、一緒に
注文した酒・食事の量や種類、調理方法などで単価が全て異なる。しかも、
不思議なことに入店した時間や滞在時間、店の定員・構造・出店場所も単価
に反映されており、メニュー表に乗っている単価は約2万件に及ぶ。

もしこんな焼鳥屋に入ったら、どうするだろうか。膨大なメニュー表を見る
のが面倒だし、後から値段もチェックできないので、結局は「お任せセッ
ト」「串盛り」を頼んでしまうのではないか。

その一方で、注文を受けた店はニーズに柔軟に対応できず、全てマニュアル
を確認しなければならない。マニュアルで細部まで定められており、少しで
も反すると後から本店の査察で責め立てられるためである。そんな中、従業
員は思考停止に陥り、客と従業員の双方が不満を抱えたまま、店の評判が落
ちて行く―。

介護保険制度の現状を皮肉交じりに形容すれば、こんな姿ではないか。自己
選択と地方分権を掲げた介護保険制度が創設されて14年目。相次ぐサービス
の新設と加算減算措置の追加を通じて、サービスの単価を示す「サービスコ
ード表」は人智を超えるぐらいに膨れ上がっており、当初の目的とかけ離れ
た状況になっている。


▼ 本文はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1134
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▼ 政策提言「医療・介護制度改革の基本的な考え方」はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/files/pdf/lib/60.pdf
▼「医療・介護・社会保障制度の将来設計」プロジェクトとは?
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/project.php?id=73
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[2] イベント案内
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■┓ 医療・介護制度改革を考える連続フォーラム <第1回>
┃┃ 「たらい回しの起きにくい良質なサービス体制に向けて」
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医療・介護は、ほとんど全員の国民に関係する領域であり、その基盤である
連帯は国民自身が作り上げる必要があります。このため、医療・介護の制度
改革に関して、国民が単なる受益者や傍観者ではなく、当事者や納税者の意
識を持って議論に参加し、合意を形成して行く必要があります。

そこで、東京財団は非営利・独立の立場を生かし、医療・介護改革について
オープンな立場で関係者が議論する場として、連続フォーラムを開催するこ
とにしました。

連続フォーラムでは、サービス供給体制や報酬制度、保険制度などのテーマ
について、厚生労働省が掲げる「地域包括ケア構想」(在宅を中心に生活圏
内で医療・介護サービスを切れ目なく提供するシステム)の課題や足りない
視点を浮き彫りにしつつ、あるべき方向性を模索します。

第1回は「たらい回しの起きにくい良質なサービス体制に向けて」と銘打っ
て、東京都多摩市を中心に医療・介護サービスを複合的に展開する医療法人
財団「天翁会」理事長の天本宏さん、高齢化の進んだ新宿戸山ハイツで高齢
者の健康相談を受け付ける「暮らしの保健室」を設置した秋山正子さん、英
国で家庭医専門資格を取得した澤憲明さんを招き、「地域におけるプライマ
リケアをどう具体化するか」「プライマリケアの責任主体をどう作っていく
べきか」といった点を議論します。

お誘い合わせのうえ、ご参加ください。


【日時】2013年5月15日(水) 14:00~16:00(受付13:30~)

【会場】日本財団ビル2階 会議室(港区赤坂1-2-2)

【テーマ】「たらい回しの起きにくい良質なサービス体制に向けて」

【スピーカー】
 天本宏(医療法人財団天翁会理事長)
 秋山正子(暮らしの保健室長、ケアーズ白十字訪問看護ステーション代表
      取締役)
澤憲明(英国家庭医療専門医)

【モデレーター】
 三原岳(東京財団研究員兼政策プロデューサー)

【参加費】無料


▼ お申し込みはこちら
 http://www.tkfd.or.jp/event/detail.php?id=200
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[3] メディア掲載情報
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■┓【『アジ研ワールド・トレンド』4月号】
┃┃ 「転換期のロシア天然ガス外交と
┃┃   3・11後の日露エネルギー協力の行方」
┃┃   畔蒜泰助 東京財団研究員
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ロシア国営石油会社のロスネフチ社とアメリカのエクソン・モービル社が、
その戦略的提携関係をさらに深めるべく、ロシア極東地域でのLNG(液化天
然ガス)プロジェクトの可能性について検討を始めています。

畔蒜研究員は、アジア経済研究所が発行する『アジ研ワールド・トレンド』
4月号に寄せた論文で、こうした天然ガス供給源の確保をめぐる動きの背景
を検証しつつ、「資源エネルギー庁や伊藤忠商事などの日本連合がウラジオ
LNGプロジェクトから、ロスネフチ―エクソン・モービル連合が主導するサ
ハリンLNGプロジェクトに交渉の優先順位を移す可能性が出て来た」と分
析。「日本連合としては、LNG輸出独占の自由化に関するロシア国内の議論
に十分注意を払いながら、ロスネフチ社、エクソン・モービル社、ガスプロ
ム社との四すくみの交渉で、ベストの条件を引き出すよう、一致団結して交
渉に当たるべきだろう」と提案しています。


▼ 参考資料:論考「露ロスネフチ社と米エクソン社によるサハリンLNGプロ
  ジェクトが我が国のエネルギー戦略に与えるインプリケーション」
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1109
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■┓【4月21日付『西日本新聞』】
┃┃ 「成長戦略が経済の鍵」
┃┃   加藤創太 東京財団上席研究員
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加藤上席研究員は4月18日、西日本政経懇話会にて「日本の政治経済、財政
問題とこれからの課題」をテーマに講演し、「今後の鍵は成長戦略で、環太
平洋連携協定(TPP)参加などが課題となる」とし、「人口減、高齢化など
で内需が縮小し、海外、特にアジアに出て行くしかない日本にとって、TPP
は参加するしかない。そうしないと、世界のマーケットから見放されるだろ
う」と分析。政治については、「夏の参院選では、1人区での勝敗が鍵」だ
とし、「自民党が勝ち、衆参のねじれが解消されれば、安倍政権は長期安定
政権になる可能性が高い。解消できなければ不安定化し、各党が利害に従っ
て、結びついたり離れたりするだろう」と発言した講演の要旨が、同月21日
の『西日本新聞』紙面で紹介されました。

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■┓【『週刊エコノミスト』5月7日号】
┃┃ 「存続の瀬戸際の海女漁 磯を守る経済システム」
┃┃   平野秀樹 東京財団上席研究員
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アワビ漁などを行う海女の人口が減少の一途をたどり、最も多かった1956年
の1万7600人に比べ、2010年にはその8分の1の2174人となりました。

平野上席研究員は『週刊エコノミスト』5月7日号に掲載された論文の中で、
海女の歴史と磯を核とする共同体の生活技術を紹介するとともに、「海女漁
は2000年以上も続いてきたが、その未来はというと心もとない」とし、その
一因が「アワビの漁獲高が減少していることだ」と指摘。しかし、近年、各
地で積極的な海女文化の継承運動が始まっているなど明るい話題も登場して
おり、「アワビさえ戻ってくれば新規参入もあり得ると期待したい」として
います。

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