東京財団メールマガジン

Vol.428【日本外交の実力が試されるとき】

_____________________________2013/05/02

―――――――― 【東京財団メールマガジン Vol.428】 ――――――――
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[1] トピックス
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■┓ 論考「日本外交の実力が試されるとき」
┃┃  薬師寺克行 東京財団上席アソシエイト/東洋大学社会学部教授
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日本のTPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加が確実となり、政府は7月
に予定されている拡大交渉会合に向けた準備をすすめています。会合では、
農産物や工業製品などの関税撤廃のほか、投資や知的財産のルールづくりな
ど21分野について年内妥結を目指し話し合われますが、参加国による国益を
かけた駆け引きが予想されます。

TPP交渉に向けた政府の対応と外交課題などについて、東京財団で上席アソ
シエイトを務める東洋大学の薬師寺教授が論考をまとめました。

               ◇-◇-◇

TPPは単にモノの貿易自由化だけでなく、投資、知的財産、政府調達、競争
政策、外国人労働者受け入れなどヒト、カネ、サービスを含む幅広い経済活
動をカバーしており、アジア太平洋地域の経済秩序の一大改革になりうる交
渉となっている。従ってそれに参加しない選択は、次の時代の地域経済の秩
序形成に参加することを放棄することを意味するだけでなく、自ら国を閉ざ
し衰退していく運命を背負うことになる。それが分かっているから、安倍首
相はもちろん内閣全体も、自民党や民主党など主要政党幹部も、そして国内
の主要メディアも、ほとんどがTPP参加を支持している。にもかかわらず農
業団体などが声高に反対を唱えているのは、もはや参加の見返りに補助金な
どを獲得しようという条件闘争とみなされている。

また日本にとってTPPには経済新秩序形成以外の意味がある。それはアジア
太平洋地域の安定的な安全保障環境の形成だ。米国と中国という二つの大き
な国が、同じルールに基づき政治、経済、軍事などの分野で活動するのであ
れば問題はない。ところが両国は政治体制も思想も価値観も全く異なり、そ
れぞれが自分に都合のいいルールでこの地域に影響力を発揮しようとしてい
る。であるから米国と同盟関係にある日本にとってTPPは、台頭する中国に
向き合うための、あるいは中国をこちらのルールに誘い込むための米国やア
ジア太平洋諸国との「同盟化戦略」でもあるのだ。


▼ 全文はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/topics/detail.php?id=417
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[2] メディア掲載情報
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■┓【『日経ヴェリタス』4月28日号】
┃┃ 「政府の呼び水に市場の規律を」
┃┃   加藤創太 東京財団上席研究員
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加藤上席研究員は『日経ヴェリタス』4月28日号に寄せた論文において、安
倍政権の金融財政政策は市場心理をひとまず変えることに成功したが、今後
は日銀からのベースマネーや財政資金が「呼び水」となり、実体経済を動か
すかどうかがカギだと述べています。その一方で、巨大な官民ファンドによ
る投資・経営を通じ、産業間・産業内の資源配分がゆがめられる危険性もあ
るとし、「官民ファンドについては、理論的にどのような範囲・威力の『呼
び水』機能が必要とされ、どう成長につながるのか、政府は示す必要があ
る。市場による規律の確保が最も重要だ」「金融政策がどのような経路で政
策目的とされる物価上昇の『呼び水』となるのか、日銀は仮説を提示し、経
過を随時、検証していくべきだ」といった政府の「呼び水」機能の再構築を
提案しています。

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■┓【5月1日付『ウォール・ストリート・ジャーナル』ウェブ版】
┃┃ 「プーチン大統領が露骨な不快感」
┃┃   畔蒜泰助 東京財団研究員
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4月29日に行われた日露首脳会談に関し、畔蒜研究員は5月1日付『ウォール
・ストリート・ジャーナル』ウェブ版で、「平和条約交渉の再開合意以外に
も安全保障分野での協力拡大では中国や北朝鮮を念頭に、外務・防衛の閣僚
協議、いわゆる2+2を立ち上げるなどの一定の成果はあった。しかし、ロシ
ア側が強く望む極東・東シベリア開発への日本の積極的な関与とも密接に関
連したエネルギー分野での協力は具体的な進展がみられなかった」と指摘。
そして、「2島返還のシグナルを出すロシア側が、今後さらに譲歩の可能性
があるのかを探ることが、今後の交渉での日本側の課題」だとコメントして
います。

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■┓【『ガバナンス』5月号】
┃┃ 「議会改革と事務局職員の立ち位置」
┃┃   中尾修 東京財団研究員
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14年にわたる議会事務局での経験をもとに、中尾研究員(元北海道栗山町議
会事務局長)は『ガバナンス』5月号に寄せた論文の中で、議会改革が進む
中での議会事務局のあり方について、「職員は、議会事務局に配置されたそ
の日から議会側の人員となる。議会を構成する一員として銘記すべきこと
は、執行部からの思考ではなく『住民の立場で考える』ことである」と言
及。「その姿勢を明確にして臨めば、議員との間にも良い緊張感が保たれ、
議会全体が機関としての自覚を生み出す要因になっていく」とし、「その結
果として、本来求められている執行機関との『機関競争』の関係が具現化さ
れる」と語っています。

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[3] イベント案内
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■┓ 医療・介護制度改革を考える連続フォーラム <第1回>
┃┃ 「たらい回しの起きにくい良質なサービス体制に向けて」
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医療・介護は、ほとんど全員の国民に関係する領域であり、その基盤である
連帯は国民自身が作り上げる必要があります。このため、医療・介護の制度
改革に関して、国民が単なる受益者や傍観者ではなく、当事者や納税者の意
識を持って議論に参加し、合意を形成して行く必要があります。

そこで、東京財団は非営利・独立の立場を生かし、医療・介護改革について
オープンな立場で関係者が議論する場として、連続フォーラムを開催しま
す。

フォーラムでは、サービス供給体制や報酬制度、保険制度などのテーマにつ
いて、厚生労働省が掲げる「地域包括ケア構想」(在宅を中心に生活圏内で
医療・介護サービスを切れ目なく提供するシステム)の課題や足りない視点
を浮き彫りにしつつ、あるべき方向性を模索します。

第1回は「たらい回しの起きにくい良質なサービス体制に向けて」と銘打っ
て、東京都多摩市を中心に医療・介護サービスを複合的に展開する医療法人
財団「天翁会」理事長の天本宏さん、高齢化の進んだ新宿戸山ハイツで高齢
者の健康相談を受け付ける「暮らしの保健室」を設置した秋山正子さん、英
国で家庭医専門資格を取得した澤憲明さんを招き、「地域におけるプライマ
リケアをどう具体化するか」「プライマリケアの責任主体をどう作っていく
べきか」といった点を議論します。

お誘い合わせのうえ、ご参加ください。


【日時】2013年5月15日(水) 14:00~16:00(受付13:30~)

【会場】日本財団ビル2階 会議室(港区赤坂1-2-2)

【テーマ】「たらい回しの起きにくい良質なサービス体制に向けて」

【スピーカー】
 天本宏(医療法人財団天翁会理事長)
 秋山正子(暮らしの保健室長、ケアーズ白十字訪問看護ステーション代表
      取締役)
澤憲明(英国家庭医療専門医)

【モデレーター】
 三原岳(東京財団研究員兼政策プロデューサー)

【参加費】無料


▼ お申し込みはこちら
 http://www.tkfd.or.jp/event/detail.php?id=200
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