東京財団メールマガジン

Vol.448【「税制改革」「TPPと医療制度」「習近平体制の今後」】

_____________________________2013/08/01

―――――――― 【東京財団メールマガジン Vol.448】 ――――――――
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[1] トピックス
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■┓ 論考「わが国税制の課税ベースを考える」
┃┃  森信茂樹 東京財団上席研究員
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参院選での与党圧勝を受けて、安倍普三首相の経済政策「アベノミクス」が
本格的な実行段階に入ります。その中でも喫緊の課題である税制改革と法人
実効税率の引き下げについて、「社会保障と税の一体改革」プロジェクトを
あらたにスタートさせた森信上席研究員が論考をまとめました。

               ◇-◇-◇

法人税改革を行う場合の最大の課題は、税率(法定税率と実効税率)を引き
下げるための財源をどう確保するかという点である。財政健全化のために消
費税増税が予定されている際に、財源なくして法人税減税を行うことは論理
矛盾であり、そのような政策は正当化されない。

第1に必要なことは、課税ベースの拡大である。課税ベースの拡大は、基本
的には法人税の中で行うことが望ましいが、その他の税目の見直しも含めて
考えることも必要だ。世界に最も評価の高いレーガン第2期の税制改革は、
所得税・法人税など広範にわたり課税ベースを見直し、その財源で税収中立
の税制改革を行った改革だ。
 
まず考えるべきは、租税特別措置の整理縮小である。平成22年(2010)度改
正で租税特別措置透明法が成立し、租税特別措置の運用実態調査が行われて
いる。この成果を活用して、抜本的な整理統合を図ることが必要であろう。

租税特別措置は、それぞれ所管の役所や業界団体と深く結び付いており、
「既得権的のかたまり」ともいえるものだ。その意味で租特の見直しは、財
源確保というより、税制の公平性・透明性を高め、簡素なものにするという
立場から行うものである。

また減価償却などの思い切った見直しも必要であろう。


▼ 続きはこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1171
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▼ 「社会保障と税の一体改革」プロジェクトとは?
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/project.php?id=87
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■┓ 論考「TPPをこう考える」
┃┃  土屋了介 東京財団上席研究員
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日本がTPP(環太平洋経済協定)に参加することで、日本の医療制度はどう
変わるのでしょうか。国民皆保険制度や混合診療、医療機関経営に対する株
式会社参入など、TPPと医療制度の関係を考える上での論点や方向性につい
て、土屋上席研究員が論考をまとめました。

               ◇-◇-◇

TPP参加を「日本の医療の質」の向上に利用するにはどうしたらよいのであ
ろうか。すなわち、TPP参加にかかわらず持続が困難と評価されている現行
の医療保険制度と、それを基盤とした日本の医療の現状維持を目指すのでは
なく、将来どのように医療の質の維持向上を図りながら持続可能な医療保険
制度、医療提供体制を設計し、TPP交渉を進めていくかが肝要である。

TPP交渉参加国のうち、カナダとオーストラリアでは医療費は一般財源(税
金)でまかなわれ原則として無料で診療を受けられる。両国とも医療水準は
高く、日本からも心臓外科などの研修に多くの医師が留学している。高度な
医療や美容整形などのために民間医療保険への加入も活発と言われている。
ニュージーランドもオーストラリアと同様である。これらの国々が民間保険
拡大を無制限で受け入れ,医療費を税金でまかなうのを止めることを国民が
受け入れることはありえない。したがって、TPPによる民間保険拡大が混合
診療の拡大さらには公的医療保険給付の縮小(患者負担増)へと進むとの主
張には無理がある。公的保険と民間保険のすみ分けのルール作りこそ知恵の
出しどころである。

混合診療はすでに導入されているが、その適否は医療行政の専門家ではあっ
ても診療の専門家ではない厚生労働省が行っている。保険適応の判断は単に
医学的にあるいは科学的に判断するのではなく,費用対効果などが絡むので
行政的・政治的判断が必要だが、まだ科学的検証が十分でない診療に対し
て、患者が希望して混合診療として個人負担となる場合、行政的・政治的に
一律に基準を設けるのは不適当である。科学的検証が十分でないのであれ
ば、医師が個々の患者の置かれた医療状況を勘案して判断すべきであり、専
門家集団として周囲の医師が判断の援助をする体制が必要である。すなわ
ち、専門家集団としての医師(複数)が自律して医療的判断を下し、その判
断に反する者に対しては自浄作用を有してなければならない。

したがって、医師が厚生労働省にガイドライン作成を請願したり、厚生労働
省の省令・通知を求めたりするのは間違いであり、医師が自らガイドライン
を作り、自らが遵守し、患者・国民の信頼を得ることが必要である。


▼ 全文はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1170
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■┓“Views on China”― 中国の定点観測
┃┃ 「習近平が歩む道」
┃┃   加茂具樹 慶應義塾大学総合政策学部准教授
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中国の政治、経済、外交、安保、社会などを客観的かつ分野横断的に定点観
測する“Views on China”。今週は慶應義塾大学の加茂准教授が、中国共産
党の一党支配体制を検証し、習近平政権の今後について展望しました。

               ◇-◇-◇

習近平政権は、どの様に「中国の夢」の実現に向かう道を歩むのか。それを
理解するためには、まず政権の目的を理解しておく必要があるだろう。いう
までもなくそれは第一に、中国共産党の一党体制を維持することである。習
が「中国の夢」を提起するのは、それが体制の維持と安定に資すると考えて
いるからである。したがって、中国の歩みを理解するためには、中国共産党
一党体制の安定性に関する理解が必要である。

これを理解するために、およそ二つの方法があるだろう。一つは現政権が如
何にして支配の正統性(performance legitimacy)を手にしようとしている
のか、また、その可能性を検討することである。この場合、分析の中心は習
近平政権が取り組んでいる様々な政策の具体的内容の評価におかれる。いま
一つは、中国共産党による一党体制の構造に注目する分析である。それはす
なわち、その政治的構造に注目し、体制の安定を実現してきた要因を描き出
す作業になる。その要因の変化の有無が、体制の安定を維持することができ
るか否かの判断材料となる。ここでは中国共産党による一党体制の構造に着
目して、若干の検討を試みたい。


▼ 全文はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1169
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[2] 新着記事
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▼ ユーラシア情報ネットワーク 分析レポート
 「新疆ウイグル暴動・テロ事件について」
   川中敬一 東京財団上席アソシエイト
 http://www.tkfd.or.jp/eurasia/china/report.php?id=398
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[3] メディア掲載情報
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■┓【7月24日付『高知新聞』】
┃┃ 「高知政経懇話会ノート 経済回らなければ円暴落」
┃┃   加藤創太 東京財団上席研究員
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加藤上席研究員は7月10日、高知政経懇話会にて「日本の政治経済、財政問
題とこれからの課題」をテーマに講演し、「このままだと、25年までに日本
は財政破綻する可能性がある」と予測。さらに、財政破綻の際は「大量の国
債を抱える金融機関にも影響が及び、金融危機を併発する可能性もある」
「アベノミクスは、良くも悪くも、経済の動きを加速させる最後の賭け」な
どと発言した講演の要旨が、同月24日付『高知新聞』紙面に掲載されまし
た。

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▼【参考資料】政策提言「財政危機時の政府の対応プラン」はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/files/doc/2013-01.pdf
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[4] お知らせ
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■┓ アキュメン・グローバルフェローズプログラムに
┃┃ 日本から小早川鈴加さんが選ばれました
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2013年9月から始まるアキュメン・グローバルフェローズプログラム
(AGFP)の参加メンバー12名が発表され、日本から、小早川鈴加さんが選ば
れました。東京財団は2009年より、このプログラムへの日本人の参加を支援
しています。

今回は、100を超える国々から、1,000人近い応募がありました。選ばれたメ
ンバーの出身地は11ヵ国におよびます。全員が、貧困のない世界をつくりだ
したいという強い思いを持ち、困難に立ち向かう気概と強い精神力を備えて
います。


▼ 詳細はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/fellowship/program/news.php?id=145
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▼ アキュメン・グローバルフェローズプログラムとは?
 http://www.tkfd.or.jp/fellowship/program/detail.php?id=5
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■┓ CSR企業調査にご協力ください
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「CSR研究」プロジェクトでは、一部上場企業、主要非上場企業、主要外資
系企業を対象に、日本社会や国際社会が抱える課題とCSRの関係性に焦点を
当てたアンケート調査を実施しています。多くの企業の皆様のご協力をお願
いいたします。


▼ 詳細はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/sub1.php?id=400
▼「CSR企業調査質問票」のダウンロードはこちら(Word:106KB)
http://www.tkfd.or.jp/files/doc/CSR_Questionnaire.doc
▼「参考資料」のダウンロードはこちら(PDF:487KB)
  ※質問票への回答の際にご参照ください
 http://www.tkfd.or.jp/files/doc/CSR_Reference.pdf
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▼ レポート「社会的課題へのインパクトから見た日本のCSR」はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1167
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