東京財団メールマガジン

Vol.478【英国プライマリケアにみる日本へのヒント】

_____________________________2013/12/19

―――――――― 【東京財団メールマガジン Vol.478】 ――――――――
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[1] トピックス
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■┓ レポート「英国プライマリ・ケア事情 ―
┃┃       日本の医療制度改革に向けたヒント」
┃┃  三原岳 東京財団研究員
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日本の医療制度は社会経済情勢の変化や超高齢化社会の到来を受けて制度の
持続可能性が問われています。東京財団は昨年10月、医療・介護連携の強化
や政策決定の分権化を通じたプライマリ・ケア(初期包括ケア)の拡充が必
要だとする政策提言を公表しました。イギリスでは、GP(General
Practitioner)と呼ばれる家庭医を中心にプライマリ・ケアが普及しており、
日本でもGPと同様の役割が期待される「総合診療医」がスタートする予定で
す。プライマリ・ケアの普及に向けて、イギリスから得られる示唆は何か。
現地視察や研究会の議論、日々の研究を踏まえて三原研究員が考察しました。

               ◇-◇-◇

視察で最も印象的だったのはGPの診察室。GPは1人当たり平均10分の診察時
間を割き、患者との対話を重視する。このため、診察室にはCTなど大規模な
医療機器は見当たらず、リラックスして対話できる雰囲気づくりに力点を置
いており、むしろカウンセリングルームに近い心象を受けた。

実際、患者や利用者、家族は医学的な心配だけでなく家庭・生活の悩みまで
持ち込むのに対し、GPは継続的な関係と対話しやすい雰囲気の中で、職場の
ストレスを原因とする頭痛であれば職場の原因を解決しようとすることで、
医学の世界に持ち込まない方策も含めて問題解決を図る。ここは病院中心の
医療とは明らかに異なる。

さらに、明らかに風邪の症状なのに「頭痛が酷いのでCTスキャンを受けた
い」と求めた患者の場合、GPは対話の中から「何故CTを望んでいるのか?」
を聞き、「若い頃に父親が脳出血で亡くなった。それが怖くて不安だからCT
をやって欲しい」という患者の不安を引き出す。その上で、GPは明らかに風
邪の症状であることを説明しつつ、「脳の出血が見付かる可能性は限りなく
ゼロに近く、CTをすると胸部X線の100倍以上の放射線によって、体に負担が
かかる」と医学的なエビデンスに基づいて対話し、患者にCTを受けるかどう
か決定権を与える。

▼ 続きはこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1222
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▼ 研究会レポート「英国の家庭医とプライマリ・ケア」はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1221

▼ 「医療・介護・社会保障制度の将来設計」プロジェクトとは?
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/project.php?id=73

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[2] 新着記事
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▼ アメリカNOWレポート 第109号
  「オバマケアは本当に『復旧』したのか~時間切れとなる『廃止論』、
   終わらない『修正』~」
   安井明彦 東京財団「現代アメリカ」プロジェクト・メンバー
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1218
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▼“Views on China”― 中国の定点観測
  「改革の全面深化」
   田中修 日中産学官交流機構特別研究員
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1223

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[3] メディア掲載情報
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■┓【『日経グローカル』12月16日号】
┃┃  特集 どう進める「地籍」調査
┃┃   「『緊急整備区域』を指定、調査促進の新たな誘因に」
┃┃   平野秀樹 東京財団上席研究員
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平野上席研究員は、『日経グローカル』12月16号に寄せたコメントの中で、
現状は地籍調査を前進させる利点をPRする国に対し関心のない国民との綱引
き状態にあり、このバランスを変えるために、「住民や自治体に新たなイン
センティブを提示することが重要」であるとし、「緊急整備区域」を指定す
る試案を提案しています。

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■┓【12月12日付『毎日新聞』】
┃┃ 「生殖補助医療での親子関係 法整備手つかず」
┃┃   ぬで島次郎 東京財団研究員
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性同一性障害のため性別を女性から男性に変更した夫とその妻が第三者から
の人工受精でもうけた子について、最高裁が嫡出子(法律上の夫婦の子)と
認める決定を出したことについて、ぬで島研究員は12月22日付『毎日新聞』
に寄せたコメントとして、「今回の決定が第三者が関わる生殖補助医療を後
押しするものと受け止めるべきではない。血のつながらない養親・子への不
当な偏見や差別をなくす動きにつなげていくべきだ」と話しています。

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■┓【『厚生福祉』12月13日号】
┃┃ 「給付抑制、プライマリ・ケアの供給体制が話題に
┃┃  ― 日蘭の介護政策を議論 ―」
┃┃   三原岳 研究員・政策プロデューサー
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三原研究員兼政策プロデューサーが国・地方自治体職員向けの専門誌『厚生
福祉』(時事通信社発刊)12月13日号で、東京財団が、介護政策や公衆衛生
に詳しいオランダの専門家を招き、日蘭の介護政策の将来像について議論し
た「医療・介護制度改革に関する連続フォーラム(3)」を報告、人口の高
齢化で給付費が増大しているオランダの給付抑制策や、訪問看護師や家庭医
を中心にプライマリ・ケア(初期包括ケア)の充実に取り組んでいる状況な
どを解説・整理しました。

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▼ 連続フォーラムの概要・レポートなど開催実績はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/sub1.php?id=398#history

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■┓【『日経ヴェリタス』12月15日号】
┃┃ 「規制改革 90年代の教訓」
┃┃   加藤創太 東京財団上席研究員
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加藤上席研究員は『日経ヴェリタス』12月15日号に寄せた論文において、産
業競争力強化法に「事前行政」の部分復活とも取れる項目が盛り込まれたこ
とについて、90年代以降「事前行政から事後行政」の制度改革の流れを経て
得た教訓を踏まえ、「実効性ある制度改革の実現にとって重要なのは、この
国や時代、他の関連制度に溶け込んだ適切な制度のあり方を、試行錯誤を通
じて探索していく地道なプロセスである」と論じています。

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■┓【『週刊東洋経済』12月21日号】
┃┃ 「『防空識別圏』の裏にある習近平の世界戦略とは」
┃┃   小原凡司 東京財団研究員
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中国の対日関係改善の動きが認識され始めた直後に発表された防空識別圏の
設定について、小原研究員は『週刊東洋経済』12月21日号に寄せた論文の中
で、「中国の発表した防空識別圏設定は、中国国内的にも国外的にも、極め
て政治的意味の強いものである」、「設定は、米国をターゲットとした習主
席の世界戦略だという見方も出てきた」と論じ、「中国は『日本に関係改善
の誠意はない』と見切って、アジアの安全保障環境は、やなり米国と構築す
るしかないと考えたのだ」と述べています。

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[4] お知らせ
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■┓ 応募締切り:12/23(月)
┃┃  2014年度フェローを募集中
┃┃  東京財団アキュメン・グローバルフェローズプログラム
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東京財団では、先行き不透明で予測の難しい時代に問題の所在を見極め、社
会を変革していくリーダーの育成を目指すプログラムを実施しています。そ
のひとつに、発展途上国の貧困問題にビジネスの手法を用いて取り組む米国
の非営利団体アキュメンとパートナーシップを組んだ人材育成プログラムが
あります。

これは、アキュメンが実施するグローバルフェローズプログラムに日本から
応募者を派遣するもので、「東京財団アキュメン・グローバルフェローズプ
ログラム(AGFP)」と呼ばれ、2008年の公募開始から現在までに5名の日本
人フェローを送り出しています。

2014年度のAGFP研修期間は、2014年9月末から1年間。研修場所は、ニューヨ
ーク(8週間)、南アジア/東アフリカ/西アフリカなどの発展途上国(9ヵ
月)とニューヨーク(3週間)を予定しています。

申し込みの締切りは2013年12月23日(月)です。ふるってご応募ください。


▼ 詳細はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/fellowship/program/news.php?id=153

▼「東京財団アキュメン・グローバルフェローズプログラム」とは?
 http://www.tkfd.or.jp/fellowship/program/detail.php?id=5

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■┓ 日本人フェロー募集中
┃┃  Global Governance Futures 2025
┃┃  2025年の世界のために政策をつくるリーダーシッププログラム
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東京財団はこのほどドイツのシンクタンク・国際公共政策研究所(GPPi)と
ともに、主要5カ国のヤングリーダーによる政策対話「Global Governance
Futures 2025」(GGF)プログラムを実施することになりました。

このプログラムでは、ドイツ、米国、日本、インド、中国から参加する総勢
25名の若きGGFフェローたちが、2025年の世界が直面するであろう課題につ
いて、3つの検討部会に分かれて徹底討論します。2014-15年のプログラム
では、「インターネット・ガバナンス」「ジオ・エンジニアリング(地球工
学)」「軍縮の未来」を取り上げ、1年の間に4回のローカル・セッション
を行います。その間にそれぞれの検討部会ごとに2025年時点のシナリオを描
き、その問題に責任をもって対応していくための実効性のある具体的政策を
報告書にまとめ発表します。GGFフェローたちには、プログラムに参加して
いる間もまた終了後も、主要紙(誌)に投稿したり、政策ペーパーや専門誌
に執筆するなど、積極的に発信することが求められます。

4回のローカル・セッションは、ベルリン(2014年6月8日~12日)、北京・
東京(2014年10月)、ニューデリー(2015年1月)、ワシントンDC(2015年5
月)で開催されますが、GGFフェローはこれらの全てに参加することが求めら
れます。

国境を越えて、創造力にあふれた若きプロフェッショナル集団とつながりた
い、その一員となって地球の未来をともに担おうとの熱い思いを抱いている
人々の応募をおまちしています。

申し込みの締切りは2014年2月10日(月)です。ふるってご応募ください。


▼ 詳細はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/fellowship/program/news.php?id=155

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