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報告者:東京財団 シニアー・リサーチ・フェロー 佐々木 良昭
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No.360 「イスラエルがアゼルバイジャンに接近」 2006年06月14日
アゼルバイジャンはイランやトルコと接する、中央アジアの一番西側に位置する国だが、最近イスラエルがこのアゼルバイジャンに対し、これまでにも増して急接近し始めている。
アゼルバイジャンはかつて、バクー油田から大量の石油を産出し、ソビエトの石油消費の相当部分をまかなっていた。
しかし、現在では石油の産出量は大幅に落ち込み、何とかして既存の油井を掘りなおし、産油量を増やしたいと考えている。深堀をしても石油がなかなか出てこないために、深度を増して掘り進むと、地熱の関係で石油ではなく、ガスが出てくるというケースが多いようだ。
いわばアゼルバイジャンはエネルギー供給国としては、あまり将来性がなくなったということになるのだが、それにもかかわらずイスラエルが接近するにはそれなりの理由があろう。実はこのアゼルバイジャンは、イランによって国土の半分程度を奪われたと主張している。
アゼルバイジャン側に言わせれば、イランの領土のうち、西側一帯(イラン領土の3分の1程度か)がかつてはアゼルバイジャンの領土であった。それが証拠には現在700万人のアゼルバイジャン人が、イラン国内に居住しているということだ。
したがって、アゼルバイジャンの対イラン感はすこぶる悪い。イランと同じシーア派イスラム教徒の国なのだが、スンニー派のトルコと親しい関係にある。つまり、イスラエルからしてみれば、イランに対する工作、軍事攻撃いずれの場合でも、アゼルバイジャンは格好の協力国ということであろう。
いま、イスラエルがアゼルバイジャンとの関係を強化し始めているということは、イランに対する工作は既に始まっており、近い将来軍事攻撃を開始することも予測させる。
イスラエルからは、先週の段階で基礎建築相のベニヤミン・エリエゼルがアゼルバイジャンを訪問しているが、帰国後、彼はイスラエル石油資源機関で講演し、アゼルバイジャンの重要性を強調している。
彼は講演の中で、アゼルバイジャンがロシア石油のイスラエルに向かうトルコへの通過地点であること、アゼルバイジャンそのものが石油とガスの産出国であること、イランへの軍事攻撃の際の重要拠点になることを説明している。
なおイスラエルはアゼルバイジャンに対し、経済協力にあわせ武器の供給も行っている。ベニヤミン・エリエゼルのアゼルバイジャン訪問は、それを一歩前進させたということであろう。
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