現代アジア

これまで、東アジア地域秩序に関する既存の主要な分析として、「ソフトバランシング」、「東アジア共同体論」、「制度的現実主義」、「制度的均衡」などの概念が用いられてきた。しかし、多国間主義と分裂・対立の矛盾するモメンタムを同時に有するASEAN諸国の状況を単純化することは困難である。
現在、アジア諸国は、一般に「中国の台頭」と呼ばれる状況によって生じる「米中対峙」をイメージして、自らの対外政策を決定していると言われる。「米中対峙」下で、ASEANは地域の安全保障環境を左右する重要なアクターのひとつであることは間違いないが、ASEAN諸国が採るのは「ソフトバランシング」か「バンドワゴニング」か「ヘッジング」か、という単純な議論は危険である。「米中対峙」がASEANにどのような影響を及ぼし、また反対に、ASEANが「米中対峙」にどのような影響を及ぼすのかの双方向について、認識を含めた分析が必要になる。
 このため、研究では、東南アジアにおける安全保障理論の再構築、理論検証のためのいくつかの東南アジア諸国の現状分析、さらに、どのような安全保障枠組みが有効なのかを提起する。また、研究成果を現実の安全保障環境に反映させるため、東南アジア各国政府・軍と共有しつつ、日本を始めその他国家政府に提言することを目的とする。


「東南アジアにおける安全保障枠組み構築」

プロジェクト・メンバー

  • 神保 謙 (東京財団上席研究員、慶應義塾大学准教授)※リーダー
  • 相沢 伸広(九州大学准教授)
  • 湯沢 武 (法政大学准教授)
  • 浅野 貴昭(東京財団研究員)
  • 小原 凡司(東京財団研究員)