財政推計

2016年5月にオープンソースによる独立した長期財政推計モデルを公表しました。

その後、6月1日に安倍総理が消費税引き上げ先送りを表明しましたので、モデルの標準条件について、消費税の次回引き上げを2017年4月から2019年10月に変更しました。


 東京財団版長期財政推計モデルβ版 (ver.6.2)
概要説明資料 (PDF)
よくある質問と回答

研究の背景と目的

日本の公的債務残高はGDP比率で200%を超える水準にある。諸外国と比較しても、きわめて高い水準にあり、世代間の負担の格差の原因となることはもちろん、財政危機を招く懸念も指摘されている。政府では、国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を対GDP比で2020年度までに黒字化するとの財政健全化目標を掲げているが、消費税を10%まで引き上げたとしても、その後の財政健全化への道のりは明らかではない。

財政の将来推計については、内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(但し、2023年まで)、財務省財政制度等審議会提出「我が国の財政に関する長期推計」があるが、すでに東京財団政策提言「国会に独立推計機関を」で示したとおり、推計の責任者の「一元化」、他の推計との「整合化」、情報開示等の「透明化」、他の機関による検証可能な「第三者化」の4つの原則について、いずれも不十分で、社会に財政に対する危機感を共有させ、政策の検討や政策決定を促すものとは成りえてない。

以上の問題意識を踏まえ、東京財団は、非営利・独立の政策シンクタンクとして、具体的なエビデンスに基づいた政策論争、ひいては財政問題の解決の糸口につながる政策関係者による活発な活用できる、オープンソースによる財政に関する独立した将来推計の構築を目指す。また、その際は、計量経済やプログラミングに詳しくない関係者でも異なる政策によるシミュレーション比較ができる簡便なインターフェースの公開も行う。

まずは、専門家によるチームを組成し、モデル構築を進めると共に、しかるべきタイミングからは、パラメーターおよびモデルを公開し、幅広い知見の集約も目指し、2016年5月、β版段階での公表を行った。

今後は、モデルのメンテナンスを進めると共に、その拡張の可能性を検討し、公共財としての幅広い活用を目指していきたい。

プロジェクトメンバー(50音順)

  • 亀井善太郎 東京財団研究員・政策プロデューサー(プロジェクトリーダー)
  • 小黒一正 法政大学経済学部教授(財政パート)
  • 川出真清 東京財団上席研究員、日本大学経済学部教授(とりまとめパート)
  • 小林慶一郎 東京財団上席研究員、慶応義塾大学経済学部教授(マクロパート)
  • 小林庸平 三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済政策部副主任研究員(医療・介護パート)
  • 加藤久和 明治大学政治経済学部教授(医療・介護パート)
  • 島澤諭 中部圏社会経済研究所チームリーダー(年金パート)
  • 中澤正彦 京都大学経済研究所教授(財政パート、2015年7月まで、肩書は当時)
  • 中田大悟 創価大学経済学部准教授(年金パート)