日本の経済財政シナリオ(2014)

研究の背景と目的

政策を検討・立案・決定する際、将来予想される経済変化やその政策によって引き起こされる影響を予め定量的に計測するのが「将来推計」の役割です。

社会的要請のもとで立案される政策は、本来、政策の実施自体が目的ではなく、政策がもたらす結果に関心があるのですから、見積り段階で一定の妥当性を持つことが求められます。また、現下の財政と社会保障の問題の深刻さを踏まえれば、政策の検討・立案・決定それぞれの局面で、将来推計はその土台とならねばなりません。

我が国では、多種多様な将来推計が政府内に政策別、組織別に存在します。多種多様とは活発に利用されているとも見えますが、実は大きな問題があります。多種多様に示される結果の基礎をなすパラメータ(変数)を始めとするそれぞれの推計の基本前提は、いくつか共通しているだけで、整合性には疑問があり、その前提が他の推計と異なる理由や全体的な関係性は明らかでありません。そして、その根本にある問題は、多種多様な推計を、当事者である政策担当省庁自身が担っていることにあります。このため、政策立案の多くが”お手盛り”推計によってその効果を見積もられ、結果として、政策決定そのものが歪められているのです。

また、現在世代が果実を得て将来世代に問題を先送りしてしまう現代の民主主義社会の悪弊に私たちは直面しています。我が国ばかりでなく、多くの国家が財政問題を抱えている現状からも明らかなことと言えましょう。

こうした中、諸外国では「将来推計」を政策の検討や決定の基盤とし、その方法論や実施、活用体制の改善に愚直に取り組んでいます。これは、財政の規律付けばかりでなく、民主主義に内在する限界を補完する役割を見出しているものと考えられます。これらの国々と比較すると我が国の現状はきわめて遅れていると言わざるをえません。

本プロジェクトでは2000年以降の我が国の経済・財政・社会保障に関する「将来推計」について個々に分析すると共に諸外国の活用動向を調査を実施することを通じて、我が国の課題を明らかにすると共に、その解決に向けた提言とその実現に向けた活動に取り組んでいます。

政策提言

「将来推計の抜本見直しを~日本の経済財政社会保障に関する将来推計の課題と将来像~」

レポート/論考

 

イベント情報

プロジェクト体制

プロジェクト・リーダー

亀井善太郎(研究員兼政策プロデューサー)

プロジェクト・メンバー
  • 川出真清(日本大学経済学部准教授)
  • 中本淳(研究員)
  • 朴寶美 (慶應義塾大学経済学部博士課程)
  • 高野哲彰(慶應義塾大学経済学部修士課程)