医療・介護・社会保障制度の将来設計

研究の背景と視点

私たちはどう生きて、どう死にたいのか。そのための費用を社会としてどう連帯しつつ、どう支え合うか。本来、医療・介護制度の根底にはそうした問いが横たわっています。しかし、現在の制度改正はパッチワーク的な目先の課題解決や関係者の利害調整に終始しており、利用者や納税者の視点に立った骨太の議論が展開されているとは言えません。

本研究では給付抑制を通じた制度の持続可能性確保だけでなく、医療・介護サービスの質を向上することで、患者・利用者の満足度を高めるための制度改革を目指し、具体的な提言を行うことを目指します。

プロジェクト・リーダー

三原岳(東京財団研究員兼政策プロデューサー)

プロジェクト・メンバー

    • 西沢和彦(日本総合研究所 調査部ビジネス戦略研究センター 主任上席研究員)
    • 土屋了介(東京財団上席研究員)
    • 亀井善太郎(東京財団政策研究ディレクター兼研究員)
    • 冨田清行(東京財団研究員兼政策プロデューサー)

政策提言

政策提言「医療・介護保険の制度改革に向けて~地域一元化と住民自治の充実を~」(2015年6月)
    • 提言(1):保険制度の地域一元化年齢、職業で細分化されている医療保険制度を地域に一元化する。被用者保険と地域保険に分立した現行システムではリスクの分散が社会全体で適切に行われておらず、保険料の負担が不公平となっているため、コミュニティに基盤を置いた医療制度に改革する。
      保険の財政運営単位は都道府県とし、市町村も保険料徴収、医療・介護の連携、予防・保健などで医療政策に関与する。このことを通じて、地域特性に応じた医療・介護のベストミックスを進め、医療費の節約につなげる。
    • 提言(2):財政制度の簡素化負担と給付(受益)の関係が分かりやすい簡素な財政制度を創設する。公費(税金)で負担する部分を一定割合に限定し、他の地域に比べて医療サービスを多く利用している部分については、地域住民の保険料または窓口負担に反映されるシステムにする。被保険者である住民が負担と給付(受益)の水準を理解しつつ、医療費や保険料の水準を考えられる基盤を整備する。
    • 提言(3):住民自治の強化医療・介護政策における住民参加、住民自治を強化する方策として、住民代表や議会代表、診療団体の代表などで構成する「地域医療介護会議」(仮称)を都道府県単位に、「市町村医療介護会議」(仮称)を市町村単位に常設する。住民参加、住民自治の下、医療費の規模や保険料率の決定を含めて、地域特性に応じた医療・介護政策を展開できるようにする。
    • 提言(4):保険者に対する権限移譲プライマリ・ケアの制度化に向けて、保険者が地域の医療体制に関与できるよう診療報酬の分配や施設・人員基準の決定権限などを保険者に移譲する。財政運営に対する保険者の関与を強化するため、保険給付と保険料をリンクさせる新たな計画制度を創設するほか、無計画な公費(税金)投入を制限するための「医療財政安定化基金」(仮称)を都道府県単位に設置する。
    • =>提言要旨、全文 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1532
政策提言「医療・介護制度改革の基本的考え方 ~真の国民的議論を実現するために~」(2012年10月)

その他の研究成果

これまでの主な論考等

 

過去の関連プロジェクトや研究会