日米露3極対話

2014年2月のウクライナ危機や2015年9月のシリア内戦への軍事的関与に象徴されるように、急速に流動化し始めている国際情勢の中で、ロシアは従来の欧米協調路線とは一線を画した独自の存在感を示し始めている。ロシアが自国に経済制裁を課す米欧諸国との関係を悪化させる一方、中国と政治経済両分野において、これまで以上の接近を図っているのはその一現象である。そんな中、近年の中国の急速な台頭に象徴される東アジア情勢の劇的な変化を念頭に、北方領土問題の解決を含めたロシアとの関係強化を目指す日本政府は、これまでにない難しい対ロシア外交のかじ取りを強いられている。とはいえ、東アジア情勢の変化は、日米露3か国の共通の関心事である。一方で、各国が置かれた地政学的な立場の違いから、その情勢変化に対する利害関係はそれぞれ微妙に違っている。そこで、この日米露3極対話を通じて、今後の東アジア情勢の行方を左右する幾つかの主要な論点、例えば、中国経済の行方、南シナ海問題、TPP、AIIBなどの新たな経済貿易アーキテクチャー、エネルギー問題、原油価格に密接にリンクしたロシア経済の行方などについて、活発な議論を交わすことで、各国の間の利害の一致点と相違点を明確にする。そして、そこから抽出される日本の対ロシア政策のあるべき方向性を示す。

プロジェクト・リーダー

畔蒜泰助 東京財団研究員 兼 政策プロデューサー

プロジェクト・メンバー

渡部恒雄 東京財団上席研究員ほか
 

前年度までの関連プロジェクト

日露戦略対話

福島原発事故と尖閣問題を巡る日中関係の急速な悪化を背景に、日本にとってロシアの戦略的重要性が急速に高まっている。一方、ロシアにとっても、【1】北米シェールガス革命と欧州経済危機を背景とし、ロシアにとって欧州エネルギー市場の魅力低下、【2】地球温暖化を背景とした輸送ルート&エネルギー供給源としての北極海への注目の高まり、【3】中国の大国化への懸念、などの国際環境の激変を背景に、ロシアが欧州からアジア・太平洋地域へとその戦略的重要性を多角化し始めており、日本の戦略的重要性も急速に高まっている。
このように日露を取り巻く戦略環境が大きく変わる中で、両国間において戦略対話の機会を持つ必要性が高まっている。
日露の共通の課題といえる極東・北極海(地域)、エネルギー・輸送・セキュリティー(問題)について現状と課題、そして対応策などを分析・研究すると共に、日露の戦略的関係の構築に資するべく、2013年度より本プロジェクトを実施。

プロジェクトリーダー

畔蒜泰助(東京財団研究員兼政策プロデューサー)

プロジェクトメンバー

秋山昌廣 (東京財団理事長)

第一回会合
東京財団-RIAC 第一回日露戦略対話初年度となる2013年には、3月26‐27日に、ロシアのイーゴリ・イワノフ元外相が代表を務める有力シンクタンクRussian International Affairs Council(RIAC)との共催で第一回会合を開催した。概要はこちら



Photo by RIAC(CC BY-NC-SA 2.0)