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静岡県牧之原市議会の議員研修会レポート

March 10, 2010

概要

2010年3月3日、静岡県牧之原市議会の議員研修会に講師として招かれ、議会基本条例について講演いたしました。

牧之原市議会では、2009年10月30日に議会基本条例が施行されており、議員ならびに議会事務局職員は、その意義や目的については熟知していました。そのため、先般取りまとめた 政策提言「市民参加と情報公開の仕組みをつくれ 地方議会改革のための議会基本条例『東京財団モデル』」 の説明よりも、牧野原市議会の議会基本条例が『東京財団モデル』の3つの必須要件を満たしていない理由を説明しました。

また、2010年5月に初の議会報告会を予定していることを念頭におき、北海道栗山町を含むいくつかの議会報告会や市民説明会、意見交換会での会場設営や配布資料、議論の内容についての調査結果と印象を紹介いたしました。

意見交換では、自由討議のあり方と町村合併の影響が主なテーマとなりました。相手を打ち負かすための討議ではなく、合意形成を目的とした討議を実施するための仕組みと考え方について活発な意見が出されました。

議員一人ひとりがそれぞれの主張を繰り広げるのではなく、議会としての結論を導くための議論には、異なる意見に冷静な対応し、自分の意見を変える謙虚さが求められます。自治体の独自性(○○市らしさ)や他自治体との差別化、住民の居住満足度・自治運営への参加認識度を高めるには、議会での活発な議論が不可欠になるでしょう。議会での議論の質が、自治体の将来の明暗を分けると言っても過言ではありません。それだけ議員の責任は重いですし、期待も大きいです。

議会での自由討議が、行政組織内で既に繰り広げられた議論を議会で繰り返しても意味はありません。行政職員は、前例や他の自治体の類似ケースから導かされた「過去の正解」に基づいた仮説とそれを成功させる政策を立案する能力は高いです。この思考パターンを踏襲することは議員には求められていません。これからの地方自治体の運営は、「過去の正解」を見つけることが困難になることが予想されます。自治体が自治体の責任と権限で住民の福祉の向上に努めなければなりません。そのために議員に求められる資質のひとつは、「良質な非常識」です。過去に縛られず、住民の日常生活に密着した問題を明らかにして、現場発の解決策を具体的かつ理論的に提示する能力が求められています。

市町村合併は、行政施設の分離など物理的課題や議員にも旧自治体への所属意識など心理的な影響もあり、十分な時間をかけることと合意形成への住民の参加が不可欠であると実感しました。


<文責:赤川貴大>

    • 元東京財団研究員・政策プロデューサー
    • 赤川 貴大
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