タイプ
その他
プロジェクト
日付
2010/6/2

議会基本条例の追加分析を実施しました

議会基本条例の制定の進捗状況

2009年10月までの68市町村議会で制定された議会基本条例の分析をとしてまとめましたが、2010年3月までに新たに26市町村議会が議会基本条例を制定しています。これについても、初回同様に「東京財団モデル」((1)議会報告会 (2)請願・陳情者の意見陳述 (3)議員間の自由討議)に沿って、分析を行いました。結果は「市民参加と情報公開の仕組みをつくれ 地方議会改革のための議会基本条例『東京財団モデル』」です。

中尾修研究員寸評

1月25日東京財団政策懇談会「地方議会改革フォーラム ニセ議会基本条例を斬る」には全国各地より300人を超える議会関係者の参加があり、その関心の高さに主催者側も驚きを隠せなかった。

東京財団では上記のように条例に必須要件「東京財団モデル」を示し、68市町村議会の条例を分析、要件を満たしているもの、不十分なものに分類、図表化し当日発表した。
それぞれ条例を制定した議会の議員の皆さんは自らの仕事に自負心を持たれ、当然ながら不十分と判断された議会の所属議員からは反発の質問も相次いで出された。

「従前より陳情・請願については当事者の意思は聴いている」よって条例化はしていないと言う山形県のある議会の議会運営委員長。財団研究員は「やはり明確に条例に挿入してもらわなければ十分とは言えない」、議論は延々3時間を超えていた。

正に壮絶なぶつかり合いとも言えるフォーラムが展開された。これまで地方議会をめぐって、このような生の声がたたかわされたことがあったであろうか思いをめぐらせる。それほど、地方議会改革は大きなうねりとなっている証左で、2006年5月に誕生した議会基本条例が与えたインパクトは計り知れない力となって全国的な広がりをみせている。

しかし、その広がりとともに今までどおり内向きで市民参加を明確に担保していないアクセサリーとも言える条例が生まれきたことも事実である。

東京財団は、議会基本条例が地方自治の深化に寄与するべきものと考え、独自にモデル(必須要件)を示し、警鐘を発することとした。

2009年10月末の時点で制定が確認できた68市町村議会で東京財団モデルをクリアしたものは45市町村66%となっている。それ以降3月末までに制定されたものでは、必須要件をクリアしたものは、77%となっている。

この比率の増加は「市民の前に登場し、機関(合議体)として説明責任を果たし、議論することが議会としての当然の仕事」と言うことが浸透していった結果であると思う。その意味で、東京財団が発した警鐘は有効であった。

今までの中央集権から脱し、自らの立ち位置を鮮明にし、地方分権と言われる時代を生き抜こうともがき苦しむ議会の姿が浮き彫りにされてきたと言える。

<文責:赤川貴大・中尾修>