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高橋亮平研究員ほか著「18歳が政治を変える!〜ユース・デモクラシーとポリティカル・リテラシーの構築〜」が出版されました

更新日:08/10/24

18歳は成人か

選挙にはだれが参加すべきか。参加できる者とできない者との境目は、どのように線引きするのか。そもそも政治とは誰のものなのか――。こうした問いにただ一つの回答はありませんが、民主主義を考え、実践していくうえで不可欠なテーマでしょう。

現在、100以上の国で成人年齢は18歳となっており、これが世界の潮流だと言えるかも知れません。日本でも、18歳を成人とする法的措置を2010年までに講ずると規定した附則条項を盛り込んだ「日本国憲法の改正手続に関する法律(国民投票法)」が昨年5月に制定されたのは記憶に新しいことです。

この動きを受け、民主党は今年7月、具体的な論点をまとめ、民法や公職選挙法、少年法については18歳に引き下げる方針を打ち出しました。自民党も10月に憲法審議会を開催して法改正のための環境整備に着手しています。

選挙年齢を引き下げ、より多くの国民に政治参加を促すのは一般的には望ましいことです。しかし、不安定な雇用環境下にあり、社会や他者に無関心な若者が少なくない現状を見て、成人年齢の引き下げに消極的な人々がいるのも事実です。内閣府が2008年7月に実施した世論調査では、成人の年齢を18歳に引き下げることに約8割は反対をしているとの結果が出ましたが、これは問題の難しさを図らずも浮き彫りにしました。

政治教育が必要

高橋亮平研究員らは、こうした議論を踏まえながらも、若者たちこそが閉塞状況にある今日の政治を変革する原動力になるとの信念を持って、本書を執筆、編み上げました。構成は全3部からなり、児童・生徒向けの政治教育の必要性を諸外国の例をふんだんに引いて解説したり、超少子高齢化社会での世代間格差の課題に言及したりしています。

彼らの思考の根底にあるのは、選挙年齢引き下げによって若者の権利を声高に主張するということではなく、まさに高橋研究員が文中で述べているように、「世代のエゴ」を乗り越えて、各世代が意見と知恵を出し合いながら、どう持続可能な社会システムを構築するかという問題意識です。今後の若者の政治参加についての議論の方向性を考えるためにも、日常的に政治活動を繰り広げている著者たちの意見に耳を傾ける価値はあるでしょう。

また、同書では「地方自治体のガバナンス研究」で調査訪問したイギリスのウエスト・スーパー・メア・タウンでの「Youth Council」を例に青少年の政治参加を紹介しています。本書が東京財団の研究実績の一端を知っていただく助けとなれば幸いです。



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