タイプ
その他
日付
2007/11/14

第2弾「札幌八行」(硬粒種とうもろこし)(4/5)


3.どこに残っているのか(現在の生産地と、その味を育む自然)



 及川農園は三笠市萱野地区にあり、三方を山に囲まれた場所に位置し、集落でも一番山奥にある。この条件が他の品種との交雑を避け、純粋な「札幌八行」生産に一役買っているのだ。
 とうもろこし・スイートコーンは「キセニア」という現象が起こりやすい。「キセニア」とは胚乳(粒)に及ぼす花粉の直接の影響のことで、スイートコーンにとうもろこしの花粉が飛来して受粉すると、その部分だけとうもろこしの成分が出来上がってしまうのだ。そうなると甘くて実が柔らかなスイートコーンの中に、硬い実のとうもろこしがミックスされたものとなってしまい、それらはまったく商品価値が無くなってしまう。北海道はスイートコーンの大生産地であり、特にスイートコーンはキセニアの影響を受けやすい品種のため、他の生産者に迷惑がかからないよう、細心の注意を払わなくてはいけない。

 そのために、とうもろこし・スイートコーンを栽培するには、周りの栽培状況を把握し、風上に生産する場合は花粉が300~500メートル以上飛ぶことを念頭に置いて、異なる品種の栽培を控えたり、開花時期をずらすなどの対策が不可欠である。
 その点、三方を山に囲まれた及川農園は「キセニア」の影響を気にする必要はほとんどなく、心置きなく栽培することができるので、とうもろこしのような多品種との交雑が考えられる作物にとっては適地というべきであろう。