タイプ
その他
日付
2007/12/12

第4弾「木曽の赤かぶ」(2/5)


2.どうやって作られているのか(生産・種の状況)


400年の赤かぶのふるさと



木曽の赤かぶは、霊峰御岳山の山麓2町2村でそれぞれにつくり継がれてきた6つのかぶ-王滝かぶ(王滝村)、開田かぶ(木曽町)、細島かぶ(木祖村)、三岳黒瀬かぶ(木曽町)、吉野かぶ(上松町)、芦島かぶ(上松町)-の総称だ。
400年の歴史があるといわれ、近年の調査により近隣地域のかぶと遺伝子的に大きく隔たる、地域固有の品種であることがわかってきた。不思議なことに御嶽山の向こう側、飛騨で栽培される飛騨赤かぶよりも、山形県の温海かぶに近い系統(※3)で、来歴は諸説あるそうだ。

木曽の赤かぶは、日本一おいしいと言われる温海かぶの近縁種であり、そのおいしい特性も引き継がれている。かぶの部分はその緻密な繊維に染みわたる果汁の豊富さ、野趣あふれる歯ごたえと芳香が、甘酢漬けや塩漬けにして新鮮だ。茎の部分は菜漬け、それも塩を一切使わずに天然の乳酸菌のみで発酵させつくる“すんき漬け”も独特だ。塩が貴重とされた昔に、塩を使わなくても腐らない寒冷地にだけ許される保存食として、同じ木曽でも高地の木曽町開田、王滝村周辺でしかつくられることがない。

塩尻から木曽川沿いに名古屋まで走る中央線に乗ったことがある方はわかると思うが、左右を大きな山脈が走る谷あいは日差しを山に遮られる。赤かぶが育つ場所はその谷あい、標高で800mから、いちばん上は開田高原1200mの間に点在する、純然たる山間地だ。その先は人の往来を拒む3000mの御岳山。栽培面積はすべて合計してもわずかに4.1ヘクタール。生産量で約50トン(表参照)。




この赤かぶのふるさとは、木曽街道のどん詰まりの地として、静かに醸された食文化を継承してきた。





(一段目左から、王滝蕪、開田蕪、細島蕪、二段目左から、三岳黒瀬蕪、吉野蕪、芦島蕪)