タイプ
その他
日付
2008/1/8

第6弾「ゆうこう」(3/5)


3.どんなところで作られているのか?



「ゆうこう」の存在が確認されている土井首地区や外海地区は、もともと半農半漁の暮らしが営まれたところで、地形的に傾斜は急であり、耕地は狭小であり、主としてサツマイモや麦、アワやキビなどが栽培されてきた。
 土井首地区は、長崎市中心部から南西に約10kmのところ、市街地に隣接している。イワシを中心とした漁業と煮干し業が盛んであったが、1971年香焼島の埋め立てや香焼島の百万トンドックの完成に伴い三菱関連工場が進出して住宅団地開発が行われ、以降、ベッドタウン化が進んでいる。 平成19年11月末日現在、地区の総世帯数は6,560世帯で、農家数は100世帯(長崎市農業委員会調べ)となっている。

外海地区は、長崎市の北西に位置し、市中心部から車で約50分、約40キロの距離にあり、豊かな美しい自然に恵まれている。歴史的にはいわゆる隠れキリシタンが多く暮らしていた地域であり、明治時代のフランス人宣教師ド・ロ神父の活躍をあわせて、キリスト教の歴史は外海地区の文化的特質の一つになっている。1952年に地域内にある池島で炭鉱が開発され、それまでの半農半漁の村から石炭産業を基幹産業とする町へと発展したが、1991年に閉山された。2005年の平成の大合併で長崎市に合併した。平成19年11月末日現在の住民台帳によると、地区の総世帯数は2,259世帯で、農家数は199世帯(2005年農林業センサスより)となっている。

両地区では、9月頃、「ゆうこう」の実が青い時から、調味酢として使いはじめ、11月ごろから色づき始めると生食用の果実としても楽しむ。香酸カンキツとしては最高糖度の12度を測定した「ゆうこう」もある。収穫期間が9月から翌年の3月頃までと長いことも特徴。

「ゆうこう」は、もともと自生的に育てられるため、樹によって微妙に皮質も違えば、大きさも味も違う。こうした不揃いさは、半農半漁の自給的暮らしを続けてきた地域においては、用途に応じて使えるので、かえって合理的だったのである。
それは、今になってみれば、農薬などの心配もなく、皮ごと思いっきりかじれ、丸ごと使える安心な食材である。料理に対して香りを主張しがちなユズやダイダイに比べ、「ゆうこう」は穏やかな香りが料理を引き立て、自己主張が強くないので、使い勝手がよい。
また、捨てる部分が一切なく、果実全てを使うことができるところが魅力的といえる。

自給生活における「ゆうこう」の用途

                                                          
● 酢として
・酢の物やなます、一夜漬けなど酢の代用として。
・最近は、オイルと合わせてドレッシングにもされる。
 
● 香りづけとして
・皮の部分をおろし、料理の仕上げの香りづけに。
・パンやケーキに果皮を入れる。


● 薬味として
・「ゆうこう」の皮、青唐辛子、塩を混ぜて「ゆうこうごしょう」。
・酢味噌をつくり、「ゆうこうごしょう」を混ぜると、香りがほんのりしてぴりっと辛い、調味料に。
 
● 飲み物として・レモネードならぬ「ゆうこうネード」
・ナイフで小竹の先を削り、竹でストローを作り、よく揉んだ実に突き刺して果汁を吸って飲む。


    

左から


● 果物として
・日向夏のように白い部分を残して皮をむき、塩、胡椒で食べると美味しい。


● 薬効効果として
・乾燥「ゆうこう」
青い「ゆうこう」を輪切りにして乾燥させて保存。のどの不調や、風邪のときに煎じて飲む。
・「ゆうこう」の砂糖焼き
「ゆうこう」を半分にし、真ん中に砂糖を入れ火にかけ、炭火で皮が真っ黒になり、砂糖が溶けるまで焼く。のどに効くと言われた。
・ローション
種を焼酎につけて香りが出はじめたら使い始める。化粧品の代わりに使う他、炊事中の匂い消しに。


● お楽しみとして
・焼酎に入れて飲むと焼酎の美味しさが倍増する。


    

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