タイプ
その他
日付
2008/4/9

第12弾「雪菜」(2/5)


2.どうやって作られるのか


収穫の畑だけを覗いたところで、雪菜つくりの苦労は、到底、理解できない。夏に種を播き、冬の収穫まで、
半年にわたる行程は、大まかに以下のようになる。取材させていただいた吉田昭市さんの家では、

(1)まず、5月に種取りをする。ハクサイも、大根も、高菜や野沢菜などアブラナ科の植物は、日本にはきわめて種類が多いが、これはアブラナ科が交雑しやすいからである。そこで、種取り用のハウスの中で注意深く、
作業を行う。

(2)8月下旬~9月上旬、露地の畑に種蒔きする。

(3)11月下旬、だいたい60~80cmくらいに成長した株を収穫し、床寄せといって、土と稲わら、間も古新聞とビニールシートで囲み、寒さから守ってやる。

(4)12月末~2月頃、降り積もった雪を掘り起こし、雪の中で力強く伸びたとう(花茎)の部分を収穫。とうの成長のために栄養を注ぎ、しおれた古葉を剥がし、折れたり、変色した部分も落とす。すると、食べる部分は、全体の4分の1~5分の1くらいになる。



写真左から(1)~(4)
(1) 種取替え用のハウス
(2) 床寄せと呼ばれる植えかえの作業。土、稲わら、新聞紙などで防寒。
(3) 2007年、植えかえの直前に霜が降り、倒れてしまった光景。
(4) 2007年の春、雪の積もり具合が理想的で、良く伸びた雪菜の収穫風景。


「品質を高めようと思えば、収量は極端に少なくなる」のである。その上、2007年は、床寄せの直前に霜が降り、雪菜が一気に倒れてしまうという大被害を出した。そのため、例年よりも全体に成長が悪く、新芽の部分も短い。「収量がかなり減って、今年は、注文に、量がおいつかないんではないか」と心配そうだった。

また、豪雪地帯だけに、雪菜の収穫には、業務用の大きな除雪機が必要になる。除雪機で、雪の平原のような畑の中に、畦を作り、その日、ふすべ漬けにし、出荷する量だけを、毎日、収穫する。

また、ふすべ漬けは、塩の加減や湯の通しぐあいによっても、辛味がのらなかったりして、作り方がとても難しい。吉田家では、ふすべ漬け作りは、夫婦二人三脚でこなす。毎日、15~20キロを収穫し、すぐに作業して、5斤樽に漬けこむ。

(1)まず、多い年には150センチを越える深い雪から、雪菜を傷つけないようシャベルで掘り出し、萎れた古葉を、その場でどんどん落とし、新しく伸びた白い芽だけ残す。流し水でよく水洗いする。

  


(2)根元や葉先も切り落とし、長さ2cmほどに切る。雪菜は白い漬物だけに、一点でも黒斑があれば目立つ。そこで茶色い部分や虫食いは、思い切って取り除く。




(3)特注のざるに入れ、ぐらぐら沸いた湯に通す。この作業を方言で「ふすべる」という。一回に3~5秒、3度ほど繰り返す。「ふすべ」具合によって辛味が出るか否かが決まる。重たいざるを上げ下げするのは、腰に負担がかかる作業だ。

(4)たっぷりの流し水で十分に冷まし、2%の塩を、一気に混ぜ合わせる。

 


(5)これをポリ袋で密封し、五斤樽におさめて重石をのせ、3~4日もすれば、ほのかな甘みに加え、後味にさわやかな辛味が出てくる。人工的な漬物では、とても出せない風味だ。