タイプ
その他
日付
2008/4/9

第12弾「雪菜」(5/5)


6.マップ  カブ菜やカブのトウ(在来種)と漬け物文化




●雪菜 山形県米沢市(上長井地区)
かつては「かぶのとう」とも呼ばれた。全国的に見ても、カブの葉を食すのではなく、これを床寄せし、雪が積もるのを待ち、雪の下で、古葉の栄養分で、新しく伸びた芽をいただく文化は、この雪菜が唯一である。現在上長井地区で100戸ほどが自家用に栽培しており、うち11戸が出荷までしている。ふすべ漬けは、この雪菜の漬け物。

●山内カブラ 福井県三方上中郡若狭町山内
小ぶりで硬い白カブで、塩や糠で漬け物にする他、越冬したトウの新葉の浅漬けがおいしいという。長年、地元の飛永たかさんが種を守ってきたが、昭和62年、一端、栽培が途絶えた。種だけが試験所で保管されてきたが、平成8年、飛永悦子さんを中心に復活。

●野沢菜 長野県野沢温泉
今も裏の畑で寺種を守っている健命寺には、18世紀半ば、時の和尚が、京都留学の際に、関西の天王寺カブの種を持ち帰り、栽培したのが最初とされる。今では長野全域で作られ、浅漬けも多いが、地元では、鼈甲色の古漬けが珍重される。230余年、種取りを続けてきた原産の野沢温泉では、「蕪主制度などを設け、その文化を後世に伝えようとしている。

●稲核菜(いねこきな) 長野県松本市安曇村(稲核地区)
飛騨の赤カブに由来するとも言われるが、定かではない。江戸時代からすでに栽培されており、歯ごたえも、味もいい。野沢菜より低く、葉片が波打っているのが特徴。11月下旬に収穫。今は3戸のみ。

●長禅寺菜 山梨県甲府市
150年ほど前、長禅寺の当時の住職が、その付近で栽培されていた地菜に注目し、これを本格的に栽培して漬け物にして売り、荒廃し果てていた寺をみごとに建て直したという。だが、宅地化が急速に進み、今では甲府市や北巨摩でわずかに栽培されている。60~70cmに伸びたら収穫し、漬け物にする。古漬けも人気がある。

●鬼首菜(おにこうべな) 宮城県大崎市鳴子温泉鬼首(軍沢地区)
地元では「地菜っこ」と呼ぶそうだ。大正時代、山形県の最上地方から、峠を越えて、持ち込まれたと推測されている。ハクサイの栽培によって姿を消し、今では約100軒の農家が自家用に栽培するだけになった。種は自家採取している。11月に40?ほどで収穫、緑系と赤系がある。
小牛田農林高校が、古川農業改良センター、渡辺採取場と協力し、保存に乗り出している。

 

取材・文:島村菜津
撮影:菊地和男