タイプ
その他
日付
2008/4/23

第13弾「鮭のサッチェプ」(3/5)


3.どんなところに残っているのか


サッチェプを作っているのは、北海道白老町にあるアイヌ民族博物館である。




本格的に作られ始めたのは10年ほど前からで、それまではチセ(茅葺きの家)の中の装飾品のひとつとして梁から吊るしていたそうだが、訪れる人たちからの「食べてみたい」という強い要望、アイヌ民族の食文化の伝承の1つとして、民族博物館の維持・運営費など収入源の確保のためもあって、本格的に作られ始めた。作り方は漁師やお年寄りに聞きながら、忠実に再現しつつも販売できるものとして製品化していった。

白老町は古くから漁業先進地であり鮭漁が盛んで、アイヌの人たちも海辺に住む人たちが多い。サッチェプは海辺に暮らすアイヌの人たちが作っていたもののようで、山に暮らしていた阿寒のアイヌコタン(集落)では、冬に寒風が吹かず、うまく乾かないため、サッチェプを作る習慣はなく、海のアイヌの人たちと物々交換していたようだという話を聞いた。

海のアイヌも、山のアイヌも鮭を主食として食べていたことには変わりはないだろうが、気候の特性や保存方法、食べていた頻度などには地域差があり、サッチェプは海辺に暮らすアイヌの人たちが主につくっていたものであろうと推測される。