タイプ
その他
日付
2008/7/15

第19弾「棚田米」(3/5)


3.どんなところに残っているのか


飯尾醸造のように地元の農家とのつながりを重視し、棚田を活用した米をあえて原料に選択することで持続可能な農業および生産をめざすといった経済をベースにした取組み例は、コストや人手がかかるため数少ない。棚田と周辺の自然環境の保全を目的にした活動として、平成7(1995)年に棚田(千枚田)を有する市町村、各種団体及び個人が、棚田を通してネットワーク化を図る組織として全国棚田(千枚田)連絡協議会が立ち上がった。同協議会による第1回棚田サミットが高知県で開催され、以後、第14回目となる今年は10月16日~18日に長崎県長崎市、雲仙市で、来年平成21(2009)年の第15回は新潟県十日町市での開催が予定されている。
 現在、各地で実施されている棚田オーナー制は、第1回棚田サミットが開催された高知県梼原町をはじめいくつかの市町村で平成2年前後から開始された。いずれも千枚田の風景を重要な地域の資源と捉え、交流の拠点としながら、保全しようというものである。地理的な条件もあるが、オーナーの農作業への参加率が高いほど、当然ながら来訪の機会も増え、地元との交流が活発に行われる傾向にある。生産の現場や国土の保全としての役割に加えて、都市住民との交流を図る上でも、美しい景観をつくる棚田が今後、魅力的なグリーン・ツーリズムの拠点となる可能性が高い。