タイプ
その他
日付
2008/9/10

第22弾「昆布」(3/5)


3.どこに残っているのか


 


 南かやべの大船遺跡では、今も縄文時代の遺跡の発掘が進んでおり、そこからは92世帯の竪穴住居跡とともに、国宝となった赤い漆の塗られた土偶まで発見され、当時の文化度の高さを物語っている。南かやべ地区だけで、こうした縄文遺跡が88か所も確認されているそうだ。それらの遺跡から、縄文時代から先祖は昆布を食していたことがわかってきた。昆布の森があれば、小魚も集まる。今も浜では、つぶ貝、ほっけ貝、甘エビ、イカ、タコ、カレイなどが豊富に獲れるが、遺跡からはトド、アザラシ、くじらなどの骨も発見されている。また、雑木の森では、ブナや栗、くるみ、キノコや山菜を採り、そばやひえを栽培した。さらに鹿や熊、野鳥といった獣も食べている。海と山の幸に非常に恵まれた暮らしやすい場所だったのである。

 今も、南かやべ地区は、沖で津軽暖流と親潮が交わるために魚の種類が豊富。また、昆布が育つには、種苗のつく夏場、17~18度くらいが理想とされるが、地球の温暖化が不安な翳を落としているというものの、理想的な北緯にあると言える。

 また、背後の山は、ブナの原生林や雑木に恵まれた恵山国立公園を控えている。地元では、ブナ林が国策でずいぶん伐採されてから、昆布の甘みが減ったとぼやく声もあるが、それでも傾斜が急であったことから、比較的伐採を免れたという。そこから何本も注ぐ川にはダムもなく、適度のミネラルを含んだ汽水が流れこみ、海底にも湧水が出ている。
中でも大船川と八木川に挟まれた尾札部で、生で食べても甘みを感じるほどの昆布が採れるのは、その水のせいだとも、安山岩からなる地質のせいだともいう。
 6つの浜が合併した南かやべ地区の天然昆布は、乾燥した時の切り口が白いことから「白口浜の真昆布」と呼ばれて珍重されている。酸味が弱く、まろやかで、えぐみがなく、一流の料理人たちからも支持されている。