科学技術政策

実施年度

2010~2013年

研究の背景と目的

 「科学技術こそ日本の生命線だ」、誰もがそう言います。しかし、本当に我が国の生命線になっているのでしょうか。日本の科学技術はそれに対応できる状況でしょうか。
 
 わが国の科学技術政策に対する財政支出は拡大傾向が続き、そのペースは社会保障関係費を上回る伸びとなり、金額ベースでは4兆円に迫ります。

 これだけ巨額の科学技術予算を投じてきましたが、それにも関わらず、その成果はなかなか見えてこないのが現状です。経済的効果(GDPへの貢献)、特許収支の改善、科学人材の確保、国民の意識の改善、これら4点が科学技術政策の主な成果として考えられますが、いずれを見ても、その政策効果は明らかではありません。
 
 また、研究開発の現場レベルで予算の活用状況を調べても、厳しい現状が伝わってきます。資金の時限性、事務手続きの煩雑さや研究内容に対する行政当局の無理解のために、新しい発見やアイデアの根源である人的資源(若手研究者等)に投下されることがほとんどなく、配分された予算の大半が計算やシミュレーションのための大型設備に費やされてしまっています。

 中国の台頭をはじめ、ますます厳しくなるグローバル競争環境を踏まえれば、すべての研究開発案件に幅広くリソースを注ぎこむよりは、我が国の産業の強みや雇用の実態を踏まえた「選択と集中」は必須です。また、こうした「選択と集中」は国家戦略と一体でなければなりません。
 
 以上の問題意識を踏まえ、我が国の科学技術政策の司令塔の課題をはじめ、これに関連する諸問題について、本プロジェクトでは政策提言から具体的な政策への反映まで取り組んでいます。


政策提言

 

論考

 

報告公開シンポジウム「日本に科学技術政策はあるのか」

東京財団は行革700人委員会と共に、経済同友会の後援を得て、公開シンポジウム「日本に科学技術政策はあるのか」を開催しました。これまで、科学技術政策を題材にした議論が広く交わされる機会がほとんど無かったため、会場には200名以上の聴衆を迎えたばかりでなく、定員を超えた来場希望者のためにインターネットを通じた中継を行ったところ、延べ1,200以上の視聴を記録するなど、高い関心が窺われました。

シンポジウムには、第一線で活躍する科学者に加え、科学技術政策に関する学識者、経済界、マスメディアからもパネリストを招き、研究開発の現場で起きている課題をベースとした活発な議論が交わされ、我が国の科学技術政策が抱える課題を明らかにしました。併せて、今後取り組むべき政策についても有用な意見が出されました。本シンポジウムで示された政策案を実際の政策に反映すべきとの意見があり、今後、東京財団としては、行革700人委員会、経済同友会をはじめ関係者と連携をとって、積極的に政策提言をしていく予定です。

シンポジウムのレポートはこちら

プロジェクト・メンバー

プロジェクト取りまとめ
亀井善太郎(研究員兼政策プロデューサー)