公開フォーラム

タイプ
レポート
プロジェクト

第2回「税・社会保障制度の抜本改革」を考える 衆参全議員討論会

日時
2011/2/15  18:00-20:00 [終了しました]
場所
日本財団ビル2F 会議室
担当
亀井
■ 第2回 「税・社会保障制度の抜本改革」を考える討論会

 【日時】2011年2月15日(火)18:00~20:00

 【会場】 日本財団ビル2階 会議室(港区赤坂1-2-2)

 【発表者】藤原清明(日本経済団体連合会 経済政策本部長)
       高須武男(経済同友会 社会保障改革委員会委員長、バンダイナムコホールディングス取締役会長)

 【コーディネーター】亀井善太郎(東京財団研究員・政策プロデューサー)

 【共催】 東京財団(株)PHP研究所構想日本みずほ総合研究所(株)

 【議論に参加した国会議員】(50音順、敬称略)
 浅尾慶一郎(衆)、阿部俊子(衆)、風間直樹(参)、河野太郎(衆)、小西洋之(参)、階 猛(衆)、柴山昌彦(衆)、中谷 元(衆)、中川秀直(衆)

 

第2回討論会概要

~経団連、同友会の考えをもとに活発な議論を展開~

第2回の討論会は、日本経済団体連合会(以下、日本経団連)、経済同友会(以下、同友会)より、それぞれの社会保障制度改革に関する考えについて説明があった後、出席した国会議員による質疑応答、意見交換が行われました。

経団連、同友会からは、現行制度のままでは、今後の人口構成の変化、とくに生産人口の減少、高齢者人口の増加に対応できず、経済、国民生活に深刻な影響を与えてしまうため、併せて、世代間、職業間の格差の是正、財政の健全化等、我が国が直面する課題を解決するために制度改革を進めなければならないとの主張がありました(それぞれの提言の詳細は別紙提言資料のとおり)。とくに、現行の賦課方式(若年・現役世代の負担によって、増加する高齢世代の給付を賄う仕組み)の限界については双方より言及があり、国会議員の多くも認めるものでした。加えて、このような制度改革を進めるためには、政治家が政局や政争に左右されず、与野党の枠組みにこだわらずに、まず基本的な枠組みの合意をするところから始めるべきで、もはや残された時間は少ないと力説されました。

国会議員は前回出席された者も含め9名の参加となり(出席国会議員の個別名は下記参照)、経済界からの考えの説明を受け、国会議員を交えた活発な議論が展開されました。

税と社会保障制度改革の主な論点は、下記のとおりに集約されるものと考えられます(コーディネーターによる論点整理。これに加え、地方と国の関係も考慮する必要がありますが、これは第4回に議論する予定です)。

1. 社会保障全体の財政規模をどう見積もり、どう配分するのか
  ・そもそも、社会保障の範囲とは
  ・医療・介護・年金のバランス(財源面)
2. 世代間の負担・給付の格差をいかに是正するか
3. 職種間の格差をいかに是正するか
  ・共済年金/厚生年金(3号保険者)/国民年金 (医療も同じ構造)
  ・企業負担のあり方/被用者の国民年金加入問題
4. 医療・介護のユニバーサルサービスをいかに確保するか
  ・そもそも、ユニバーサルサービスとは
  ・そもそも、サービス提供を国がコントロールできるか
  ・財政支出の圧縮の実現
5. 老後の生活をいかに保障するか
  ・低年金・無年金による問題
6. 制度への信頼をいかに回復するか(とくに年金)
  ・国民年金納付率の低迷、そもそも国民皆年金か

これらの論点のそれぞれについて答えを出すことができれば、結果として、現行制度の課題も明らかになりますし、あるべき制度改革の青写真は見えてくるものと考えられます。実際、今回の議論もこの論点の中で行われました。

第2回を終えた現時点において、まだまだ、これらの論点に関する合意は明らかにはなっていませんが、税と社会保障制度改革の内、国の財政として現に負担しなければならない金額が明らかに見えていて、現実的な選択肢が限られる年金制度については、党派を超えた合意が可能であり、これを進めるべきだとの意見が与野党双方から出されました。

一方、医療や介護制度については、サービスのあり方やそれぞれの主張も異なり、むしろ、それぞれの政党の主張を明らかにし、選挙の争点にすることを通じて、国民の選択に委ねるべきとの意見が大勢を占めました。

そもそも、今回の議論では、社会保障制度の範囲を明らかにしていませんが、しばしば報道等で見られる年金・医療・介護に子育て支援を加えたものだけでは、社会保障の本質を見失うのではないかと本質的な指摘もありました。

すべての議論をここで明らかにすることはできませんので、詳細は議事録あるいは中継録画をご覧いただきたいのですが、出席した国会議員にはそれぞれの主張はあるものの、上記のような合意点も見出され、充実した議論となったと思います。

最後に、経済界、そして国民の関心も高い、肝心の超党派協議の見込みについて、お互いの意見を交わしました。

上記のとおり、年金制度については協議の可能性を探るべきとの意見は与野党双方から出ましたが、なかなか、その具体策は見えてきません。政府内、あるいは国会内に超党派機関が設置されればよいとの意見もありましたが、現時点では現実的な選択肢ではありません。政権与党の状況で明らかになっているのはスケジュールばかりです。与党が本気で取り組む意志があるならば、本日の討論会の出席者がもう少し増えてもよいはずですが、そうはなってはいません。一方、野党については、政権交代前の民主党とは異なり、政権与党経験があるわけですし、そもそも、現行制度の責任の大半は彼らにあります。また、かつては与党として超党派協議を呼びかけた経験もあるわけですから、現在の政局ばかりの対応は無責任と言えましょう。

政府や国会における超党派協議の打開策が見えない以上、民間の場で議論できる機会である、この討論会シリーズをそれぞれが積極的に活かしていくべきで、それぞれの党において、国会議員に声掛けをしていこうとの意見が出席した国会議員から出されました。

いずれにせよ、経済界が強く訴えたとおり、残された時間はわずかです。政治が意志を示すためにも、超党派協議の実現を図っていかねばなりません。今後も引き続き、本討論会を続けることを通じて、国会議員に議論の喚起をしていきたいと思います。

東京財団 研究員・政策プロデューサー
亀井善太郎



   録画ビデオはこちら

   議事録はこちら

    * 藤原氏の配布資料はこちら
    * 高須氏の配布資料はこちら