タイプ
レポート
日付
2014/12/25

コンテンツで振り返る2014年

今井章子
常務理事兼広報渉外担当ディレクター


多くの人にとって思いがけないタイミングとなった師走の総選挙であったが、終わってみれば自公が325議席を獲得、昨日発足した第3次安倍内閣は、過去最高の与党割合という盤石の体制で、引き続き「デフレ脱却、社会保障改革、外交・安全保障の立て直し」に取り組むことになった。

一方、昨年7月の参院選で6年ぶりにねじれが解消、むこう3年間は自民党の安定政権が保障されていたことなどから、「なぜ今、700億円を投じての選挙が必要なのか」との疑問の声も多く、投票率は52.66%と戦後最低を更新、国民の政治への「不参加」や「シニシズム」の蔓延が懸念されている。

世の中の動きと関連づけて、東京財団が発信したこの1年の論考や政策提言、研究報告、動画などのコンテンツをもとに、2014年を振り返ってみたい。

財政再建の行方

将来世代のために財政破綻を回避しつつ、現在の社会福祉を維持し、さらにその基盤となる経済成長を促すという方程式を解くのは、現代の有権者全員に突き付けられた課題のはずだ。政策研究ディレクターの亀井善太郎研究員は財政再建に目を背ける日本への処方箋―ポピュリズムに陥るその前にで財政再建政策と有権者の在り方について論じている。また、これに先立ち1月に年金の財政検証に関する問題提起を行い(年金試算は誰のものか)、それをもとに7月、与野党の財政および社会保障政策責任者(野田毅、桝屋敬悟、松本剛明、各衆議院議員)を招いて、社会保障および財政再建の今後に関する公開討論を行った。その模様は、東京財団フォーラムの動画でご覧いただける。

膨れ上がる国の借金の背景にある少子高齢化に伴う労働力不足、格差や貧困の拡大にどう対処するかー。給付つき税額控除の必要性を唱える森信茂樹上席研究員はアベノミクスを考える―税制の課題とこれからで、法人税改革と女性労働を促進するための配偶者控除の見直しは急務としたうえで、構造的には日本の税源調達機能と所得分配機能を強化すべきと説く。一見すると順調に機能しているように見える日本の所得再分配は、「格差の改善度合いを見ると、全体の改善度合い31.5%のうち社会保障で28.3%、税で4.5%となっており、・・・本来所得再分配の機能を発揮すべき税の役割が極めて小さい」と指摘、また改善度合いも他の先進諸国に比べて最も低いことを紹介している。

ピケティーの格差論

選挙戦のさなかに発刊された、膨大なデータから資本主義と格差の問題を論じるトーマス・ピケティの「21世紀の資本論」が話題だ。枕ほどもある重厚な原著と翻訳書にはなかなか手が出ないものの、内容は知っておきたいと思う人は(筆者も含め)多いと推測するが、東京財団では11月から岩井克人名誉研究員、加藤創太上席研究員をリーダーに、神林龍、小林慶一郎、清水剛、村松幹二らの研究員によるピケティーの『21世紀の資本』を読む」研究会が発足した。本書の翻訳を担当した評論家の山形浩生氏や外部の専門家も招いて、「r > g」を論じる。加藤上席研究員がまとめた討論内容は、東京財団のプロジェクトページと東洋経済オンライン連載が始まった。白熱の模様は記事中の写真からもうかがえるので、ぜひご一読いただきたい。

TPPと農業

さて、大詰めを迎えているTPPは年内妥結を断念、2015年早々の終結を目指して交渉が加速していくだろう。妥結を迎えた暁には、すぐにも加盟各国で国内法の整備が必要となる。円滑な貿易促進のため何を緩和し何を維持していくのか、さらにこうした国内外の調整において、高度成長を果たした日本がアジアの他の経済新興国に貢献できることはないか、日本にとってのチャンスも広がる。

TPPをめぐる国内問題としては、やはり農業が焦点となろうが、GATTにおける貿易交渉と農業保護政策を精査したのが、研究報告『ウルグアイラウンドと農業政策~過去の経験から学ぶ。当時、農家のためと称して多額のバラマキが行われたと言われているが、実態はどうであったのか、そして同じ轍を踏むべきでないと主張している。

また自由化の有無にかかわらず、すでに従事者の平均年齢が65歳を超えている農業をどう活性化するかが急務だが、ウルグアイラウンド検証を踏まえた坂野裕子研究員による論考『農政転換のラストチャンス』もお勧めしたい。大票田でもあった農業をめぐる政策がいかにブレてきたか、そしてそのことが農業の自立性をいかに損ねているかを論じている。

地域の自治とリーダーシップ

来年の政策課題としてもうひとつ注目したいのは「地方創生」。東京財団では2004年度から、住民を主体とする地方自治の実現と地域の潜在力を活かした多様性あるまちづくりのため、自らの頭で考え、行動を起こすことができる人材の育成を目的とした市区町村職員のための週末学校を実施している。

地方公務員として与えられた政策課題を与えられた枠組みの中で手順通りにこなすのではなく、それぞれの課題の本当の目的を住民と共有し、住民とともに「自分事」として主体的に役割を創造していくような、推進力を備えた実務家を育成するための実践とピア・ラーニングによるプログラムで、参加者たちは5か月間かけて国内の地域リーダーたちとの対話や、水俣市や米国・ポートランド市などでのフィールドワーク、仲間との討論などを通じて、自分なりのミッションを見つけていく。スキルに勝るウイルを醸成する数々の研修内容は週末学校ウェブサイトで公開されている。現在2015年5月開講の参加者を募集中だ。

住民自治による意志ある地方自治体の確立は、地域の活性化のみならず、高齢化で財源が危ぶまれている医療介護などの社会保障にも大きな改善をもたらす可能性がある。医療・介護・社会保障制度の将来設計研究プロジェクトでは、医療・介護を統合的に提供するプライマリ・ケアと、地方自治体を単位とする保険制度改革を提言しているが、これには「わが町」ならでは医療介護サービスを提供できる行政が必要だからだ。この点については昨年から介護現場の専門家とのシンポジウムを企画した三原岳研究員が、『ケア』のカギを握る分権化と住民自治~第4回連続フォーラムを振り返って~で詳しく論じている。
週末学校を通じて実現が期待されるのは、このような地域生活の持続基盤の強化でもある。

国土資源を考える

農業改革や震災被災地復興も含めた地域再生のカギを握るのが、それを可能とするような柔軟な土地制度だ。国土資源保全研究プロジェクトでは、所有権が各国に比してきわめて強い日本の制度を安全保障や経済活動など目的に合う形で適切に整備するためには、近年急速に増加している国土の不明化・死蔵化を防ぐ早急な対策が必要であると提言している(国土の不明化・死蔵化の危機~失われる国土III
また表土の奥深くに眠る静かな国土資産である「水」も、世界的な供給競争のさなかにある。吉原祥子研究員は、3月に成立した水循環基本法について、この問題の本質と法整備までの経緯について水循環基本法を読み解く―抜け落ちた「土地所有者」の観点でくわしく論考している。

このように土地をめぐる諸問題が市民生活や将来世代にどのような影響を及ぼすのか、吉原研究員が日経ビジネスオンラインのインタビューに答えながら、わかりやすく解説しているのでそちらもおすすめだ。(「キーパーソンに聞く 災害復旧や地方再生を妨げる、日本の登記制度

日本を取り巻く国際環境

安全保障環境に目を転じると、何度か雪解けの兆しもありながら数年に渡りこう着していた日中間関係は、ここへきてようやく各種の交流が再開されつつある。東京財団は非政府独立シンクタンクとして、トラック1.5やトラック2.0での日中二国間あるいは日中米3カ国での対話を継続的に実施、ベテランから次世代まで幅広いキャリアの有識者による政策対話に力を入れている。尖閣問題で中断を余儀なくされた昨年とは対照的に、今年は北京、浙江省舟山、東京などで、東シナ海問題や高齢化問題などを中心に各種の専門家対話を再開させた。

本当にかみ合う対話を実現するためにはその議論のベースが必要だが、現代中国研究プロジェクト(リーダー:高原明生上席研究員)では、日本の中国ウォッチャーたちがそれぞれの視点で論考することで、中国の全体像に迫ろうとする連載「Views on China:中国の今、プロが見るを、ウェブと小冊子で公開している。小原凡司、染野憲治、関山健などの研究員のほか、気鋭の専門家による50本に及ぶ論考は、さらにすべて英語に翻訳して発信しており、欧米の対中観との対比が出て好評だ(Views on China)。

同じように徹底的に観測していくという意味では、現代アメリカ研究プロジェクト(リーダー:久保文明上席研究員)で、中山俊宏チームリーダーおよび浅野貴昭研究員がまとめた11月の米国中間選挙分析も見のがせない。一線で活躍する米国ウォッチャーによる論考がまとめて32本掲載されている。争点がないことが争点などと揶揄された中間選挙だったが、その深層に迫る論考集となっている。

安倍政権の課題の一つ、外交安全保障の立て直しについても、来年は集団的自衛権行使の憲法解釈などを受けた安全保障関連の法整備へ向けた動きが始まる。東京財団では昨年、渡部恒雄上席研究員兼政策研究ディレクターと秋山昌廣理事長、香田洋二プロジェクトサブリーダーが中心となって、昨年、平時の自衛権について法的な空白が出て切ることへの警鐘を鳴らしたが、集団的自衛権の行使へ向けた法整備において、今後どのような課題が浮上するのか、そしてそれらにどう対処すべきかウォッチしていきたい。

ユーラシアに目を転じるとロシアによるクリミア併合をめぐる米欧の動きが複雑だ。日本も北の隣国ロシアと同盟国アメリカとの間で微妙なかじ取りを迫られているが、この問題については、畔蒜泰助研究員によるウクライナ危機後のわが国の対ロシア戦略−露中接近のトレンドにどう対処するか−に詳しい。論考では、ロシア大統領府が事実上主催するヴァルダイ会議のメンバーでもある畔蒜研究員と秋山昌廣理事長が中心となって実施した日露戦略対話で当財団として初めて発出した共同文書についても紹介されている。

また、鶴岡路人研究員によるワルシャワから見た欧州の安全保障もウクライナ危機を論じている。これはユーラシア大陸の地政学を12人の専門家がそれぞれに地域分析するユーラシア情報ネットワークの中の一論考。このサイトでは欧州、ロシア、イスラム圏、中国、インド、東アジア、南アジアを網羅し、さらに世界の地政学に強い影響を与える米国の情勢分析も読むことができる。

ウクライナ問題に関しては、今年後半からロシア批判一辺倒から米欧の対ロ政策のまずさを指摘する主張も出てきた。国際関係理論、なかでもオフェンシブ・リアリズムの大家であるジョン・ミアシャイマー=シカゴ大学教授は12月、東京財団で講演し、国家というものは自国の利益のためなら限りなく影響力を拡大しようとするし、近隣地域における潜在的な脅威には常に神経質になる、これに倣えばNATO拡大戦略がウクライナにまで及んだことがロシアを大いに刺激したのは当然で、米欧はロシアに対して、民主化を強要するようなリベラルなイデオロギーに基づくアプローチをやめるべきであると語った。そしてこのアプローチが、「不幸にも日本に影響を与えている。それは露中接近だ。オフェンシブ・リアリズムに立てば、中国が海洋権益の拡大を求めて日本や近隣諸国との軋轢を生むのも当然」と分析する。こうした論説に強く反対する専門家も少なくないし、当日コメンテータを務めた土山實男青山学院大学教授も、国家の力以外の要素も実際の国際関係においては大きく影響するという点を指摘していた。フォーリンアフェアーズ誌2014年11-12月号も、この主張に対する米国の前駐露大使からの反論とミアシャイマー氏による再反論を掲載している。東京財団での講演の模様は動画で配信されているので、まずは東京での演説の内容を、その力強い声量と明瞭な発音とともに聞いてみていただきたい。

地球規模の社会課題への対応

折しもCOP20がリマで閉幕、「2020年以降の新しい温暖化対策の国際的枠組みについて一定の道筋がついた一方で、・・・温暖化交渉における伝統的な”先進国対途上国”という対立の構造が変化し」ているという。高排出の新興国もあれば温暖化の負の影響を受けている低排出国も存在する途上国グループが一枚岩ではなくなった今、「多様化している途上国、それに先進各国とのあいだの新しい責任分担に向けた新しい『衡平性の概念』が必要とされて」いる。(WWFジャパンブログより引用)

こうした流れを見ると、二大排出国でありながらこれまでCOPの枠組みでリーダーシップをとれていなかった米中が温暖化ガス削減で合意したことには隔世の感がある。だが「世界の工場」たる中国が生産体制や経済構造も含め、エコに切り替えていくのは容易ではない。東京財団環境政策プロジェクトでは、環境分野における日中の戦略的互恵関係をめざし、染野憲治研究員が中心となって「静脈産業の新興国展開に向けたリサイクルシステムの開発とその普及に係る総合的研究」に取り組んでいる。

また資源エネルギー研究プロジェクトでは、平沼光研究員らが政策提言「日本のエネルギー政策再構築~電力統合体制(Energy Integration)を構築しエネルギーの多元化を実現せよを発表、震災後の福島をそのための実証モデル地区とすることなどを提案した。

多様な担い手による社会課題解決の可能性

地球環境問題や、グローバル企業による雇用や人権問題、最安・最速競争の底辺で貧困のままに留め置かれてしまう人々とその公衆衛生問題などは、国境を越えて関連・連鎖しており、一国の公共政策だけで解決できる範囲をこえて進行している。

みんなが直面する「公(パブリック)」な問題だが、政府(ガバメント)だけでは解決できない社会課題に対し、民(企業や市民)も一緒になって挑んでいこうという動きが加速している。

 東京財団はCSR研究プロジェクトを一昨年より開始、全国2000社を対象に実施したアンケート調査の結果や事例インタビュー、さらに内外有識者による論考を加えてCSR白書2014を発行した。またプレジデント社から、CSR委員会座長・小宮山宏氏と座長代理・岩井克人の編著で会社は社会を変えられるも発刊、それを記念してのシンポジウムを開催した。損保ジャパン、伊藤忠商事、武田薬品工業、キリン、電通、曙ブレーキ工業によるCSR活動を発表し、小宮山氏と岩井氏による対談で締めくくられている(動画)。さらに白書編纂にあたったCSR研究メンバーによるアフタートークでは、政策シンクタンクとして企業社会との対話経験から何を学んだかなどについてざっくばらんに振り返った(動画)。 現在、来年初夏発刊予定のCSR白書2015の編纂へ向け、2回目の企業調査結果を分析中だ。なお、事例も含めた研究結果は英語に翻訳し、「日本のCSR分析」として英語サイトでも公開されている。

市民社会が貧困問題に悩まされる人々に手を差し伸べるとしても、自然災害や紛争で深刻なガバナンス破たん状態にあって切迫した状況にある地域への支援には、まず専門家による平和構築が求められる。対外援助協力プロジェクトでは、紛争に限らず海賊やテロ、そして大規模自然災害や感染症など、グローバル化に伴う各種の脅威によって、人間開発や経済開発の成果が損なわれることのないよう、こうした新しい脅威からの安全保障と開発援助を組み合わせた新しい地平を広げる必要があるとの主張から、ODA大綱改定への安全保障の視座からの提言 ―「積極的平和主義」実現に向けた包括的な平和構築指針が必要だを発表した。積極的平和主義の考え方を提示した「安全保障と防衛力に関する懇談会(安防懇)」のメンバーでもあった福島安紀子上席研究員と西田一平太研究員がまとめた本提言では、欧州における先例や日本がとるべき援助のフレームワーク概念図とともに9つの提言がなされている。

CSRや軍民協力のほかに社会課題の担い手として注目されているのが途上国における社会起業家だ。東京財団では2008年からニューヨークに本拠をおき途上国のソーシャルビジネスへの資金と人材提供により貧困撲滅を目指す「アキュメン(Acumen)」とパートナーシップを組んで、日本の若者を社会起業のためのグローバルフェローとして途上国に研修派遣してきた。国連開発計画のネパール事務所で少年兵の復帰プログラムなどでの勤務経験を経て、5人目のフェローとして派遣された小早川鈴加さんは、アキュメンのナイジェリアでの投資先「パガ」というモバイルバンキング機関で、ITを活用した金融経済の普及に努めた。お金を誰に搾取されることもなく、また無駄遣いせずに計画的に自己管理するところから、健全な経済活動の基盤を強化するというイノベーションを起こそうというわけだが、いつもながらこの研修には想定外の苦労話がつきまとう。泣き笑いの体験レポートをぜひお読みいただきたい。

また、アキュメンとのグローバルフェローのための連携は今年でいったん終了することとなったが、これまでの活動を専門家や関心の高い人々と振り返り、今後の展開の糧とするため、東京財団フォーラムでは歴代のフェローに登壇していただいた。その熱気あふれる発表の模様は動画でもご覧いただける。

顔と顔の見える対話 

解決の糸口が見つからない構造的な社会課題に立ち向かうには、人材開発が欠かせない。東京財団は世界44カ国に広がる69大学に設置した、主として大学院生を対象とするSylffプログラムを運営しているが、プログラムの発足から間もなく30年を迎える今年12月、各大学で将来有望な学生に奨学金を提供している教授や大学スタッフたちを一同に集めてSylff運営代表者会議を開催した。それぞれの国のトップ校から総勢120名が集結、グローバルな視点を持ちつつ、各国(ローカル)に活躍するリーダー像とはなにか、そのための奨学基金運営の工夫、高等教育機関が地域社会に対して持つ責任と役割などについて熱心な議論が重ねられた。

こうした活動から見えてくることは、国内外の課題はいまや程度や特徴の差はあるものの、ほとんどの地域や国で共通しているということだ。だからこそ直接会って課題解決にむけて自由に対話することの重要性と効果がますます増加している。

東京財団では、今年例年よりも数多くの海外有識者との対話の機会に恵まれた。第一次世界大戦から1世紀に当たることから、欧州外交評議会(ECFR)とは「歴史問題をどう克服していくか」について北岡伸一名誉研究員をモデレータに欧州、東南アジア、日本の専門家が忌憚のない意見を戦わせた。

また、米国ジャーマンマーシャルファンドとの共催により2010年から毎年開催している日米欧 東京フォーラムTrilateral Forum Tokyoは3回目を迎え、麻生太郎副総理や川口順子名誉研究員、デビット・ペトレイアス元CIA長官など約40名の3極の専門家が集結して2日間に渡り対話を行った。

またドイツの国際公共政策研究所や慶応大学との共催により実施している人材育成プロジェクトGlobal Governance Futures 2025では、米国、中国、インド、日本から選ばれた各国5人ずつの政策実務家が2025年時点におけるグローバルガバナンスに必要な、いわば将来のための政策提言を策定するため、5か国で断続的に会合を繰り返しながら研究を深めている。

対話の利点は個人レベルで政策コミュニティーを深めていくことができる点にあるが、しかしおしゃべりだけでは意味がない。対話の前提に、それぞれが政策専門家として研さんを重ねた知見や経験があるべきであり、東京財団では来年も内外の社会課題を見つめ、その課題の本質に迫りながら研究を重ねていく。

2015年1月13日には、東京財団所属の常勤研究員が一同に登壇して15年の政策を展望する東京財団フォーラムを開催する。会場の方々がリアルタイムで回答できるアンケートシステムも導入し、双方向での政策議論を試みる。ふるってお申込みいただければ幸いである。

末筆となったが、今年も多くの政策実務家、研究者、活動家、企業の皆様、学生の方々、そして東京財団フォーラムにご参加くださる皆様にご協力をいただいた。政策シンクタンクはまさに皆様との対話なしには役割を果たしえない。この場をかりて日頃のご協力に深く御礼を申し上げる。