政策をつくる(政策研究)

日本の直面する最優先課題を見極める

1990年代以降、日本の経済は長期のデフレと低成長を続けてきました。その背景には、構造改革の遅れ、政府債務の膨張、政治の混乱など多くの要因がありますが、その根底として、冷戦後の国際社会における日本の国力の相対的低下、世界最速で進む高齢化、出生率低下による人口減など、日本の国家的基盤が大きく変化しています。しかし、制度やルールはこの変化に十分に対応していません。

それが如実に現れている結果の一つを示すと、日本は過去20年間で税収が17兆円減少する一方で、社会保障費は18兆円も増加しており、これで国家財政が維持できるはずはありません。

一方、日本を取り巻く国際環境を見てみると、世界の合意形成がG8からG20、G44へとより多国間の枠組みに移行しており、世界政治の力学がダイナミックに変化しています。日本の国益の優先順位をどのように整理しなおし、いかに守っていくかが問われています。

グローバル時代の歴史的な転換期にあって、世界が直面する諸課題を日本が先頭に立って解決していくには、世の中で起こっている「現象」に対症療法を示すのではなく、本質的かつ有効な国家戦略を追求し、示していかなくてはなりません。東京財団は、外交・安全保障、経済・社会保障、環境・社会基盤の3つの観点から課題を整理するアプローチで、政策提言・普及活動を行っています。 政策研究チャート
研究対象分野

外交・安全保障
安定した生活を支えている要素として、時として忘れられがちな平和は、失われて初めて気づく水や空気のようなものと言える。戦争やテロに邪魔されない安定的な国際環境こそが、自由と尊厳を守り、経済的な繁栄の基となる最重要のインフラである。日本をとりまく国際環境について的確でタイムリーな情報・分析を提供し、将来を見据えた世界の中の日本のあるべき姿を提言する。

経済・社会保障
わが国が直面する課題は、低成長時代における持続可能な経済社会の構築である。右肩上がり経済を前提とした既存政策の効果は減少し、新たな付加価値を創り出すための政策が必要である。同時に、財政や社会保障制度の持続性への懸念を払拭するため、財政再建を着実に行いつつ再分配政策と社会保障政策の質的レベルアップが必要となっている。これまでの延長ではない経済財政政策と社会保障政策を検討し、対症療法から脱却した改革案を提示することを目指す。

環境・社会基盤
内政そして外交・安全保障が抱える政策課題の解決には、中長期的な観点から日本を支える社会的な基盤を再考することが不可欠である。国民生活の基盤となる環境や国土、エネルギー資源といった個別テーマに加え、運営基盤としての社会システムにも着目する必要がある。資源管理や国土形成・地域社会発展等における諸課題について、大きな視点からも本質的問題の所在を明らかにし、その解決への道筋を提示し実現を目指す。