タイプ
その他
日付
2008/4/28

自立した自治体に向けて(鳴門市 小寺正浩)

鳴門市 建設部 小寺正浩

早稲田大学大隈記念大学院公共経営研究科の授業開始から3週間が経過しました。入学直後から続いた慌ただしさがようやく落ち着いてきたところです。

各講義の内容も、イントロダクション的なものからそれぞれのより具体的な内容に踏み込もうとしています。どの講義も実に興味深く、当代一流の講師陣から、また豊富高質な資料から、そして共に学ぶ方々との議論から、常に新しい知識と驚きを受ける毎日です。今、自分がとても「贅沢」な経験をさせて頂いている幸運を実感しています。

片木淳教授の「地方分権論A」では、地方分権改革、地方財政の危機と再生、三位一体の改革、住民協働と地域コミュニティ、といった視点から、日本にとって望ましい地方自治のあり方を探ることを目的としています。

前の授業では、夕張市財政再建をめぐる論議をとりあげ、自治体の財政を健全なものとしておくために、関係各機関がどのように関れば良いのかについて討議しました。

夕張市に代表されるように、日本の多くの自治体で、いま財政難が叫ばれています。私の所属する鳴門市でも、準用財政再建団体への転落を回避し、健全な財政運営を構築するために、財政健全化計画に取り組んでいるところです。

しかしながら、私自身は鳴門市の財政状況や、地方分権についての知識・意見を、今までほとんど持っていませんでした。これほど自分たちの目の前にある問題なのに、深く考えることなく過ごしていたことを反省しながら、この講義での知識が、鳴門市の現状を正しくとらえるために必要な道具とできるよう学習しています。

稲継裕昭教授の「ヒューマンパワー論」の講義の中では、人事管理を行政の中心課題と位置づけ、多角的に検討し、考えてゆきます。

人間は「学び、成長する」という特徴があるため、人事の仕事にあたっては、他の経営資源のように「必要な時に必要なだけ」という管理方法を単純には当てはめられません。組織の目的達成を効率的に行うという、短期的な目標と、有能な人材を育成し、内部に蓄積するという、長期的な目標。この対立しやすい2つの目標を、両立させなければならない難しさがあります。

他の講義においても、人的資源の管理・運用の問題が、たびたび話題になる事から、この講義において得られるであろう知識の重要性を、ひしひしと感じています。

これらの講義で私が自覚したことは、自治治体が自立できていないと言われるその原因が、間違いなく今までの自分の中にも存在していた、ということです。自治体が自立するために、まず、私たち職員が知識やスキルを身につけ、自ら考えて行動できるようにならなければなりません。社会の変化に柔軟に対応し得る人材になりたいと、講義を受ける中で考えています。

冒頭で私は「自分がとても贅沢な経験をさせて頂いている」と述べました。しかしながら、自治体職員が公共経営の専門知識を身につけることは「贅沢」ではなく「あたりまえ」のことで、むしろ「身につけてどう活かすか」が重要な点だと思います。この研修で私が得るものを個人的な経験に終わらせぬよう同僚と共有するとともに、学んだことを使って住民や地域にどう貢献するか、これから具体的な方策を考えていきます。