タイプ
レポート
日付
2013/7/9

オーストリアのSylff校 ウィーン国立音楽大学と日本の交流

2013年6月11日、ウィーン国立音楽大学のヤングリーダー奨学基金プログラム(Sylff)奨学金受給者で、オーボエ奏者のユリア・ツールスさん(写真右)が初来日、サントリーホールでのコンサートデビューを飾りました。これは、サントリーホールが毎年おこなっている「レインボウ21 サントリーホールデビューコンサート」の一環です。次代の音楽界を担う日本の若い演奏家に公演の機会を提供する企画ですが、音楽交流を目的に、海外の名門音楽大学も毎年一校招聘されています。ツールスさんは、同大学の室内楽クラスの仲間と構成するウェーベルン木管五重奏団の一員で、コンサートでは、ベートーヴェンの「弦楽五重奏曲変ホ長調(レヒトマン編曲による木管五重奏版)」と現代音楽の巨匠リゲティの「6つのバガテル」を演奏しました。

一行と共に来日した指導教官のヨハネス・マイスル氏は、同大学のSylff運営委員会メンバーを務めるとともに、東京財団主催のSylff Chamber Music Seminar(ウィーン音大で開催)において指導も行い、一部演奏にも参加しています。

このコンサートを企画しているサントリーホールの関係者の一人は、「さすがにウィーン国立音楽大学は学生一人ひとりの演奏レベルが高い。今回来日したメンバーの中には、すでにウィーンフィルなどの名門オーケストラのメンバーと一緒に演奏している学生もおり、交流している日本の音楽大学にも大きな刺激を与えている。」と話していました。

メンバーはこの後、国立音楽大学でも合同コンサートを行い、日本の音大生たちと交流を深めました。

ウィーン国立音楽大学のニュースをもう一本お届けします。昨年夏の「みちのくウインド・オーケストラ」コンサートで、Sylffチェンバーアンサンブルメンバーとして、被災地の中高生吹奏楽部員と共にサントリーホールの舞台に立ったウィーン音大助教授David Panzl氏が、3月に再び来日しました。

今回は自分の音楽活動の一環としての日本訪問でしたが、わざわざ時間をとって、被災地の中高生への指導を申し出てくれました。Panzl氏の申し出を宮城県吹奏楽連盟副理事長・楽器BANK担当の遠藤昇先生につないだところ、「宮城県楽器BANK復興支援企画」として、東北高校を会場に、近隣の中学・高校5校から約20名が参加。さらにパーカッション以外の東北高校吹奏楽部部員、東北高校関係者、宮城県吹奏楽連盟関係者、保護者ら約30名がワークショップの模様を見学しました。

Panzl氏は東北訪問の動機について「一時的な募金活動の後被災地のことを忘れてしまうのでなく、継続的な支援が大切だと思う。大きなことはできなくても、小さいことを積み重ねていきたい。」と話していました。

Panzl氏は生徒たちに、当日参加できなかった「みちのく」参加メンバーの消息を尋ね、「また会いに来たい。それまでにもっと上手になっていてほしい。」と励ましの言葉をおくっていました。Panzl氏は昨年の「みちのくウインド・オーケストラ」参加時、ウィーン音大の大学院生兼非常勤講師でしたが、現在はウィーン音大での指導実績が評価され、同大の助教授となっています。