東京財団メールマガジン

Vol.456【ガーナからの現地レポート(3)】

_____________________________2013/09/12

―――――――― 【東京財団メールマガジン Vol.456】 ――――――――
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[1] トピックス
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■┓「ガーナレポート(3)」
┃┃  田代絢子
┃┃   東京財団アキュメン・グローバルフェロー(2012-2013年)
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アフリカの安定的な成長のためには、農業部門の生産性の向上が不可欠だと
いわれています。

東京財団では、単なる援助ではなく起業家への投資を通じて貧困問題解決を
目指す米国のNPO「アキュメン」とともに、この分野の人材育成に取り組ん
でおり、これに日本から派遣された田代絢子さんは、2012年11月よりガーナ
の農村地域に入り、小規模米作農家の生産能力向上と消費者市場への効果的
な参入を目指す社会起業で奮闘しています。ガーナからのレポート第3弾を
お届けします。

               ◇-◇-◇

ガーナの小規模米作農家は、国内消費者市場における米需要の拡大にも拘わ
らず、深刻な貧困スパイラルに陥っている。この問題の核となっているの
は、ガーナにおける米生産バリューチェーン上の課題である。

まず、生産段階における課題――そもそも、市場価値のある米品種、具体的
には高級香り米であるジャスミンの種子の入手は、ほぼ不可能である。種子
の発芽環境を整えるのに欠かせない耕耘機や、代掻きのためのトラクターな
ど、基本的な農機のアクセスは不足し、良い農業の実践に関する知識を得る
機会は限られている。収穫高の向上を手助けする高品質の肥料・農薬やサー
ビス、さらにはそれらを入手するための資金や手頃な金融サービスの供給も
不足している。

次に、収穫後の処理・加工や、それに伴うロジスティクスにおける課題―
―適切なタイミングで収穫できるか否かで、米の品質・収量・食味は大きく
変わってくる。また、収穫直後の籾米は含有水分が高いため、そのままの状
態で長時間放置しておくと品質が急激に低下してしまう。しかし、収穫作業
は天候やコンバインなどの農機の入手タイミングに左右され、結果として作
業に余裕がなくなる事態に陥りがちである。そのため、必要なロジスティク
スを確保するなど、一連の作業が速やかに行えるよう収穫後のプロセスを事
前に検討・準備することは必然ともいえる。しかしながら、ガーナの零細農
家の大半は、収穫後の稲を保管するのに適当なストレージも、乾燥機や精米
施設などへのアクセスも持たない。

最後に、市場機会へのアクセスに関する課題――生産された米が、国内消費
者市場において商品価値を持つためには、高級品種の香り米で、割れ米や欠
け米を含まない高品質であること以外にも、パッケージ包装がなされている
こと、信頼できるブランドのもと販売されていることなどの要件を満たす必
要がある。しかし、ガーナの零細農家は、そうした消費者のニーズを満たせ
ないがために、市場機会へのアクセスを絶たれている状況にある。


▼ 全文はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/fellowship/program/news.php?id=148
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▼「ガーナレポート(1)」はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/fellowship/program/news.php?id=142
▼「ガーナレポート(2)」はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/fellowship/program/news.php?id=147
▼ 東京財団アキュメン・グローバルフェローズプログラムとは?
 http://www.tkfd.or.jp/fellowship/program/detail.php?id=5
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[2] 新着記事
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■┓ ユーラシア情報ネットワーク 分析レポート
┃┃ 「シリア情勢と米露関係(2)」
┃┃   畔蒜泰助 東京財団研究員
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2011年9月24日、与党・統一ロシアの党大会でメドベージェフ大統領がプー
チン首相を統一ロシアの大統領候補にすることを提案。プーチン首相はこれ
を受諾すると共に、当選の暁にはメドベージェフ大統領を首相に任命すると
明言した。

当初、同年12月の下院選挙の終了後に、プーチンとメドベージェフのどちら
が立候補するのか発表されるとの見方が有力だっただけに、このタイミング
での発表は大きな驚きを持って受け止められた。興味深いのはこの直後の10
月4日、ロシアが中国と共に国連安全保障理事会での最初の対シリア決議に
拒否権を行使していることである。

そして、翌2012年2月4日の国連安保理での対シリア決議を巡ってもロシアは
中国と共に再び拒否権を行使した。これの結果を受けて、カタールとサウジ
アラビアが、シリア・アサド政権と闘う反政府グループ「シリア解放軍」を
積極支援すべく、外国軍の投入、又は武器の供与を主張した。また、米国内
でもジョン・マケイン上院議員や保守系シンクタンクなどを中心に、同様の
声が高まった。

実際、サウジとカタールはシリア反政府勢力に対するより本格的な武器供与
を開始したのだが、米オバマ政権は、軍事介入は勿論、武器供与にも慎重な
態度を取り続けた。レオン・パネッタ国防長官やマーチン・デンプセイ統合
参謀議長によれば、実際、この時期、オバマ大統領は国防総省に対して、シ
リアに対する軍事オプションを検討するように指示していたというが、彼ら
は共に「オバマ政権は依然として外交的・経済的圧力がアサド体制からシリ
ア人民を守るベストの解決策だと信じている」と議会で証言している。


▼ 続きはこちら
 http://www.tkfd.or.jp/eurasia/russia/report.php?id=404
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■┓“Views on China”― 中国の定点観測
┃┃ 「『西進』戦略の意義 ― 国内開発と外交のリンケージ」
┃┃   孫櫻 ジョージタウン大学修士課程、元・東京財団インターン
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中国が経済的に台頭し国際的な影響力が増大するに伴って、中国の国際戦略
への関心が国内外で高まる中、昨年、王緝思・北京大学国際関係学院院長が
「西進――中国地政戦略のリバランス」という文章を発表した。王教授は、
アメリカのアジア回帰に伴って、ロシア、インド、そしてEUが東アジアに注
意を向けているのに対し、中国は内陸発展プロジェクト「西部大開発」戦略
に基づいて、「西進」“March Westwards”を目指した地政学的戦略リバラ
ンスを進めることを唱えた。

「西進」戦略について、海外では、アジア回帰するアメリカとの衝突回避、
東アジア周辺海域における領有権や海洋権益をめぐる対立及び対中牽制の打
破、中央アジアや中東における影響力拡大を図る対外戦略として議論されが
ちである。しかし、中国国内において、「西進」は政府によって明文化され
た対外戦略として提唱されているわけではなく、学者間やメディアで議論さ
れている戦略的構想である。またこの構想を国際政治に対する機会主義的な
レスポンスや拡張と捉えるのは、現在、中国国内で行われている国際戦略に
関する議論の核心的な問題意識を読み違えており、また、中国の国家戦略に
おける「西」部発展の重要性を看過している。本稿では国際政治と国内発展
の二つの文脈から、戦略のロジックを説明し、中国の国家戦略における「西
進」の位置づけと具体的な政策内容について触れてみたい。


▼ 続きはこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1185
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[3] メディア掲載情報
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■┓【『金融財政事情』7月29日・8月5日合併号】
┃┃ 「繰り返されるアルゼンチンの財政危機」
┃┃   坂野裕子 東京財団研究員
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広大な国土、天然ガスなどの資源に恵まれ、19世紀後半から20世紀初頭まで
所得水準、経済成長率ともに欧米の先進国と肩を並べていたアルゼンチン
が、第二次世界大戦以降、なぜ10年に一度の頻度で財政・経済危機を繰り返
すようになったのでしょうか。

坂野研究員は『金融財政事情』7月29日・8月5日合併号に寄せた論文の中で、
「アルゼンチンでは新自由主義的な政策方針とポピュリズム的な政策方針と
が交互に繰り返され、前者では海外投資家の熱狂的な『期待』によるバブル
的状況の発生とその破裂、後者ではバラマキによるインフレ傾向が生じた」
と分析。日本はこうした財政収支と経常収支の「双子の赤字」のリスクを教
訓とし、「財政健全化や輸出競争力の強化に努める必要がある」と指摘する
とともに、「優秀な若者たちが自国に見切りをつけ、欧米諸国に『逃避』す
るような状況は、国家としてなんとしても避けるべきであろう」と述べてい
ます。

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■┓【『金融財政事情』7月29日・8月5日合併号】
┃┃ 「財政危機時に政府はどう対応すべきか」
┃┃   加藤創太 東京財団上席研究員
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東京財団「金融危機後」プロジェクトでは、財政危機時における政府の対応
として、1)危機時における政府の資金繰り対策、2)国債暴落を通じて併発
が予想される金融危機への対応策、3)危機時における政府の意思決定機関
の設置といったプランを7月に公表しました。

同プロジェクト・メンバーの加藤上席研究員は『金融財政事情』7月29日・
8月5日合併号に寄せた論文で、そのプランの概要と今の段階で議論しておく
べき論点を例示。危機の初期段階においては、特に地域金融機関対策と地域
経済対策が重要となるとし、「『危機の初期段階』に達したと想定される数
値について、政策当局者間で事前に共通認識を醸成しておく必要がある」と
述べています。そして、本格的な危機が発生した場合には、1)危機時の意
思決定手順の明確化、2)政府の資金繰り確保策、3)金融危機対策、4)国
債の需給調整策、5)財政再建への政府の強いコミットメントが必要になる
とし、同時に、財政再建に向けた「『政策プログラム』を加速的に実施する
『特急スケジュール』を構想しておくべきである」と強調しています。


▼ 政策提言「財政危機時の政府の対応プラン」はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1163
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■┓【8月22日付『デーリー東北』】
┃┃ 「『構造転換を』加藤氏が経済の課題解説」
┃┃   加藤創太 東京財団上席研究員
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加藤上席研究員は8月21日、デーリー東北政経懇話会にて「アベノミクスと
日本の政治経済の課題」をテーマに講演。アベノミクスについては、「(国
民の景気回復に対する)期待に働きかけたことでは一定の効果があった」と
指摘する一方で、企業内の内部保留が増え、市場に資金が出回っていない現
状を踏まえ、「民間に経済活動の活性化を通じ、金が市場で回るようにしな
ければ、持続的な景気回復は不可能」とし、円安株高の進行については、
「海外の市況回復が大きな要因」だと強調しました。また、少子高齢化によ
る社会保障費の増大や内需の低迷、財政赤字といった日本経済が直面する課
題への対応については、「増税」「社会保障制度・医療改革」「移民の受け
入れ」などを提案しつつも、2025年頃までに日本が財政破綻に陥る可能性に
も言及した講演の要旨が、翌22日付『デーリー東北』紙面に掲載されまし
た。

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■┓【『エコノミスト』9月17日号】
┃┃ 「日本のずさんな離島政策 外国資本の土地買収も規制なし」
┃┃   平野秀樹 東京財団上席研究員
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「国土資源保全」の研究をすすめる平野上席研究員は、『エコノミスト』
9月17日号に寄せた論文の中で、日本の離島管理体制のずさんな現状を説明
し、外国資本による国境離島の不動産買収が本格化していることを指摘。韓
国、中国といった周辺諸国やブラジル、コスタリカ、チリ、メキシコなどの
諸外国の離島管理の規制を紹介するとともに、「土地の取得・利用に関する
ルールの問題点を自覚しながら、離島管理の議論を急ぐことが必要だ」と強
調しています。

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▼「国土資源保全」プロジェクトの提言書はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/project.php?id=63
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■┓【『ガバナンス』9月号】
┃┃ 「市町の議会が合同で議員研修会を開催』」
┃┃   中尾修 東京財団研究員
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北海道・栗山町議会の事務局長を務めた中尾研究員は8月9日、夕張市議会と
栗山町議会の合同議員研修会で、「全国に広がる地方議会改革 ~地域民主
主義・住民自治の視点で考える」をテーマに講演し、「両議会は存在する限
りにおいて全国から注目されるという重い十字架、宿命を背負っている」と
指摘。徹底的な情報公開や議員間討論、議会報告会の開催などによってさら
なる改革を進め、「住民から信頼され、『議会があって良かった』という取
り組みをしてほしい」といった発言の要旨が、『ガバナンス』9月号にて紹
介されました。

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[4] お知らせ
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■┓ 第65回 東京財団フォーラムのご案内
┃┃  「先端医療にルールはいらない?
┃┃    ~生命倫理の法律がある国、ない国」
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人の生命と身体に深く介入する先端医療の、何がどこまで許されるのか。こ
の問題を考えるために生命倫理という言葉が生まれ、日本で使われるように
なって30年になりました。

そうしたなか、iPS細胞を使った再生医療、体外受精や卵子の凍結保存など
の生殖補助医療、胎児の遺伝子を調べる新型出生前診断といった先端医療は
著しく進歩し、私たちの生活に身近なものとなってきています。

倫理が人の内面の問題にとどまるだけでは、守られる保障がないので、とき
にその内容を法律にして、社会のルールとして確定しようという動きが出て
きます。とくにヨーロッパでは生命倫理の立法が盛んですが、日本ではこれ
まで非常に消極的で、新しい問題が出てくるたびに、対象をごく限った役所
の指針をつくってしのいできた観があります。

しかし最近、それでは対応しきれなくなって、「生命倫理基本法」をつくる
べきだという声が、政府の審議会などで出始めています。

生命倫理の基本とは何か? それは法律にできるものなのか?

生命倫理サロンでは、これまで三年間、そのときどきで話題になり問題とさ
れた、様々な分野の先端医療の倫理について語り合ってきました。その経験
を踏まえ、今回は、考えるべき生命倫理の全体像について見取り図を示し、
東アジアで唯一、「生命倫理法」をつくった韓国の例を参考に、倫理を法律
にするということについて、みなさんでじっくり話し合ってみたいと思いま
す。


【日時】2013年10月17日(木)18:00~20:30(開場17:30)

【会場】日本財団ビル2階 会議室(東京都港区赤坂1-2-2)
    http://www.tkfd.or.jp/access.php

【テーマ】
 「先端医療にルールはいらない? ~生命倫理の法律がある国、ない国」

【スピーカー】(順不同、敬称略)
 ぬで島次郎(東京財団研究員)
 洪 賢秀(東京大学医科学研究所 特任助教)
 青柳幸一(明治大学法科大学院 教授)

【モデレーター】冨田清行(東京財団ディレクター兼研究員)  
 
【参加費】無料


▼ お申し込みはこちら
 http://www.tkfd.or.jp/event/detail.php?id=207
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■┓ CSR企業調査にご協力ください
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CSR研究プロジェクトでは、一部上場企業、主要非上場企業、主要外資系企
業を対象に、日本社会や国際社会が抱える課題とCSRの関係性に焦点を当て
たアンケート調査を実施しています。多くの企業の皆様のご協力をお願いい
たします。


▼ 詳細はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/sub1.php?id=400
▼ レポート「社会的課題へのインパクトから見た日本のCSR」はこちら
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1167
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