東京財団 外交史ブックレビュー

東京財団 外交史ブックレビューvol.010

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.009━2008.6.27━━━━━
     ◆◆ 東京財団 外交史ブックレビュー ◆◆

   編集・発行:東京財団政治外交検証プロジェクト
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   【第10号 目次】

1.政治外交ブックレビュー

『アイゼンハワー政権の封じ込め政策
―ソ連の脅威、ミサイル・ギャップ論争と東西交流』佐々木卓也著
/評者 昇亜美子(政策研究大学院大学客員研究員・日本学術振興会特別研究員)

2.読書案内(短評)

『Japan Rising:The Resurgence of Japanese Power and Purpose』 (『台頭する
日本―日本のパワーと目的の復活』)Kenneth B. Pyle(ケネス・B・パイル)著、
「Securing Japan:Tokyo's Grand Strategy and the Future of East Asia」
(『日本の安全―グランド・ストラテジーと東アジアの将来』)Richard J. Samuels
(リチャード・J・サミュエルズ)著
/評者 昇亜美子(政策研究大学院大学客員研究員・日本学術振興会特別研究員)

3.新刊・書評紹介

編集後記

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1.政治外交ブックレビュー

※このコーナーでは、日本政治外交に関連する最近の優れた書籍・論文等を、
気鋭の研究者が紹介します。特に外交の実務に携わる方々は必須のもの ばか
りです。是非お読みいただければと思います。

『アイゼンハワー政権の封じ込め政策
―ソ連の脅威、ミサイル・ギャップ論争と東西交流』佐々木卓也著
/評者 昇亜美子(政策研究大学院大学客員研究員・日本学術振興会特別研究員)

本書は、アイゼンハワー政権(1953~1961年)の封じ込め政策について、特
に経済、科学、文化などの領域における東西交流計画に焦点を当てた米国外
交史研究の著作である。著者は、アイゼンハワー政権が、軍事的な封じ込め
に傾斜することなく、経済、文化、広報など広範な手段を取り入れた政策を
実施したことに着目している。1950年代後半には、ソ連が…

↓続きはこちらをクリック(東京財団HPへ)
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=279

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2.読書案内(短評)

『Japan Rising:The Resurgence of Japanese Power and Purpose』(『台頭する
日本―日本のパワーと目的の復活』)Kenneth B. Pyle(ケネス・B・パイル)著、
『Securing Japan:Tokyo's Grand Strategy and the Future of East Asia』
(『日本の安全―グランド・ストラテジーと東アジアの将来』)Richard J. Samuels
(リチャード・J・サミュエルズ)著
/評者 昇亜美子(政策研究大学院大学客員研究員・日本学術振興会特別研究員)

去年(2007年)アメリカの著名な日本研究者による重要な著書が相次いで出版
され話題となった。日本で55年体制が崩壊して国際安全保障への関与が拡大し
始めた1990年代にもいくつかの興味深い研究書が海外の日本研究者から出され
ている。その後2000年代に入って日本の外交・安全保障の行方ははっきり見え
てきたのだろうか。そのような問いを…

↓続きはこちらをクリック(東京財団HPへ)
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=269

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3.新刊・書評紹介

2008年4月に刊行された政治外交関連の新刊図書・雑誌記事・書評のリス
トです。外交に関する情報収集や研究のデータベースとしてお役立てください。

http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=277

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◆編集後記

5月の例会で取り上げた2冊の本は、山縣有朋とアイゼンハワーという、一見
関係のなさそうな人物についてそれぞれ論じていました(山縣論の書評は次号
掲載の予定です)。出席者の一人が、どちらも軍人の政治家であり、しかも過
度の軍拡をひかえる感覚を持っていたと指摘したことで、一体感のある討論と
なりました。

軍事・外交について慎重なアプローチを取れるかどうかは、同時代的な危機意
識のあり方や個人の考え方にかかっていると思います。

もう一つ座標軸があるかもしれません。狭義の軍事・外交以外のアプローチを
構想できるかどうかです。こちらの軸は、人々の来歴により深く関わっている
のかもしれません。

山縣は天保9年(1838年)に生まれ、開国後の民族的な危機感の中で政治化し
ました。明治政府の指導者となってからは、軍備の充実を図り大陸進出の機会
をうかがいつつも、ヨーロッパ列強に対しては抑制的な外交路線をとりました。
国際関係を理解する尺度として、パワーの外に山縣にあったのは文化というよ
りは人種であり、対外的危機感をむしろ先鋭化させるものでした。このことは、
彼自身が詩歌や建築の素養を持っていたことを考えあわせると、印象的です。

アイゼンハワーは日本が国会を開設した年に生まれ(1890年)、アメリカがヨ
ーロッパに対して優位に立った第一次世界大戦期に成人しました。アメリカ社
会がウィルソン主義的な対外積極路線をしりぞけ、国内的繁栄への関心と自信
を深めた1920年代に頭角を現します。戦後、大統領としては、東西の文化交流
を含めた裾野の広い安全保障政策を展開したようです。

閉会して外に出ると、夏日の夕方としては冷たく感じられました。梅雨の前触
れだったのかもしれません。白熱した議論の後だったからかもしれません。

(五百旗頭)

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政治外交検証プロジェクトニュース 第9号(2008年6月27日発行)
発行元:東京財団政治外交検証プロジェクト(北岡伸一主任研究員)
    〒107-0052 港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階 東京財団
    東京財団政治外交検証プロジェクト

編集責任者:
細谷雄一(慶應義塾大学法学部准教授)
五百旗頭薫(東京大学社会科学研究所准教授)

編集担当:
林大輔(慶應義塾大学大学院法学研究科)
相原清(東京財団政策研究部 研究員兼プログラム・オフィサー)

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