東京財団 外交史ブックレビュー

東京財団 外交史ブックレビューvol.012

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.012━2008.8.30━━━━━
     ◆◆ 東京財団 外交史ブックレビュー ◆◆

   編集・発行:東京財団政治外交検証プロジェクト
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はじめに――日本外交に関心を持つ方々へ
/北岡伸一(東京財団主任研究員、東京大学教授)

清沢洌は『外交史』(1940年)の序文に、「外交史に関する知識が、今日ほど
必要とされてゐる時はない。この知識を基礎とせずして造りあげられたる外交
政策と、外交輿論は、根のない花である」と書いています。

これは、時代を超えた真理だと思います。現代の日本は、当時ほど切迫した状
況にあるわけではありませんし、当時とは比較にならないほどの言論の自由が
あり、情報収集も容易です。にもかかわらず、現代の外交政策や外交世論が、
正確な外交史の知識の上に築かれているとは、決して言えないのではないでし
ょうか。

その一方で、戦後外交に関する研究は着実に発展しつつあります。外交文書の
公開や情報公開制度の利用等によって、新しい史料が利用可能となり、アメリ
カ等外国の文書に主として依拠した研究から、より総合的複眼的な視点が提示
されつつあります。それらの研究は、しかし、まだ専門研究者の間で共有され
るだけで、広い外交論議の基礎として十分利用されてはいないというのが現状
です。

このニューズレターは、そうしたギャップを埋めることを目指しています。す
なわち、戦後日本外交史およびこれに密接に関連する分野(日米関係史、日中
関係史、その他の国際政治史、日本政治史、地域研究など)において最近登場
した優れた研究を、対外政策に関心を持つ幅広い層、いわゆるforeign policy
constituency に紹介しようとするものです。日本外交を「根のある花」にす
るために、ささやかな貢献ができれば幸いです。

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  【第12号 目次】

1.政治外交ブックレビュー

『旧外交の形成 日本外交 一九〇〇~一九一九』千葉功著
        /評者 小宮一夫(東京大学文学部非常勤講師)

『植民地官僚の政治史 朝鮮・台湾総督府と帝国日本』岡本真希子著
       /評者 黒澤 良(学習院大学法学部兼任講師)


2.新刊・書評紹介

編集後記

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1.政治外交ブックレビュー

※このコーナーでは、日本政治外交に関連する最近の優れた書籍・論文等を、
気鋭の研究者が紹介します。特に外交の実務に携わる方々は必須のもの ばか
りです。是非お読みいただければと思います。

『旧外交の形成 日本外交 一九〇〇~一九一九』千葉功著
       /評者 小宮一夫(東京大学文学部非常勤講師)

戦後の日本は、冷戦を生き抜くため、対米協調(「日米同盟」)を外交の基
軸とし、アメリカを中核とする西側陣営(自由主義)陣営に参画した。その
際、日本の外交及び安全保障の屋台骨となったのが、日米安全保障条約であ
る。こうした戦後の日本外交のイメージが、本書が対象とする時期(1900~
1919年)に投影されると、対英協調を基軸とする「日英同盟」の時代という…

↓続きはこちらをクリック(東京財団HPへ)
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=310

『植民地官僚の政治史 朝鮮・台湾総督府と帝国日本』岡本真希子著
       /評者 黒澤 良(学習院大学法学部兼任講師)

近代日本は、1895(明治28)年に台湾を植民地として領有することにはじまり、
1910年の韓国併合を経て、1945年までのほぼ半世紀におよぶ期間にわたって、
植民地帝国としてアジアに君臨しつづけた。しかしながら、近代日本が植民地
支配を行った地域における官吏たち、すなわち植民地官僚に関する基礎的な事
柄は解明されないままに…

↓続きはこちらをクリック(東京財団HPへ)
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=311
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2.新刊・書評紹介

2008年6月に刊行された政治外交関連の新刊図書・雑誌記事・書評のリスト
です。外交に関する情報収集や研究のデータベースとしてお役立てください。

http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=312
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◆編集後記

これまで五百旗頭薫さんとともにサブリーダーとして本プロジェクトの運営に
携わってこられた細谷雄一さんが在外研究に出発されたため、代役を務めるこ
ととなりました。

巷間では時折、ある種ステレオタイプ化された「歴史」がクローズアップされ
ますが、本プロジェクトのこれまでのニューズレターを一瞥してみれば、戦前、
戦後の日本の歩みには、そのようなある種、ステレオタイプ化された歴史像の
枠にとどまらない、多様かつ種々の示唆に富んだ豊かな文脈を容易に見出すこ
とができるように思われます。そこには、過去の是非を問い直すことにとどま
らず、現在とこれからの日本を力強く構想していくための、貴重な「資源」が
つまっているように思います。

政治外交史研究と、広く対外関係に関心を持つ方々との知的橋渡しを期して
創刊されたこのメールマガジンが、その役割を十分に果たすため、非力ながら
力を尽くしたいと思います。
(宮城)

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政治外交検証プロジェクトニュース 第12号(2008年8月30日発行)
発行元:東京財団政治外交検証プロジェクト(北岡伸一主任研究員)
    〒107-0052 港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階 東京財団
http://www.tkfd.or.jp/research/project.php?id=19

編集責任者:
五百旗頭薫(東京大学社会科学研究所准教授)
宮城大蔵(政策研究大学院大学政策研究科助教授)

編集担当:
林大輔(慶應義塾大学大学院法学研究科)
相原清(東京財団政策研究部 研究員兼プログラム・オフィサー)

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