東京財団 外交史ブックレビュー

東京財団 外交史ブックレビューvol.014

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.014━2008.11.26━━━━━
     ◆◆ 東京財団 外交史ブックレビュー ◆◆

   編集・発行:東京財団政治外交検証プロジェクト
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はじめに――日本外交に関心を持つ方々へ
/北岡伸一(東京財団主任研究員、東京大学教授)

清沢洌は『外交史』(1940年)の序文に、「外交史に関する知識が、今日ほど
必要とされてゐる時はない。この知識を基礎とせずして造りあげられたる外交
政策と、外交輿論は、根のない花である」と書いています。

これは、時代を超えた真理だと思います。現代の日本は、当時ほど切迫した状
況にあるわけではありませんし、当時とは比較にならないほどの言論の自由が
あり、情報収集も容易です。にもかかわらず、現代の外交政策や外交世論が、
正確な外交史の知識の上に築かれているとは、決して言えないのではないでし
ょうか。

その一方で、戦後外交に関する研究は着実に発展しつつあります。外交文書の
公開や情報公開制度の利用等によって、新しい史料が利用可能となり、アメリ
カ等外国の文書に主として依拠した研究から、より総合的複眼的な視点が提示
されつつあります。それらの研究は、しかし、まだ専門研究者の間で共有され
るだけで、広い外交論議の基礎として十分利用されてはいないというのが現状
です。

このニューズレターは、そうしたギャップを埋めることを目指しています。す
なわち、戦後日本外交史およびこれに密接に関連する分野(日米関係史、日中
関係史、その他の国際政治史、日本政治史、地域研究など)において最近登場
した優れた研究を、対外政策に関心を持つ幅広い層、いわゆるforeign policy
constituency に紹介しようとするものです。日本外交を「根のある花」にす
るために、ささやかな貢献ができれば幸いです。

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  【第14号 目次】

1.政治外交ブックレビュー

『帝国日本の植民地法制 法域統合と帝国秩序』浅野豊美著
     /評者 千葉 功(昭和女子大学人間文化学部歴史文化学科准教授)

2.読書案内(短評)

『戦間期日本の社会集団とネットワーク デモクラシーと中間団体』猪木武徳編著
/評者 村井良太(駒澤大学法学部准教授)

3.新刊・書評紹介


編集後記

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1.政治外交ブックレビュー

※このコーナーでは、日本政治外交に関連する最近の優れた書籍・論文等を、
気鋭の研究者が紹介します。特に外交の実務に携わる方々は必須のもの ばか
りです。是非お読みいただければと思います。


『帝国日本の植民地法制 法域統合と帝国秩序』浅野豊美著
      /評者 千葉 功(昭和女子大学人間文化学部歴史文化学科准教授)

1990年代後半から論文を精力的に発表されてきた浅野豊美氏が今までの研究を一
書にまとめたのが本書である。本書は「帝国法制」の起源と展開を「植民地版条
約改正」過程の分析を糸口にして明らかにしようとするものだが、その際、特に
法的概念として「法域」と「属人法」に注目する点が斬新的である…

↓続きはこちらをクリック(東京財団HPへ)
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=356
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2.読書案内(短評)

『戦間期日本の社会集団とネットワーク デモクラシーと中間団体』猪木武徳編著
/評者 村井良太(駒澤大学法学部准教授)

本書は、国際日本文化研究センターでの四年におよぶ共同研究の成果であり、社
会集団とネットワークに着目し、デモクラシーと中間団体の関係から戦間期日本
を考察する論文集である。本書の特徴は、第一に戦間期日本を論じるに際して「大
正デモクラシー」概念を出発点としていることである。そこで第二に、「健全なデ
モクラシーの運営にとって必要不可欠な大前提」としての「自由な結社」に着目す
る…

↓続きはこちらをクリック(東京財団HPへ)
http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=357
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3.新刊・書評紹介

2008年9月に刊行された政治外交関連の新刊図書・雑誌記事・書評のリスト
です。外交に関する情報収集や研究のデータベースとしてお役立てください。

http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=355
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◆編集後記

今回取り上げた浅野氏の著作は、脚注まで含めれば800頁にも及ぼうかとい
う大部のものでした。分量のみならず、着想を得てから20年近く著者が心血
を注いだ成果は、台湾、朝鮮と「日本帝国」の全容を視野におさめる壮大な
ものとなりました。やがて「帝国」が崩壊し、各地からの日本人の引き揚げ
に伴って持ち込まれたものは、今となってはおなじみの餃子ばかりではなく、
戦後日本の政治・経済・社会の多面に及んでいるはずです。「折りたたまれ
た帝国」(浅野氏)として、戦後日本を捉え直してみたい。そんな思いに駆
られた研究会の夜でした。
(宮城)

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政治外交検証プロジェクトニュース 第14号(2008年11月26日発行)
発行元:東京財団政治外交検証プロジェクト(北岡伸一主任研究員)
    〒107-0052 港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階 東京財団
http://www.tkfd.or.jp/research/project.php?id=19

編集責任者:
五百旗頭薫(東京大学社会科学研究所准教授)
宮城大蔵(政策研究大学院大学政策研究科助教授)

編集担当:
林大輔(慶應義塾大学大学院法学研究科)
相原清(東京財団政策研究部 研究員兼プログラム・オフィサー)

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