東京財団 外交史ブックレビュー

東京財団 外交史ブックレビューvol.028

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2011.01.24
◆◇ 東京財団 外交史ブックレビュー Vol.028 ◇◆
      http://www.tkfd.or.jp/research/project.php?id=19
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1. ブックレビュー

■『内訟録 細川護煕総理大臣日記』細川護煕著、伊集院敦構成
  (日本経済新聞出版社、2010年)
  評者:小宮京(桃山学院大学法学部専任講師)

■『参議院とは何か 1947~2010』竹中治堅著(中央公論新社、2010年)
  評者:小宮一夫(駒澤大学法学部非常勤講師)

2. 新刊図書・雑誌記事・書評紹介(2010年8月)

3. 編集後記

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1. ブックレビュー

このコーナーでは、日本政治外交に関連する最近の優れた書籍・論文等を、気
鋭の研究者が紹介します。特に外交の実務に携わる方々は必須のものばかりで
す。是非お読みいただければと思います。

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■『内訟録 細川護煕総理大臣日記』細川護煕著、伊集院敦構成
  (日本経済新聞出版社、2010年)
  評者:小宮京(桃山学院大学法学部専任講師)

本書の著者は、1993年に成立した非自民非共産連立政権で総理大臣を務めた
細川護煕氏である。細川元首相は、1938年生。新聞記者、参議院議員、熊本県
知事を経て、1992年に日本新党を結成した。1993年に衆議院議員に初当選し、
その後成立した細川連立政権は、1955年以来続いた自民党の一党優位体制を終
焉させた。

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  http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=681

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■『参議院とは何か 1947~2010』竹中治堅著(中央公論新社、2010年)
  評者:小宮一夫(駒澤大学法学部非常勤講師)

1989年の参議院選挙で自民党は大敗し、参議院の議席数で過半数を下回った。
これ以降も、2007年の参議院選挙で大敗し、民主党にその座を譲るまで自民党
は参議院で第一党の地位を死守し続けた。しかし、単独で過半数に届かなかっ
たため、1990年代末以降、自民党は参議院対策の観点から公明党と連立政権に
引き込まざるを得なかった。

また、民主党も2009年の総選挙で圧勝し、政権を獲得したものの、参議院の議
席が単独過半数に届かないため、社民党及び国民新党との連立政権を作らざる
を得なかった。しかし、2010年5月末、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる
対立から社民党が政権離脱し、6月、鳩山内閣は総辞職に至った。そして、菅
内閣で臨んだ7月の参議院選挙で民主党は惨敗し、参議院における与党の過半
数割れ状況は相変わらず続いている。

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2. 新刊図書・雑誌記事・書評紹介

2010年8月に刊行された政治外交関連の新刊図書・雑誌記事・書評のリストで
す。外交に関する情報収集や研究のデータベースとしてお役立てください。

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  http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=700
  
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3. 編集後記

良い新年をおすごしになったことと存じます。

今回書評した本を取り上げた回では、現代日本の国内政治に通じたメンバーが
新たに加わり、さらに充実した議論を交わすことができました。

参議院の問題は、戦前の貴族院研究から教わることがありますし、政権に敵対
する勢力が多数を占める議会ということであれば、戦前の衆議院の経験から学
ぶこともできます。

同時代史を堪能するとやがて古い時代に遡りたくなる、職業病でしょうか。諸
病の患者が集った賑やかな夕べでした。(五百旗頭)

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日本外交に関心を持つ方々へ
北岡伸一(東京財団上席研究員、東京大学教授)

清沢洌は『外交史』(1940年)の序文に、「外交史に関する知識が、今日ほど
必要とされてゐる時はない。この知識を基礎とせずして造りあげられたる外交
政策と、外交輿論は、根のない花である」と書いています。

これは、時代を超えた真理だと思います。現代の日本は、当時ほど切迫した状
況にあるわけではありませんし、当時とは比較にならないほどの言論の自由が
あり、情報収集も容易です。にもかかわらず、現代の外交政策や外交世論が、
正確な外交史の知識の上に築かれているとは、決して言えないのではないでし
ょうか。

その一方で、戦後外交に関する研究は着実に発展しつつあります。外交文書の
公開や情報公開制度の利用等によって、新しい史料が利用可能となり、アメリ
カ等外国の文書に主として依拠した研究から、より総合的複眼的な視点が提示
されつつあります。それらの研究は、しかし、まだ専門研究者の間で共有され
るだけで、広い外交論議の基礎として十分利用されてはいないというのが現状
です。

このニューズレターは、そうしたギャップを埋めることを目指しています。す
なわち、戦後日本外交史およびこれに密接に関連する分野(日米関係史、日中
関係史、その他の国際政治史、日本政治史、地域研究など)において最近登場
した優れた研究を、対外政策に関心を持つ幅広い層、いわゆるforeign policy
constituency に紹介しようとするものです。日本外交を「根のある花」にす
るために、ささやかな貢献ができれば幸いです。

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『外交史ブックレビュー』第28号(2011年1月24日発行)

発行元:東京財団 政治外交検証研究会(リーダー:北岡伸一上席研究員)
    〒107-0052 港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階
    http://www.tkfd.or.jp/research/project.php?id=19

編集責任者:五百旗頭薫(東京大学社会科学研究所准教授)
      細谷雄一(慶應義塾大学法学部准教授)
      宮城大蔵(上智大学外国語学部准教授)

編集担当:林大輔(慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程)
     松下薫(東京財団広報渉外担当オフィサー)

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