東京財団 外交史ブックレビュー

東京財団 外交史ブックレビューvol.037

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2012.04.05
     ◆◇ 東京財団 外交史ブックレビュー Vol.037 ◇◆
     http://www.tkfd.or.jp/research/project.php?id=19
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▼▽ ブックレビュー

日本政治外交に関連する最近の優れた書籍・論文等を、気鋭の研究者が紹介し
ます。外交の実務に携わる方々には必須のものばかりです。是非お読みくださ
い。


■┓『沖縄の復帰運動と保革対立』櫻澤誠著(有志舎、2012年)
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   評者:平良好利(法政大学兼任講師)

近年、戦後の沖縄を扱った研究では、沖縄教職員会の動向に注目した研究が増
えてきている。また、社会史的な視座から戦後の沖縄社会の変容を扱った研究
も増えてきている。本書は、この2つの潮流が交錯する地点にその位置を占め
る、まさに時代の空気を内包した研究だといえる。研究素材を主として教職員
会に求めつつ、その教職会の組織内活動やその構造変化、そして教職員会と地
域とのかかわり方にまで視野を広げた本書は、戦後沖縄の一断面を鋭くあぶり
だした研究だといえる。

 続きはこちら↓
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=940

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■┓『独立完成への苦闘 1952~1960』池田慎太郎著(吉川弘文館、2012年)
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   評者:佐藤晋(二松学舎大学国際政治経済学部教授)

本書は、吉川弘文館から出版されつつある戦後日本政治の通史のうちの一冊で
ある。池田慎太郎氏による第2巻は、日本がサンフランシスコ講和によって
「独立」を達成した日から1960年の安保改定までの時期を扱っている。

本書の視点は、外国軍隊が駐留する状態での「独立」を「形式的な独立」と位
置付け、この期間の日本の政治外交を、その状態を独立国として当然あるべき
状態にもっていくことで「独立完成」を達成しようという苦闘の歩みとして描
くことにある。このように、吉田茂主導で実現した「独立」を不完全なものと
して批判する考えは、保守勢力内の「反吉田派」及び革新勢力によって持たれ
ていた。したがって、こうした視点に立つ本書は、当時の政治的対立を復元し
た形の政治史という色彩を帯びている。

 続きはこちら↓
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=938

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▼▽ 新刊図書・雑誌記事・書評紹介

2012年1、2月に刊行された政治外交関連の新刊図書・雑誌記事・書評のリスト
です。外交に関する情報収集や研究のデータベースとしてお役立てください。

◎1月のリストはこちら↓
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=932

◎2月のリストはこちら↓
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=933

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▼▽ 講演会のご案内

「政治外交検証」研究会では、「首相のリーダーシップ」「二代政党制」「日
中関係」をテーマに取り上げ、歴史を手がかりに今後の日本政治外交の課題と
方途を探る連続講演会(計3回)を開催します。

4月の第1回目は、ロンドン大学で英国の政治等を研究し、現在は成蹊大学で教
鞭をとる高安健将教授が登壇して、日英比較の視座から、議院内閣制における
「首相のリーダーシップ」や「政治主導と官僚支配」などについて講演しま
す。

質疑応答の時間も予定しておりますので、奮ってご参加ください。


■┓ 第1回「日英比較から見る首相のリーダーシップ」
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【日時】4月17日(火) 18:00~19:30(講演60分、質疑応答30分)

【会場】東京財団 A会議室(港区赤坂1-2-2、日本財団ビル3階)
    http://www.tkfd.or.jp/access.php

【講師】高安健将(成蹊大学法学部政治学科 教授)

【モデレーター】宮城大蔵(上智大学外国語学部准教授、
             「政治外交検証」研究会サブリーダー)

【定員】50名(先着順。定員に達し次第、受付を締め切ります)

【その他】参加費無料。事前のお申し込みが必要です


◎下記フォームよりお申込みください↓
 https://krs.bz/tkfd/m/postwar_diplomacy_project01


*お申込みが完了しますと、入館証として返信メールが届きます。
 プリントアウトの上、当日受付にお渡しください

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◎高安健将(たかやす・けんすけ)氏の略歴

早稲田大学政治経済学部卒業、同大学大学院政治学研究科を経て、2003年ロ
ンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスにて博士号取得。北海
道大学大学院法学研究科リサーチ・フェロー、同大学講師、成蹊大学助教授
を経て、2010年より同大学教授。著書に『首相の権力―日英比較からみる政
権党とのダイナミズム』(創文社、2009年)。

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◎今後の予定(第2、3回のご案内は後日配信いたします)

◇第2回「日本の二大政党制 ― その展開と新たな問題点」

【日時】5月17日(木) 18:00~19:30

【講師】村井良太(駒澤大学法学部政治学科 准教授)

【モデレーター】細谷雄一(慶應義塾大学法学部教授、
             「政治外交検証」研究会サブリーダー)

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◇第3回「日中国交正常化40周年」

【日時】6月15日(金) 18:00~19:30

【講師】服部龍二(中央大学総合政策学部 教授)

【モデレーター】細谷雄一(慶應義塾大学法学部教授、
             「政治外交検証」研究会サブリーダー)

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           日本外交に関心を持つ方々へ

          北岡伸一(東京財団上席研究員)

清沢洌は『外交史』(1940年)の序文に、「外交史に関する知識が、今日ほど
必要とされてゐる時はない。この知識を基礎とせずして造りあげられたる外交
政策と、外交輿論は、根のない花である」と書いています。

これは、時代を超えた真理だと思います。現代の日本は、当時ほど切迫した状
況にあるわけではありませんし、当時とは比較にならないほどの言論の自由が
あり、情報収集も容易です。にもかかわらず、現代の外交政策や外交世論が、
正確な外交史の知識の上に築かれているとは、決して言えないのではないでし
ょうか。

その一方で、戦後外交に関する研究は着実に発展しつつあります。外交文書の
公開や情報公開制度の利用等によって、新しい史料が利用可能となり、アメリ
カ等外国の文書に主として依拠した研究から、より総合的複眼的な視点が提示
されつつあります。それらの研究は、しかし、まだ専門研究者の間で共有され
るだけで、広い外交論議の基礎として十分利用されてはいないというのが現状
です。

このニューズレターは、そうしたギャップを埋めることを目指しています。す
なわち、戦後日本外交史およびこれに密接に関連する分野(日米関係史、日中
関係史、その他の国際政治史、日本政治史、地域研究など)において最近登場
した優れた研究を、対外政策に関心を持つ幅広い層、いわゆるforeign policy
constituency に紹介しようとするものです。日本外交を「根のある花」にす
るために、ささやかな貢献ができれば幸いです。

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『外交史ブックレビュー』第37号(2012年4月5日発行)

発行元:東京財団 政治外交検証研究会(リーダー:北岡伸一上席研究員)
    〒107-0052 港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階
    http://www.tkfd.or.jp/research/project.php?id=19

編集責任者:五百旗頭薫(東京大学社会科学研究所准教授)
      細谷雄一(慶應義塾大学法学部教授)
      宮城大蔵(上智大学外国語学部准教授)

編集担当:林大輔(慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程)
     松下薫(東京財団広報渉外担当オフィサー)

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