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第2回日中政策勉強会 ―中国世論と日中関係―

November 9, 2010

東京財団研究員
大沼瑞穂

尖閣諸島問題を契機に、中国では、反日デモが相次いだ。多くの学生が反日デモに参加し、最初は黙認していた当局も、暴力行為が見られるようになると、次第にデモを封じ込めるようになっていった。

今回のデモは、「内陸部、数百から数千人規模、若者の参加が多い」というのが特徴だった。それは、2005年の北京、上海での大規模反日デモ明らかに異なる性質のデモであった。日本では、デモの様子や中国のインターネット内の議論が連日報道され、学生主導のデモを、若者の社会的不満が共産党をゆさぶっていると分析し、多党制や台湾の馬英九の訪中を歓迎するなどの横断幕や中国でのインターネット内の議論に注目し、中国社会の不安定さを強調した報道もあった。

しかし、それは、中国のほんの一部の現象でしかすぎない。南京や深センなどでは、警察がデモの情報をインターネットでキャッチし、集合場所で事前に大規模な警備をすることで、デモを事前に封じ込めた。中国において、デモは届け出制であり、当局の許可が出なければデモ行進はできない。成都、西安、鄭州で起こったデモは、その後も綿陽、武漢、蘭州、宝鶴、重慶、寧夏回族自治区や長春へと飛び火したが、いずれも数千人から数百人規模でとどまり、過激な行動に対しては、警察が取り締まるなど、デモに対する政府のコントロールはきちんと機能していると見ることができる。官製デモとまではいかずとも、デモは中国共産党のコントロールできる範囲で存在していると言えるだろう。

その一方で、着実に中国でのインターネット世論は拡大し、影響力を持つようになってきている。中国でのインターネットの現実はいかなるものか。中国共産党はそれらをどう捉え、コントロールしているのか。デモを起こす側も、また取り締まる側もインターネットを駆使し、利用しようとしている。インターネットは、中国の民主化支持者や反日デモ支持者の手段だけでなく、政府や中国共産党にとっての手段でもある。日本は、一部のデモや一部のネット情報に過敏に反応することなく、中国全体がどのようなメッセージを出しているのか、注意深く分析する必要がある。

第2回日中政策勉強会では、「中国世論と日中関係」というテーマで、中国のインターネット事情につき、北海道大学の高井潔司教授からご講演いただき、その後、反日デモは、なぜ起きたのか。その背景にある中国の思惑は何か。など活発な議論を行った。

勉強会の議事録は、こちら→→ <第2回日中政策勉強会>

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