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インタビューシリーズ「介護現場の声を聴く!」 主な出演者の声〔介護業界のイメージなど〕

May 29, 2012

介護業界のイメージ/人材確保/報道への注文

  • 介護業界は悪いことばっかりじゃない。公平にスポットを当てた方が良い。介護のプラス面も報道して欲しい。(第5回)
  • 仕事の良さが分かる前に辞めて、ハードぶりだけを周りに話されると、悪いイメージが伝わってしまう。学校や教育で介護の世界が語られていない。教育で介護のカリキュラムを増やせば、仕事を選ぶ時に魅力を分かって貰える。(第5回)
  • 一般大衆的に飛び付きやすいところから報道ぶりに偏りが出るのは仕方がないが、良い部分を広く発信していければ、判断材料となる知識を増やせる。(第5回)
  • 別の業界の人と会ったら、「介護?エッ?」という顔をされた。世間全体が介護業界に対して腫れ物を触るような目がある。世の中が介護の仕事を誤解しているのは悔しい。逆に介護事業に参入した人から「素晴らしい仕事だ」と言って貰えると嬉しい。(第5回)
  • 「独りじゃできないから…」という理由でトイレでの排泄を諦めている高齢者は多い。しかし、ヘルパー達が協力してトイレで排泄して貰うと、高齢者が泣いて喜んでくれて、職員も泣いて喜ぶ。そういう時に仕事のやりがいを感じる。(第7回)
  • 人生経験を重ねた高齢者は話が面白く、昔のことを覚えている高齢者も多く、様々なことを学ぶ機会になっている。利用者から料理を教わったこともある。(第7回)
  • ヘルパー達を育ててくれる気持ちが高齢者にあり、自分の弱点だった家事を利用者に助けてもらった。(第7回)
  • 高齢者は全く弱くない。むしろ、我々の方が色々と教え頂いて助けられる。介護と言えば、高齢者をお世話するイメージが強いが、仕事を始めた頃は昔ながらの煮付けの料理方法を教わった。お世話するというイメージはない。(第8回)
  • 介護現場は暗いイメージを持たれており、介護職員による交流会として、「百人飲み会」という企画を開催した。参加者をブログなどで呼び掛けた所、広島県からも参加者が集まった。その時は渋谷のクラブを貸し切ったが、みんな何かアウトプットしたいという願望がある。(第10回)
  • 介護職のイメージ改善に関して、「介護を小学生のなりたい職業No.1に!プロジェクト」を始めている。「介護地獄」と書き立てるメディアの報道には負の部分が多く違和感を感じるため、学校で介護職の楽しさをPRする紙芝居を作成するとともに、ユーチューブ上で放映している。(第10回)
  • テレビで放映されるような暗いイメージばっかりじゃなく、楽しい記憶しかない。だからこそ10年間も続けて来られた。利用者が「生きてて良かった」「ここに来て良かった」と話してくれたり、笑顔を見せてくれたりする所に仕事の喜びを感じる。(第7回)
  • 現場で働く人にクローズアップした番組を見ると、「安給料なのに頑張っている」という報道が多い。ただ、現場の発信が不十分。現場で働く姿や思っていることを発信して行きたい。SNSやツイッターを使った情報発信も一案だ。(第9回)
  • 応対や言葉遣いなど一般企業では当たり前の研修が不十分な事業所も少なくない。挨拶や電話応対など社会人としての最低限が不十分。一番底辺の所から直す作業をやらないと。まだ間に合う。事業所では口うるさく言っている。事業所や企業で対応に格差が付いている。(第16回)
  • セミナーで学んだ成功哲学をモットーとしているが、一般企業や大手ファンドだけでなく介護現場でも使えること。質の向上をしっかりやれば介護の地位が上がる。(第16回)
  • 多くの職員は最低賃金や生活保護の扶助基準という底辺から考えている。その考え方自体を止めないと、賃金は上がらない。キチンとした稼働や集客を見込めて、実際に結果を出せば賃金は上げられる。(第16回)
  • 職員が真剣に考えて行けば、賃金水準は上がる。ネットなどを使えるものは使い、貪欲に吸収していけば必ず熱さは人に伝わる。介護報酬の仕組みを職員に勉強して貰う。どうして利用者や稼働率が増えたのか職員に刷り込む。利用者のことを考えれば結果が付いて来る。(第16回)


  • 優良企業と言われる大手企業はきちんと研修をやっている。しかし、全部がそうじゃない。利益ばっかり目に行っている企業がないわけじゃない。職員研修に関して追い付いていなかったのが現実。ここ半年ぐらいで採用時の研修に力を入れて電話応対に必ず触れている。(第16回)
  • 電話対応でも酷い所はある。企業経営者や施設管理者と話してみると、サービス向上や利益拡大など何処に重要度を置いているのかも分かる。(第16回)
  • 今の報道は利用者と関わることの楽しさや充実した部分が全く出ていない。(第16回)
  • ヘルパーを題材にしたドラマが放映されており、いい面と悪い面が出ている分岐点。実際に沿ったドラマや報道が出来れば漸く周知される。新たな発展になるのでは。(第16回)
  • 福祉の部分が強いと思っていたが、事業所によっては笑顔があふれている所もあるし、顧客満足を考える飲食店や一般企業と第16回じようにサービスの向上をきちんとやっている。一般企業と変わりがないと思えた。(第16回)
  • 負のイメージを払拭する上で情報発信が足りないので、ブログを更新させている。楽しい部分を外部に認識して頂けるよう発信している(第16回)
  • 介護業界は究極のサービス業。何もやらなければ淘汰されてしまうという危機感がある。SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を使わないと時代に乗り遅れる。(第16回)
  • 個性を主張する女性職員が少ない。中には専門誌のインタビューやブログによる発信などに取り組み、独立した人も。しかし、現場ではネガティブ志向の人が多く、ネットを見ても愚痴の書き込みは多いが、良くしようというポジティブな意見が見られない。(第17回)
  • ポジティブにならない原因には看護職との関係がある。看護との役割分担が不明確な部分があり、業務の概念が看護とかぶって来る。歴史的に見れば介護は看護のバックボーンがあるので、アイデンティとして自信を持っていない。(第17回)
  • 介護職は「医療モデル」「生活モデル」の2種類があり、前者は看護師の補助と専門職の代行、後者は高齢者の生活支援サービスと在宅生活支援、デイケアが中心。しかし、後者は専門力を示せないため、評価や給与水準の低さに繋がり、不満を持つ職員は多い。(第17回)
  • 近年は専門性を評価する経営者や事業所運営者も出て来ており、事業所ごとの給料格差が激しくなった。メディアが取り上げる給与水準の低い所も存在するが、水準の低さがクローズアップされ過ぎている。(第17回)
  • 業界に対する周囲の誤解がある。一般の人が介護施設に触れる機会と言えば、家族が入所した時などに限定されるため、周囲から閉じられている。不動産取引の時も大家や近隣の人の理解を得るのが難しく、誤解を起こして物件を貸して貰えない時も。業界の実情を知って貰いたい。(第17回)
  • 獣医師は独立する目があるからきつくても頑張れるが、看護師はペットを抱えて腰痛になる人がいる。しかし、続けていると仕事が段々と楽しくなって来る。(第20回)
  • 崇高な理念で入ると、理想と現実のギャップに苦しむ。最初は俗的な欲求で入ったらどうか。仕事すると見方が変わって来る。若い時には仕事の実情が分からない。(第20回)
  • 離職率が高い。短い間で転職を繰り返す。崇高な理念を持っている人は元々、少ないかもしれない。現状で言えばドロップアウトの人が多い。一線を超えるまでのスパンが重要。(第20回)
  • トラブルを起こす問題社員に対応したとしてもモグラ叩き。給料を上げれば良いという訳ではなく、職員に仕事の遣り甲斐や成長を実感させることが大事。オリエンタルランドに代表される通り、それをやっている会社は離職率が低く、業績もいい。(第20回)
  • 従業員満足の向上に時間を要するが、金で価値観を計っている人は「あっちの方が給料が高い」と思う。多くの経営者は金の動機付けしようとするが、それではダメ。(第20回)
  • 一般企業と違って介護職はキャリアアップや昇進の過程が見えないので、離職率の高さに繋がっている。(第20回)
  • 周囲は「認知症をボランティア精神で相手している」「金は気にせず、慈愛と奉仕の気持ち」というイメージ。ただ、自分は普通にやっているだけ。ビジネスじゃないと、顧客満足度も上がらない。自分が年を取った時に、そうした所を徹底しないと。可愛い職員を守るためには赤字だと厳しい。(第20回)
  • 介護職は資格がなくても働けるので就職のハードルが低い。専門知識の教育をやるべき。医療の知識を含めて勉強する機会があっても良い。(第20回)
  • 看護師、介護福祉士が不足しており、育てなければならない。高齢者の人生が職員に感動や喜びを与える。喜びを感じるスタッフの育成が必要。「介護が大変」と言って作業的に終わらせて来た。(第45回)
  • 厚生労働省に対して、「仕事が大変なのに、給料を上げられない」と人件費や仕事の大変さを交渉に使った。とても象徴的だったので、マスコミが報じた。多分、これがイメージダウンさせてしまった。(第45回)
  • 待遇の低さばかり強調していた過去の対応を全く反省しなければならない。彼らがどうしたら喜びを持って仕事できるか今、やっている。感動体験の発表など色々やり始めているが、まだまだ足りない。(第45回)
  • 派遣切りに遭った人達に「うちで資格を取らせて上げる」と声を掛けたが、一人も来なかった。実際に「時給が1円でも高い所に移る?」「給料が高い業界に人が集まっている?」と言うと、そんなことはない。(第45回)
  • 労働と賃金の交換じゃなく、やりがいを分かるようにお膳立てするべき。「給料をやる」と国がお膳立てするのはいけない。給料を上げることは大切だが、お金が最優先じゃないことを強調しないと。(第45回)

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