タイプ
レポート
日付
2012/5/31

インタビューシリーズ「介護現場の声を聴く!」 主な出演者の声〔介護報酬改定、制度改革に向けた注文〕

介護報酬改定、制度改革に向けた注文


現場とのギャップ現場の対応法改正の評価介護報酬改定の評価今後のサービス像介護職の課題

  • 一気に事業者が増えたが、財政難でルールを細かくしたり、参入規制を掛けたりして、利用者にとって選択できない環境が作られている。利用者による自由なサービス選択を認める本来の趣旨に立ち返って、利用者の選択肢を広げるべきだ。(第1回)

  • 高齢者にとっては、何でも自分でできる方がいい。介護保険制度の基本は自立支援。現行は寝たきりの高齢者を増やすと、施設に入る介護報酬が増える仕組みとなっており、介護職員がリハビリを実施して要介護度が下がった時、収入が増えるメリハリの効いた制度設計が必要。(第1回)

  • 後出しジャンケン的な制度の作り方が問題。民間の工夫でサービスが多様化したが、役所から「だめ」と判断されると、お客さん目線の事業の難しくなるし、職員のモチベーションも下がり、措置制度に戻る。サービス供給を民間に任せた以上、現場の裁量を走らせつつ、方向修正すべきだ。(第1回)

  • もっと現場を持って見て欲しい。政策立案者が現場の意見を聞き入れたり、制度改正を議論する国の審議会に現場職員を入れたりするべきだ。(第2回)

  • 財政難で給付や介護報酬などに意識が行ってしまうが、制度改正の度に先が読めない。どのような将来か見えるビジョンがあればいい。(第2回)

  • 長いスパンで見た時、市場の垣根をなくしてフラットな市場にしないと発展は難しい。いいものを提供できる法人が一つでも生まれる業界にして欲しい。(第2回)

  • お金を持っている人も、持っていない人も十分な介護サービスを受けられる社会になって欲しい。(第3回)

  • サービスを利用できない利用者がいるので、間口を広げて欲しい。施設への入所ではなく、宿泊付きデイサービス(お泊まりデイ)を充実していけば、家族も助かるのでは。(第3回)

  • 制度が分かりにくい。サービスを受けたくても受けられない人がたくさんいる。家族が理解できる仕組みを考えてほしい。(第3回)

  • 若い人達にとって魅力ある産業にしないと、僕らの介護はない。新卒の子達に「僕達の業界は将来未来があって、僕達がやればやるほど生産性が上げられる」と言っている。(第21回)

  • 介護保険制度の創設を境に、お客さん様視点か、介護を提供する側の視点かで大きく変わって来る。民間に開放された瞬間、民間はお客さん視点を明らかに意識している。(第21回)

  • 大枠は介護保険で決まっているが、サービスの切り口を変えて行くべき。団塊世代は物を言うので、厳しい指摘を改善できるかが重要。顧客目線に近付ける必要がある。(第21回)

  • 実際にデイサービスを体験すると、「6時間って長い」と思った。65歳と90歳のおじいちゃんは親子の差ぐらい年齢が違う。会話や考え方、介護のステージは違うのに、「同じ時間を共有しろ」と言うのはミスマッチが起きる。(第21回)

  • これまでの介護報酬改定の影響を見ると、報酬単価が下がった分、売り上げはそのまま。介護職員処遇改善交付金で給与に反映できているが、なくなったら起業した当時の水準にならない。(第22回)

  • 介護職員処遇改善交付金のキャリアパス要件は「上位資格を取り、長く勤める人の給与を上げろ」という中身。だが、面接では「経験、資格、年齢は無関係。上位資格が必ずしも偉い訳ではない」と言っており、要件は有難迷惑。(第22回)

  • 最終的に介護職員処遇改善交付金を受けるため、従来の評価制度を崩した。上位資格を取って行くのは当たり前だが、国から「やらないと交付金を上げないよ」と言われると、独自の取り組み、会社の良さを消す。(第22回)

  • 認知症ケアで成年後見人は重要。行政書士などを雇うと金が掛かり、担い手に不足している。市町村に市民後見人の育成

  • 活用を促した制度改正を通じて、団塊世代が後見人になれる仕組みができる。(第24回)

  • リタイアして半分ボランティアだけど、1カ月1万円でもいいから、市民後見人による認知症ケアをやる人を増やそうとしている。後見人を全部プロにできない妥当な現実策。(第24回)

  • 市民後見人の質を担保できるか、研修をきちんとやるかが課題。(第24回)

  • 介護保険の課題は認知症ケア。「認知症を地域で温かく見守って行き来ましょう」という啓発をやっているが、サービスを増やさないと、家族やボランティアでは限界。金のない人は劣悪な所に行くのか、シビアな時代になる。(第24回)

  • 宅老所やグループホームの足りない部分を精神科病院でやる流れになる。重い行動障害に対する介護は必要になるが、生活を整えることで地域の普通に生きられる感じにできないか。(第24回)

  • 高齢化で認知症が増える以上、50代でケアのために仕事を辞める人が増える。近親者のケアで共働きもできない。ヘルパー、医師など専門職が育っていない。ケア、サービスの両面で課題がある。(第24回)

  • 家族の絆が崩れかけている。どう立て直していくか。認知症の人が親戚に必ず誰かいる時代がやって来る。(第24回)

  • 専門医を増やす方策として、地域に根差した医者の講座を作って教授、准教授を作って行かないと。今でも一つか二つ大学にあるけど、専門医は医局制度も含めて考えなければならない。(第24回)

  • 認知症の人に対して、地域包括センターや市役所の職員がサービスを入れられる範囲まで介入できるか。本人が「ダメ」と言っても、「サービスは必要」と思った時はチョット強引だったとしても介入して行かないと。(第24回)

  • 医師の診断を受ける際、認知症高齢者が元気になる時がある。普段と違うことを見抜ける専門医が必要。地域に密着した医者を増やさないと、認知症ケアは難しい。認知症に理解のある医者を増やすべきだ。(第24回)

  • 「デイサービスの間、外出してはいけない」という国の通知は市町村で判断が異なる。地方分権は善し悪し。実際の運用は各自治体で違う。利用者の目線で、もう少し柔軟に制度を作って頂きたい。(第22回)

  • 近隣市に住む利用者も散見され、市町村境、県境に住んでいる人は越境してサービスを受けるし、営業活動もできる。送迎で来れる距離であれば利用する側は関係ない。(第22回)

  • 現場で働いていた頃、政治や政策に意識を持ったことはないが、経営者となった今では気になる。何をするにせよ、制度ビジネスをやっている以上、介護保険なくしてはできないという感覚。(第22回)

  • 政権が代わってもスタンスは変わらない、極端にサービスは増えないし、削られる可能性も否定できない。認知症関係予算は増やさなければならないが、厳しい時代が来る。政権交代に国民が期待した割には全然変わらないので、なかなか厳しい。(第24回)

  • 消費税が増税された場合、独居の認知症高齢者へのケアが必要になる。収入が夫婦で国民年金5万円の10万円だけの人もいる。増税でサービスが増えるのならば分かるけど、今はそんな雰囲気じゃない。(第24回)

  • 社会全体が認知症に金を配分しないと、社会が崩れる。(第24回)

  • 家族の事情から介護保険の利用に繋がらないケースもある。認知症という定義がサービスに直結しないのが問題。(第24回)

  • 「単価が高くて利益が大きいから小さくする」「利益が出ているから介護報酬を削りましょうか」と言っている。どうやってモチベーションを保って良いのか。(第32回)

  • 医療の業界団体はあるけど、介護は細分化されている。バラバラでニーズが違うので要求がまとまらない。為政者としては上手くやっている。業界団体に上がって行くまでに)手打ちしている。(第32回)

  • 所得格差もあるし、最低の医療を国が保証すべきだ。国民皆保険制度がベースで、プラスのサービスがあっても良い。(第32回)

  • 今まで予測が一回も当たったことはないけど、「50年、100年先の日本はどうなる?」とモデル化すれば、将来の社会保障費は分かる。今後15年程度だけのカーブで言うのはおかしい。(第32回)

  • 医療・介護費をGDP(国内総生産)にスライドさせるアイデアは暴論。人口構成とGDPは何も関係ない。食べ物を食べるように医療、介護も必要。それが伸びるのは分かり切っている話。(第32回)

  • 各種加算が聖域みたいになっている。介護分野事業が急拡大しているので、やり方で伸びる余地は相当ある。需要が増えているから金が掛かるから、どうやって財政的に抑えようかみたいな感じ。伸びに合わせた制度改正が必要。(第32回)

  • 「困った時は国、自治体が助けてくれる」と思えば、色々とチャレンジできる。セーフティーネットと綺麗な事を言っているけど、ネットはボロボロに破れている。網が大きくて掛からない。細かい問題はいっぱいある。(第32回)

  • 税・社会保障改革に関する政府の説明はカネの話ばかりで、保障の問題は二の次。「年を取って何かあった時、こういうサービスを受けられる」という説明はゼロ。マクロで「医療費、介護費が伸びる。だから金が足りないので、これだけ消費税を上げる」で終わり。(第32回)

  • 状態が危なくなったら医者が死亡診断書を書く。それをやらないと、解剖で警察を呼ばなきゃならない。医者が誰でも死亡診断書を書いてくれるとは大間違い。死亡者が40万人に増えたら大混乱する。その制度も変えた方が良い。(第32回)

  • デイサービスに行っている時、風邪を引いているので医者の往診を希望しても、介護保険を使っている時に医療保険はダメ。ヘルパーがいないと診療できない人もいる。全部の制度が国民本位になっていない。(第32回)

  • 昔から金儲けのテーマは美と健康。介護サービスを産業化すべきだ。産業化すれば伸びることはできるが、規制で「介護報酬いくら」とやられるとできない。(第32回)

  • 心を込めてやろうが、どんなにスタッフが乱暴にやろうが、同じ報酬。ベテランの先生から見ればやっていられない。そういう先生に診療の希望が集中するので、サービスの中身で評価しても良いのでは。(第32回)

  • 給付している立場から見れば区別するのは面倒かもしれない。しかし、給付じゃない形を考えればサービスの競争が生まれて、良いサービスをした方がリターンがあり、リターンがあるとスタッフに還元できる。(第32回)

  • 介護でも医療でも宣伝できない。行こうと思う人にとっては、どこがどうなのが分からない、口コミ以外にない。(第32回)

  • 農協、生協、大手企業が入る協議会が制度的な所で話し合いをやっており、制度を作って行くのを手伝っているが、農協は面と向かって交渉していていない。(第33回)

  • 社会福祉協議会は行政。表立って団体としてやるのは難しい。介護業界として行政と折衝する団体があってもいい。(第33回)

  • 全国農業協同組合中央会が役割を果たすのも一案。地域では高齢化が実態として進み、介護が必要な状態。オール農協としてどういう方向でやって行くかと。一応ビジョンを出しているけど、それを持って対外的な折衝していくことは積極的にやっても良い。(第33回)

  • 役所向けに煩雑な書類業務が出て来る。一番困っているのは書類。(第35回)

  •    現場とのギャップ

  • 専門学校の時に法律を勉強したが、働き始めた頃は目の前の利用者にどう接するかを全力投球していた。(第7回)

  • 介護事業所の運営や利用者にサービスを説明するケアマネージャーのポジションに就いた後、法律や制度改正の知識を更新するようになった。しかし、利用者と接する時間が長い時、法律や制度の仕組みに関する知識は学校で習った程度だった。(第7回)

  • 介護業界には職員の人数や資格を巡る規制が多く、自由な発想が規制される。経営努力ではどうしようもない部分がある。役所は最悪のパターンを考えて制度設計しているのだろうが、稀に起きることに対応する投資額が大きい。(第7回)

  • 人材不足が指摘されている中で、事業所を設置する際の職員定数

  • 資格が障害になっている。サービスの質の部分を担保する部分は分かるのだが、現状で困った高齢者がたくさんいる中で、どれだけ質が上がるのか疑問。(第7回)

  • 制度導入以前と全く違う。リハビリ、送迎の有無などが介護報酬の点数で評価されて制約ができたため、以前に比べると好きな介護サービスができなくなった。末端の介護職員が反映される仕組みを作っていくべきではないか。(第9回)

  • 制度の解釈が自治体レベルで違う。何とか統一できないのか。制度の運用や解釈も自治体ごとに食い違いが生じており、地域によって判断基軸が違うことは利用者も受けられるサービスが違う結果となる。(第9回)

  • 利用者の個々のケースに応じて柔軟に法令を解釈できないか。(第9回)

  • SNSを利用し、介護現場の魅力などを発信していくことを国のプロジェクトしとしてやってもらいたい。(第9回)

  • 2025年度に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に突入すると、その頃には介護人材は2倍必要と言われている。生産人口が減り、介護労働者を増やさなきゃならない中で、外国人労働者の受け入れや介護ロボットの普及を進めないと、介護は成り立たない。(第10回)

  • 制度改革のベースとなる考え方に現場の声を生かして欲しい。(第10回)

  •    現場の対応

  • 地域との交流があればいい。認知症は決して特別な病気ではないので、認知症を知って頂いて、みんなで関わって住みやすい街にして頂きたい。(第12回)

  • 認知症患者を抱えている家族をフォローする制度が重要。(第12回)

  • 主に埼玉県内の介護事業所の立ち上げや指定申請などを支援しているが、介護事業所の指定申請を出す場合、営業する地域によって書類、審査基準が違う。都道府県レベルとなると、もっと対応が異なる。(第12回)

  • 財政難だが、制度を潰さないで欲しい。現場のニーズを汲み取って貰って制度改革に反映して欲しい。お泊まりデイサービスは最後のセーフティーネットであり、本当に困っている人を助けるためという趣旨を理解して欲しい。(第13回)

  • 宿泊付きデイサービスに代表される通り、「緊急で見て欲しい」と言われた時、現状はだめ。法制度を何とかできないのか。保険者である市町村に電話で問い合わせた際、「ちょっと待ってくれ」と言われて3~4日掛かった。困って相談しているのだから回答を早めて欲しい。(第13回)

  • 今後は保険料や税負担の増加が予想されており、関係者が将来を見て見ぬふりしている。10年後を見据えているのかと言うと、見えない。「どうやったら介護の現場を良くなるか?」ではなく、「どうやったら介護を受ける方が今後減るか?」を考えて行きたい。(第13回)

  • 痰の吸引は肺が潰れたり、喉を傷つけたりするリスクがある。医療行為が必要な人を介護施設で引き受けていることが問題。受入施設を判断できない時点で、人殺しになりかねない。しかし、食べ物などが喉に詰まるような急を要する時に介護現場でもできた方が良い。(第14回)

  • 痰の吸引を巡って介護業界と医療業界と対立したが、お互いがすり寄って行けばいい。ケア(=介護)とキュア(=治療)の両方がないといけない。今後の介護業界に関しても、専門的な知識やスキルがないと、痰の吸引などができないのならば、的確に対応しなければならない。(第14回)

  • 医療・介護業界が対立する必要はない。一人の利用者を対応するには変わりがない。介護だけでも限界があるし、医療だけでも限界がある。話し合って分かり合って、一緒に双方からのケアができれば一番いい。(第14回)

  • 看護師などと違って、介護福祉士は名称独占資格。「ここまでしかできないならば…」ということで、介護福祉士から看護師になる人が増えている。(第14回)

  • 事業所を守るために必要な知識として、介護保険法は知らなきゃならない。「自分の取り入れた知識を100%分かれ」と職員に言うのは難しいが、大事な部分でもピックアップしながら、分からないという職員に対しては最低限だけ噛み砕いて伝えて行く。(第14回)

  • 職員が全員で話し合って制度が分かるように努力している。介護報酬の単価が分からず、どういうサービスを提供しているのかか分からずに働くのは止めましょうという思いだ。本気で生き残る企業は当然のようにやっており、一般企業と福祉企業の大きな違い。(第14回)

  • 法改正では労働法規に違反して罰金刑を受けた事業所に対し、自治体が指定を取り消せる規定が創設された。一介護職員の中でも、利用者のために本当に法律も分かって法令を守るのかが大事。いい事やっても法令違反になると悲しいので、みんなで良い介護現場を作りたい。(第14回)

  • 現場にいた頃、本部から教えて貰う内容で制度を勉強していた。それでも足りない所があるので今は自分で勉強している。事業所としても、介護保険の事をある程度知っておく必要があるので、職員向けの研修プログラムなどを実施している。(第15回)

  • 宿泊付きデイサービス(お泊まりデイサービス)はサービス後のケアが必要になる。2日連続でADL(日常生活動作)を向上させる上で夜間の様子をケアすることは重要であり、1日のうち8時間しか見られないと、その人にとってどういうサービスが必要なのか本質的に分からない。(第15回)

  • 本来、介護保険制度は介護を受ける側やその家族のために作った制度。それが本質なのに制度という枠で縛ってしまい、本当に必要なサービスを受け入れられない。(第15回)

  • 法改正では労働基準法に違反した事業者に対し、自治体が指定を取り消せる規定が設けられた。医療機関

  • 福祉施設の労働法規に対する認識として、「自分達は特別」という思いが何処かある。労働法規が主に製造業を想定しているものの、制度上は殆ど他の事業と変わらない。(第15回)

  •    法改正の評価

  • 受け入れる所がないのに、介護療養病床を廃止する方針は無責任。今年6月の介護保険関連法の改正で廃止方針が6年延期されたが、箱(=高齢者を受け入れる施設)を造らないのならば延期するのは当然だ。(第16回)

  • 最近は認知症患者が認知症患者をケアする「認認介護」という状況も生まれている。特養に入りたいというニーズに対応できていない。(第16回)

  • 特別養護老人ホームへの入居を待っている多くの高齢者は老老介護。デイサービスなどの資源をフルに使う必要がある。(第16回)

  • 国や自治体は制度の枠を縛り、本質が見えていない。根本に置くべきなのは利用者の生活。根本があって制度があるべきなのに、制度ありきとなっている。それを忘れないで欲しい。療養病床を止めるからには受け皿をどうするのか打ち出した上で考えるべきだ。(第16回)

  • 民間企業はコスト削減に迫られている。徹底的にやらなければいけない。事業仕分けのような形で、(業界全体として)膿を出すべきだ。(第16回)

  • 今回の法改正で認められた痰の吸引については、今までも実際にはグレーゾーンだった。現場の実態に沿った形で制度を見直した側面が強い。実際、今までも同意書を貰った上で、現場の実情に応じて痰の吸引を始めていた。(第18回)

  • 痰の吸引に関しては、特別養護老人ホーム向けに国が1年前ぐらいから制度改正のアナウンスを流しているが、有料老人ホームはアナウンスがなかった。国としては最初にモデルケースで導入して、最終的に制度改正につなげる思惑があったのでは。(第18回)

  • 痰の吸引が必要な高齢者は寝たきりが多く、デイサービス事業所では痰の吸引を利用する人の利用がない。(第18回)

  • 看護職と介護職の違いは「cureとcare」。両者の大きな違いは独占業務の有無。看護師は医療行為を独占的に実施できることが認められ、資格も免許制で取得に向けたハードルも高い。一方、介護職は専門性と独自性を分かりにくいし、教育が機能していない。(第18回)

  • 介護福祉士の取得者が多いが、低賃金や職場環境の悪さで、仕事に就いていない。看護師は歴史があるので、賃金保障の面では介護士よりも進んでいる、定年まで活躍するのは難しくない。(第18回)

  • 2006年度に介護報酬が下がり、訪問介護が大打撃を受けた。介護予防の導入に関しても、予防に力を入れようとする事業所が少ない。大規模施設だと、理学療法士による本来のリハビリ部門が主流。ヘルパー主体の予防介護は普及しない。(第18回)

  • 「実際に介護を必要なのかな?」と思う人が介護を使っている事情があるので、介護予防と介護を分けた制度改正については評価できる。利用する側の意識が変わるだろうし、こちらの投げ掛け方も変わって来る。(第18回)

  • 自分の関係するサービスから入って、それに付随する制度の順番で制度改正を追って行くのは通常。このため、デイサービスなど訪問系は特養などの施設系に関する知識に乏しく、同様に施設系は訪問系の制度を知らないのが実情だ。(第18回)

  • 大多数の民間事業所は職員の定着率が悪いため、介護予防の高度なノウハウがシステムとして育っていない。制度の狙いと現場の実情に沿っていない点が介護保険の課題だ。(第18回)

  • 現場のケアを専門的に極めたい願望を持っており、制度に応じて働きたいので制度改正を個人的に勉強している。しかし、全般的に見れば管理職が部下にインフォメーションを流す事業所がある反面、職員の判断に任せている事業所も多い。(第18回)

  • 介護度の高い高齢者が要支援と判定された一件があったが、「だったら周りの人が何とかして下さいよ」と思った。「こういう介護が必要」と専門職が分かっていれば不満を行政に掛け合うべきであり、介護職やケアマネージャに責任がある。(第18回)

  • 介護職員処遇改善交付金を介護報酬に組み込む話が出ているので、現場レベルでは「少し明るい材料が出ている」と感じている方は多い。しかし、その対応策が決まっていないため、現場は不安を感じている。(第18回)

  • 介護福祉士など有資格者の人数を事業所の重要事項説明に入れる所があるが、通所介護や入浴介護は無資格でも働ける。外国の方が介護職のレベルが高い。看護師並みの知識があり、医療行為もできる。(第19回)

  •    介護報酬改定の評価

  • 財源が厳しいのは分かっているので、そこまで求めて良いのか微妙だし、業界のレベルアップは必要だが、ヘルパーやケアマネの報酬が低い。給料が安いと優秀な人材が他の業界に流れるし、男性が結婚して子供を育てられない話を良く聞く。報酬を上げる対応を。(第36回)

  • 独居の人だと、居宅介護サービスに関する月額利用上限が間に合わない。サービスが間に合わず、やむなく在宅を諦めることがある。その辺が柔軟に使えるといい。(第36回)

  • 必要な書類を厚生労働省が決めてソフトが統一されているが、何かサービスを導入するに当たって申込書を作成

  • 送付しなければならない。申込書を毎日書いている気がする。(第36回)

  • 見直しの度にシステムがゴロッと変わる。我々が新しく覚えなきゃいけないし、利用者に説明しなきゃならない。報酬計算のソフトをゴロッと換えると費用を取られる。(第36回)

  • 改正のごとに請求の様式が変わり、システムを直すのに無駄金を使うのだったら、単純に分かりやすいシステムができたらいい。ストレスは法改正の度に付きまとう。もう少し詰めた議論をやった方が良い。(第36回)

  • 昔と違って世間の認知度が違う。介護保険が行われて良かったと思う。(第36回)

  • 短期間に実行されて終わったことがある。それに対応して慣れて来た頃に廃止になる。もう少し長いスパンで様子を見るスタンスが必要。簡素化できるところは極力簡素化して、働く側が働きやすい業務の見直しを。(第36回)

  • 情報が出て来るのが遅い。劇的に変わる部分についても年末までに説明が1回あるぐらい。区役所も大変。(第36回)

  • 行政も未確定な部分は「言えない」というスタンス。小出しにして4月でギリギリに出て来る。年末時点で報酬改定が幾らになるか分からないと恐ろしい。(第36回)

  • 制度改正が経営に直結しかねない。変わって欲しいと望んでいる部分はあるが、余り変わらないで欲しいという部分はある。システム変更など手間の部分は追い付かない。(第36回)

  • 2006年改正の影響が大きかった。2012年度はプラス改定と言っても、事業所に入って来る収入はプラスになっている方向性はない。(第37回)

  • 介護報酬改定を理解していない職員の方が多い。講師の受講生は経験1年目の職員だが、制度改正の話題が殆ど出ない。給料がどうなるかは食い付くが、それ以外は聞かない。(第37回)

  • 事務職員や相談員、ケアマネージャーは制度を知らないと、家族に説明できないし、報酬を請求できないから勉強するが、現場の職員は知らないことが多い。(第37回)

  • 介護報酬改定について、デイサービス職員は興味を持っているかもしれないが、現場の介護職員、特に施設で働いている人はピンと来ていない。(第37回)

  • 改定結果を経営者は見ている。入って来る数字は変わるし、経営方針を考えなければならない。(第37回)

  • それぞれ働いている事業所の収入が変わるとか、サービスの提供の仕方が変わると、現場職員も「こういう理由で変わるから、合わせなければいけないのね」と感じるが、施設だとサービス自体は変わらないので余り感じない。(第37回)

  • 介護報酬を手で計算している人はいない。市町村ごとに違う地域加算があり、介護用ソフトを使う。地域で入って来る報酬も違い、ソフトの中で設定できる。電卓を叩くよりも面倒臭くない。(第37回)

  • 訪問介護、デイサービス、特別養護老人ホームの報酬を計算できるが、老人保健施設の通所リハビリが一番ややこしい。(第37回)

  • 店舗が多いので、報酬上の数単位の計算が莫大な金額になる。一単位、数単位の違いをどういう風にカバーするか考えないといけない。(第40回)

  • 介護報酬上のデイサービスの時間設定変更では、残業の発生など社内的な業務フローを関係する所を想定しとかないといけない。(第40回)

  •    今後のサービス像

  • 特別養護老人ホームは人権侵害防止、重度認知症のための施設。最近は在宅転換を促す意見が強い。ただ、実際にギリギリの所では「最後は特養」という答えも多い。介護殺人や高齢者の自殺が今でも減らない現状では、最後のセーフティーネットを持たないと、安心できない。(第26回)

  • 施設重視、在宅重視の二律背反ではなく、施設、在宅の両輪が必要。必要な人が必要な時に利用できる仕組みやサービスの量を確保する必要がある。(第26回)

  • 今後、高齢化するのは東京を含めた大都市。ただ、人材確保など大都市の事業所経営は非常に厳しい。介護職員処遇改善交付金が上乗せされても全産業平均よりも低い。しかし、交付金は基本的に全国一律。大都市は物価、住宅価格が違う。一番の注目は地域係数。(第26回)

  • ISO(国際標準化機構)規格のうち、品質保証を目的とした「9001」を取得した。介護サービスは利用しないと分からないので、安心して貰うには質が見える形が必要。自分達の作ったルールを実行してチェックし、改善できる所はルールを見直して第3者が監査するので質が見えやすい。(第26回)

  • 情報セキュリティ保持を目的とした「ISO27001」も取得した。介護事業所は様々な個人情報を持っているので、情報がルールの中で守られて行く必要がある。リスクマネジメントをやることで、利用者や家族に安心してサービスを利用して頂くことで、他の施設との差別化に役立っている。(第26回)

  • 「定期巡回随時対応型訪問介護看護」「小規模多機能居宅介護の複合サービス」の報酬設定に注目している。利用者のニーズに応じてサービスを提供できる定期巡回型は包括払いにした方が必ず良い結果が生まれる。(第26回)

  • 今の介護職員処遇改善交付金は訪問介護のヘルパーに向けた制度。デイサービス、ケアマネージャーに出ていない現状がある。(第29回)

  • 政府が税

  • 社会保障一体改革を進めようとしており、今の所には手を付けないで、消費税引き上げ分から取って来て貰えるという感覚。それで上げて貰いたい。政府が介護報酬を削るという感覚はない。(第29回)

  • 現場の働き手は頑張っているので、是非とも介護報酬は上げて頂きたい。(第29回)

  • 介護事業経営実態調査で通所介護事業所の収支差率が11.6%。通所を削減し、介護職員待遇改善交付金廃止による人件費の分に充てると考えた。単価を下げるのか、加算を削るのか分からないが、通所が狙われるんじゃないか。(第29回)

  • ケアマネージャーは単体では利益が出ない。併設事業所が殆ど。居宅介護単体は少なく、区内でも数えるぐらい。赤字補填は事業所の努力になる。(第29回)

  • ケアマネージャーはデイサービス、訪問介護の要。ヘルパーよりも月収は高いが、責任の部分や職務責任の所になってくると、報酬は見合わない。もっと貰っても良い。(第29回)

  • 給与がギリギリまで上がっていると思うが、利益率が下がってマイナスに行っている。それ以上出さないと、ケアマネージャーを選ぶ人がいなくなる。(第29回)

  • 「こういった弁当があるのでケアプランに入れたら如何ですか?」とケアマネージャーに営業に行くと、忙しそうと感じる。昼間は高齢者への訪問に外出していることが多いし、抱えている人数は30人ぐらい。それ以上の人数にならないと利益にならない。もう少し地位は上でも良いのでは。(第29回)

  • 介護保険法で「ケアマネージャーの職務がここまで」と言っても、利用者の相談役になってしまう。都合良く日曜に何の相談事もない訳じゃないし、ある程度は会社で制限できるが、最後は責任感の所で対応せざるを得ない。(第29回)

  • 介護職員処遇改善交付金を介護報酬に組み込んだ場合、2%の引き上げが必要になり、利用者の負担も増える。しかし、利用限度額をオーバーする。限度額を上げることが必要。必要な人は多くないので、個別性を吟味した柔軟な対応ができると、在宅で長く生活できる方が増える。(第30回)

  • 地域で情報を共有してスムーズにいくことが多い。そういったことを評価して欲しい。一言二言でも「助かっている」と言って貰えれば「やってて良かった」と思う。(第30回)

  •    介護職の課題

  • 老後の居住環境について色んな選択肢が増えることが重要。住宅は国交省、介護は厚労省という縦割りは何とかなくして貰いたい。「ここからここまでウチですけど、ここから先はあっち行きない」というのは勘弁して欲しい。(第41回)

  • 多様なニーズがあるので、新しいサービスへの対応を法律も考えて欲しい。事業者にとって使いやすい制度をちゃんとやって貰わないと、成長分野と掛け声だけ言われても新しい人は入って来ない。(第41回)

  • 介護している側と、外側から見ている人は全然違う。実際やっている人は「僕達に任せて終の棲家じゃなく、第2のステージですよ」と発信したい。外側の人は「姥捨て山」のイメージを拭い切れていない。僕達から発信していくのが責任。(第44回)

  • 介護職がもっと誇りを持って仕事できるはずなのに、自分達でダメにしちゃって可能性を狭めている。言われたことをやるだけ、決められたことをやるだけで、人が足りない、時間が足りない、お金がもらえないという中で、自分達で可能性の狭い部分に落ちていった。(第44回)

  • 色んな改革にチャレンジしてきた中で、自分達でできたこともあるという誇りに繋がっている。失敗してもいいから恐れず、自分達で考えてやっていけばやりがいに繋がる。(第44回)

  • 国の苦しさが見えるだけ。報酬を上げたと言っても、一人当たり単価は下がった。特養の収入は「利用者×365日×要介護度(単価)」という形で上限が決まっており、単価が下がると、減算して予算を作るしかない。減算される部分がどの程度か考えつつ、工夫するのがマネジメント。(第45回)

  • 全体を上げるとは出す側の方の論理。貰う方の単価は下がっている。国が「こんなに下がってしまう」と知らせると、「それは無いだろう」と世論が言うから「介護報酬を1.2%上げました」という物の言い方だ。(第45回)

  • 介護保険なんて不安定な玉乗りをいつまで続けるのか。地球規模の球に乗っかっている場合は不安は少ないけど、介護保険という球が小さくなると、端っ子から落ちて来る人が出て来る。そうなった時に残された高齢者はどうするのか。(第45回)

  • 社会保障のセーフティーネットから外れて競争の世界だけになる中で、「特養はセーフティーネットじゃなくなるけど、その覚悟が国にあるのか?」と聞くと、「いやいや君達はセーフティーネットをやってよ」と言う。しかし、今の単価では将来像が見えて来ない。(第45回)

  • 入居費用は一番高い人で月20万円。しかし、航空機のビジネスクラスとエコノミークラスの違いみたいに、個人の自由、所得や趣味で選択肢が変わる。(第45回)

  • ユニット型以外の単価を引き下げた今回の報酬改定とは、国が「あんた達、一軒家じゃなく生活なんかできないでしょ」「お年寄りと言えども、プライバシーは個室でしかありえない」と言っているのと同じ。(第45回)

  • 介護処遇改善交付金を廃止して介護報酬本体で「介護職員処遇改善加算」を創設したが、デフレで全体的に下がっているのに、人件費は考える。その論理は何か。ペーパーを見ると不思議で仕方が無い。(第45回)

  • 今まで措置に飼い慣らされて来たが、今回の改定は度が過ぎる。特養は入所金を貰っちゃいけないけど、ここまで来ると寄付金を貰うことを考えたくなる。僕はやる気は無いが、競争と言った時、ここまでやるしかなくなっちゃう。(第45回)

  • ユニット型個室に誘導する国のスタンスについては、「イニシャルコストを国として面倒見ることはできない。だからイニシャルコストは家賃部分を貰って下さい。しかし、家賃部分は個室になっていないと貰いにくいよね」というのが本音。(45回)

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