研究の背景と目的

日本における雇用政策には、伝統的な労働者の権利保護等を対象としたものに加え、近年では、日本の経済成長力を目指した労働力確保、さらには生産性の向上を目指した質の改善や流動性の確保等といった議論が見られる。とくに、非正規雇用については、若年者雇用の問題と相まって、本人の公租公課等の負担軽減や雇用の長期化に向けた取組みが必要と指摘されているが、そもそも、非正規雇用のあり方に関する研究はまだまだ少ない。
すでに指摘されているとおり、非正規雇用を取り上げる際に使われる三つの区分については、?契約期間による区別(無期/有期、これがグローバルスタンダード)、?呼称による区別(労使慣行上の定義、正社員/パート・アルバイト・ハケン・ケイヤク・ショクタク等)、?労働時間による区別(?とほとんど重複、週あたり35時間以上/未満)があるが、政策的に扱われる?については、賃金や失職確率についてはさほど差がないと言われている。
本プロジェクトでは、我が国の非正規雇用を対象に、?~?に関する実態調査を行うと共に、非正規雇用が職場にもたらす影響に着目し、アンケート調査、定量分析等を通じた基礎調査から、その実態を明らかにしていく。とくに、これまで議論されてきた賃金や失業問題だけではなく、職場の生産性を向上させる非正規雇用とはどういうものか(費用逓減ではなく、職場や周辺環境への影響等を見る)、労働者の意識への影響にも目を向け、非正規雇用がもたらす(目に見えない)影響についても考察していく。

プロジェクト体制