国土資源保全

研究の背景と目的

我が国の人口は2005年に遂に減少に転じ、このままでは2030年には人口の31.5%が65歳以上になるといわれています。耕作放棄や植林放棄による荒地は全国で拡大しており、空き家率も13%を超えています。離島や奥山の過疎は国の安全保障にも関わる深刻な課題です。しかし、我が国ではそもそも地籍調査が未だ半分しか進んでおらず、境界が未定で所有者すら曖昧な山林が6割もあります。土地・地下水・河川・森林といった国土資源は、所管が複数の省庁に分かれており、全体像の把握も困難な状況です。 こうした状況に鑑み、本研究では、森林・水資源(地下水を含む)をはじめとする国土資源が抱える諸課題を明らかにします。そして、人口減少・超高齢社会における新たな国土資源保全のあり方について、具体的な提言を行うことを目指します。

書籍

『人口減少時代の土地問題―「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ』(中公新書、2017年7月20日刊行)

フォーラムレポート

第110回 東京財団フォーラム「『所有者不明土地』問題の構造と課題」(2017年9月7日開催)

「所有者不明土地」の問題構造と政策課題(上):19坪の土地に51人の相続人現る
「所有者不明土地」の問題構造と政策課題(下):戦前も戦後も終わっていない――不動産登記法をめぐる課題

報告書

「土地の『所有者不明化』~自治体アンケートが示す問題の実態~」(2016年3月発表)

論考

英文論考

プロジェクト担当

これまでに発表した報告書/政策提言

  • 「国土の不明化・死蔵化の危機~失われる国土III~」
    報告書骨子報告書全文 (2014年3月発表)
  • 「空洞化・不明化が進む国土にふさわしい強靭化対策を~失われる国土II~」
    提言書骨子提言書全文 (2013月2月発表)
  • 「失われる国土~グローバル時代にふさわしい『土地・水・森』の制度改革を~」
    提言書骨子、提言書全文 (2012年1月発表)
  • 「グローバル化時代にふさわしい土地制度の改革を~日本の水源林の危機 III~」
    提言書骨子提言書全文 (2011年1月発表)
  • 「グローバル化する国土資源(土・緑・水)と土地制度の盲点~日本の水源林の危機 II~」
    提言書骨子提言書全文 (2010年1月発表)
  • 「日本の水源林の危機~グローバル資本の参入から『森と水の循環』を守るには~」
    提言書骨子提言書全文 (2009年1月発表)

お知らせ

これまでの実施経過

  • 【2017年度】これまでの研究成果を『人口減少時代の土地問題』(中公新書、2017年7月)として出版し、その内容を周知するため、各種媒体への寄稿、講演、委員会出席などの活動を行いました。
  • 【2016年度】2016年3月に公表した報告書『土地の「所有者不明化」~自治体アンケートが示す問題の実態~』の内容を周知するため、各種媒体への寄稿、講演、委員会出席などの活動を行いました。
  • 【2015年度】2014年秋に実施した自治体アンケートの結果から、土地の「所有者不明化」問題の実態把握と要因分析を進め、報告書として発表しました。
  • 【2014年度】 これまでの研究結果を土台に、土地の「所有者不明化」問題が社会的にどのような問題を生じさせているのか、定量化も含めて問題の所在をより具体的に明らかにするため、課題の整理と自治体アンケート調査(「相続未登記と固定資産税実務に関する調査」)を実施し、分析を進めました。
  • 【2013年度】 これまでの研究結果を土台に、特に「所有者不明化」問題に焦点を当て、グローバル化と人口減少が進む中での土地制度のあり方について、管理放棄・権利放置される土地の推計、現行制度の課題の分析、そして必要な制度改革のあり方の検討を行いました。
  • 【2012年度】 人口減少・超高齢社会における国土資源(土地・水・森林)保全のために、(1)これまで提言した諸制度(法律、条例、情報整備等)の早急な実現に向け関係者への働きかけ・連携を行うとともに、(2)現行の土地制度の不備と、それに起因する諸課題(安全保障、国土管理、資源保全、土地利用、相続・徴税等)について、事例調査と分析を進め、(3)とくに、課題地域の先鋭的な現象について踏査し、現象の関連付けと共通する課題の抽出、一般化を図ること、を目的として実施しました。これまで抽出した政策課題のうち、とくに優先度の高い課題に焦点を絞り、深刻化する課題のその先を見据えつつ、さらなる実態分析、制度整備のための世論喚起、そして政策実現に向けた関係者への働きかけを行いました。
  • 【2011年度】 人口減少・超高齢社会における国土資源(土地・森林・水)保全のために、(1)近年のグローバルな森林売買を実例として、我が国の土地制度の課題について研究を進めること、(2)これまで提言書「日本の水源林の危機」I、II、IIIで提言した諸制度(法律、条例、情報整備等)の早急な実現に向け関係者との連携・協働を行うこと、を目的として実施しました。今後の土地制度のあり方について、国土保全、資源管理、安全保障など多角的観点から根本的な問題提起を行い、20年後の社会を想定しながら、今なすべき制度見直しについて、具体的な提言と実現のための活動を行いました。
  • 【2010年度】 水源林保全研究から明らかになった、日本の土地制度が抱える根本課題(地籍未確定、所有権の考え方等)に着目し、土地制度の現状と政策課題の整理を行いました。人口減少社会の国土資源(土・水・緑)保全において、現行の土地制度の見直しがいかに重要かつ緊急であるかを訴え、改善に向けた政策提言をまとめたほか、過疎や離島問題や、新たな地域共同体作りなども視野に、今後の日本人の「土地と暮らし」のあり方と制度についても議論を行いました。
  • 【2009年度】 地球環境問題の深刻化によって天然資源の争奪戦が世界中で激しさを増しています。グローバル経済の拡大と地域経済の縮小という状況にあって、私たちは安全な生活や豊かな文化の基盤である森林・水資源をどう守ればいいのでしょうか。2009年1月に発表した提言「日本の水源林の危機」を土台に、今後の国土資源保全のあり方について研究を行いました。