フランス・サンテチエンヌ市長との意見交換会 | 研究プログラム | 東京財団政策研究所

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フランス・サンテチエンヌ市長との意見交換会

July 31, 2009

概要

2009年7月30日、「地方議会の改革プロジェクト」の研究会として、笹川日仏財団の招聘事業で来日中のフランス・サンテチエンヌ市(Saint-Étienne)のモーリス・ヴァンサン(Maurice VINCENT)市長との討論会を開催いたしました。

元自治体国際化協会パリ所長山崎栄一氏より、日本では馴染みの薄いフランスの公職選挙について説明がありました。人口35,000人以上の基礎自治体の選挙で採用されている「名簿式2回投票制(scrutin de liste à deux tours)」とは、一番多く得票した政党に、まず議員定数の50%を割り当て、残りの議席は第一党を含めた政党でドント式に比例配分する仕組みです。各党の名簿には順位が定められているため、「拘束名簿2回投票式多数代表制に一部比例代表部分を加えたもの」と呼ぶことができます。

基調講演として、ヴァンサン市長から基礎自治体の議会議員選挙、特に比例名簿の作成についてのルールとプロセス、副市長ならびに与党議員の職務、野党議員の役割について説明がありました。名簿の作成にあたっては、男女同数制(parité)であることや市内の地域、年齢、職業等に配慮するなど複雑で微妙な判断が要求されるとのことでした。

木下敏之上席研究員からは、自らの市長選挙出馬の経緯を踏まえて、フランスでの選挙運動について質問がありました。兼職容認や選挙資金の獲得の仕組みなど政治家の育成を公的に支えている仕組みが興味深く、わが国でも参考になるのではないかとの意見が複数の参加者から寄せられました。

安定した勤め先を辞め、借金を背負って候補者が少なくないのが、日本の政治参加の現状です。人材のプールの拡充する仕組みも必要ではないでしょうか。


<文責:赤川貴大>

    • 元東京財団研究員・政策プロデューサー
    • 赤川 貴大
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