タイプ
その他
日付
2008/1/8

第6弾「ゆうこう」(2/5)


2.どうやって作られているのか(生産と活動の状況)


生産状況


2007年12月現在、原産地の2つの地域で確認されている「ゆうこう」の樹は、土井首地区52本、外海地区64本の計116本である。1樹あたりに収穫可能な果実数ははっきりしていないが、両地域でのヒアリングによれば、500個以上と推測される。
近年、「ゆうこう」再生の取り組みが進められる中で、この他、両地域の母樹園で計220本の苗木が育成されている。また、土井首地区の南隣の長崎・三和農水産物直売所「みさわ駅さんわ」では、無人スタンドで果実を売っていたが、外海地区にある道の駅「夕陽が丘そとめ」では、2007年12月に初めて消費者へ本格的に加工品にするなどして「ゆうこう」が売り出された。しかし果実は家にある樹木から採取したものを販売しているため、1日30個程度にとどまっている。


「ゆうこう」再生の取り組み


「ゆうこう」の「再発見」は、長崎市役所土井首支所長兼地区公民館長であった川上正?氏(左写真)が、2001年に土井首地区に深堀藩の殿様(佐賀藩家老)が佐賀藩への往来に使った「殿様道」を調べに山に入ったのがきっかけだった。当時、土井首地区連合自治会会長だった小中龍徳氏から、道端にある木からもいでもらい、食べたのが「ゆうこう」であった。川上氏にとって、それは、はじめてみるカンキツで、夏蜜柑にも似た独特の味がした。その果実の正式な名前や名前の由来、特徴など詳しいことが知りたくて、「NHK趣味の園芸」へ「ゆうこう」の写真を送ったところ、(独)農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所カンキツ研究興津拠点研究支援センターの根角博久氏の目にとまった。それがきっかけとなり、当時長崎市農林部主幹だった古瀬憲一氏も市役所での地産地消の仕事として「ゆうこう」の「品種特定分布調査」に協力、小中連合会長を中心に地元をあげての調査をはじめることになった。ほどなくして、根角氏が長崎県果樹試験場に転勤し、本格的な調査研究が始まり、「新種」であること、その特徴などが明らかにされた。同時に、現地踏査に基づき、「ゆうこう」の分布図や分布表を作成した。

川上氏と古瀬氏は、市役所を退職された現在も、休日になると、地元の方々に案内で、新たな「ゆうこう」の樹を探しに出かけ、分布図の更新をおこなっている。また、川上氏は2つの地域における「ゆうこう」再生の取り組みのよきアドバイザーとなって活動を盛り上げ、古瀬氏は地元住民の1人としてボランティアで両地区の植樹祭の指導、ゆうこうの育成指導を行っている。 
こうした中、土井首地区では、2005年、母樹園「愛のゆうこう園」が開設され、120本の苗木を育成。また、外海地区でも、2006年、地元の活動グループが苗木を100本植樹し、母樹園を開設した。

さらに、2007年から、長崎市地産地消課とカンキツ生産者で長崎県農業経営士の中尾順光氏を中心に、「ゆうこう」の増産体制の確立と地域ブランド化の取り組みがスタートし、長崎市西山木場地区で中尾氏をはじめ市内の認定農業者8人による栽培がはじめられている。