タイプ
その他
日付
2008/1/8

第6弾「ゆうこう」(5/5)


5.「香酸カンキツ」文化マップ




● ダイダイ(和歌山・静岡・愛媛・広島・福岡)
古くから関東以南から九州まで庭先果樹とされていた。
収穫期間:10月~1月

● ユズ
青森を北限としてほぼ日本全域に広がっている。

● ユコウ(徳島・高知)
ユズの近縁種。
徳島県下、上勝町を中心に中国、四国地方のカンキツ産地に点在している。
収穫期間:10月~11月

● レモン(広島、愛媛、静岡、山口、熊本)
明治に日本に伝わり、瀬戸内を中心に栽培されたが、レモンの輸入自由化以降生産が激滅した。
広島での栽培が最も多い。
収穫期間:10月~1月

● スダチ(徳島、佐賀、広島、高知、和歌山)
徳島県原産の香酸カンキツ。ユズの近縁雑種で偶発実生と考えられている。
生産量の9割以上を徳島県が占め中でも神山町が最も多く生産している。
収穫期間:8月中旬~10月上旬

● カボス(大分、広島、愛媛)
大分県南海部郡が原産と言われ、生産量の8割は大分県が占める。
食酢用や薬用に農家の庭先に散在樹として植えられていた。
収穫期間:8月~10月

● ジャバラ(和歌山)
和歌山県北山村で全国に出回るほとんどのジャバラを生産。
収穫期間10月~12月

● ゆうこう(長崎 土井首・外海地区)
長崎県の深堀地区と外海地区でみられる。
ザボンとユズが交雑して固定化したのではないかと推定される。
収穫期間:9月~3月(調理用から生食用までと幅広く使われ収穫期間が長い。)

● シイクヮーサー(沖縄本島北部・奄美大島以南の南西諸島)
沖縄の家庭用果樹としての植栽が多い。
沖縄本島北部地域の特産化と特産品作りの意欲が強まった。
収穫期間:8月~2月(調理用から生食用までと幅広く使われ収穫期間が長い。)

6. 「食のたからもの」人物ファイル



小中龍徳


「鹿尾「ゆうこう」生産振興会」会長。「ゆうこう」の実生樹の保存・振興を図るため、2005年に地元の仲間と「鹿尾「ゆうこう」生産振興会」を組織化した中心人物である(写真右)。





荒木満蔵


母樹園「愛のゆうこう園」に土地を提供し、農業に携わっていることから、「ゆうこう」の育成に努めている。
小中龍徳氏と荒木満蔵氏らで2005年開設された、母樹園「愛のゆうこう園」は、「鹿が現れ、芽を食べたり、圃場を荒らしたりするので、被害を食い止めるのが課題となっている。将来的には、知的障害者が「ゆうこう」を使ったマーマレードなどの加工品を作り、自活できるような場を提供したいと計画中である。

日宇スギノ(フェルム・ド・外海代表)


 
農家女性のリーダーでグリーンツーリズムに取り組みながら、幼少時代からの「ゆうこう」との関わりを紹介している。自分の畑や近所にある「ゆうこう」の実生樹を見守り、地元の活動グループと共に2006年母樹園を開設。地元で採掘される石で作った石釜で「ゆうこう」の果皮を使ったパンを焼き、道の駅「夕陽が丘そとめ」で販売するなどして、自給的要素を盛り込んだ「ゆうこう」の振興に力を注いでいる。





料理人:
山下 慧(さとし)氏(ホテルニュータンダ事業部取締役総支配人)


土井首地区在住であることから「ゆうこう」に対する思いが強く、「ゆうこう」を長崎の新しい食材として紹介し、洋食料理の伝統を守りながら「ゆうこう」を使った料理を創作し、ホテルで提供する一方、(社)全日本司厨士協会長崎県本部会長、並びに、長崎県司厨士技能士会会長として地元のゆうこう料理の普及に積極的に取り組んでいる。







取材・文:黒川陽子
撮影:菊地和男